華side「華、慶くん、碧ちゃん――――」校門を出て駅に向かって歩いていると、声を掛けられた気がした。辺りを見渡すと、そこにはスーツ姿の瑛斗が立っていた。「瑛斗?どうしたの?仕事は?」「いや、二人が入学したって言うからお祝いしたくて。これ……」瑛斗は、近くの店で買ったらしい白いケーキの箱を子どもたちに手渡した。その瞬間、子どもたちは、慣れない式典と緊張で一気に疲れた顔から笑顔を取りもどしてはしゃいでいた。「この前、二人がチョコケーキとフルーツタルトが好きって聞いたから、急いで買ってきたんだ。あと華の分でチーズケーキも入ってる」「ふふ、ありがとう。」「瑛斗、ありがとう!ねえ、今日これから遊べる?」慶がねだるように瑛斗の手を掴んで上目遣いで言うと、瑛斗は困った顔をして慶に視線を合わせて頭を撫でていた。彼のネクタイには、一条グループのエンブレムが光っている。「ごめんね、今日は仕事ですぐに戻らなくちゃいけないんだ。みんなは車でおうちに帰るの?」「ううん、学校にはお
ปรับปรุงล่าสุด : 2025-10-26 อ่านเพิ่มเติม