All Chapters of 離婚翌日、消えた10億円と双子妊娠を告げぬ妻ーエリート御曹司社長の後悔ー: Chapter 271 - Chapter 280

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271.都心の静寂と再婚の可能性

華side「着きましたよ、今日はこの店にしました」懇親会が行われたホテルとは別の、歩いて数分程の場所にあるホテルについた。こちらも誰もが知る高級なホテルとして有名だ。エスカレーターをあがり、二階にある飲食店のある店へと向かうと入口の石畳が印象的な和食の店へと入って行った。「せっかくお着物なので和を楽しめる店にしました。このお店、窓から皇居外苑を一望出来て素敵なんですよ」案内された個室の席に入ると、窓の外からは都心とは思えないほど緑豊かな外苑が見える。「都心でもこんなに自然を感じられる場所があるのですね。なんだか心が洗われるようです」「良かった。喜んでもらえて嬉しいです。茶道を嗜む華さんなら、この静寂を気に入ってくれると思っていました」料理を注文して、静かに外の景色を眺めていると北條先生が静かに口を開いた。「答えたくなかったら聞き流していただいて結構なのですが、懇親会前に目が合った男性とはお知り合いですか?」「あ、はい……。先生も気づかれていたのですね」「まあ。華さんの表情が硬かったので一瞬で分かりました。ですが、あの場で私から尋ねるのは失礼にあたる
last updateLast Updated : 2025-11-01
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273.進展

瑛斗side「茶道教室 東京 男性講師」華に電話を切られてすぐにネットで検索をかけた。華は、あの男のことを聞かれたくなくてわざと切ったのではないか?自分でもかっこ悪いくらい焦って弱気になっている自分がいる。あの男の顔を思い出しながら検索すると、すぐに情報を見つけることが出来た。北條湊―――――検索結果には、彼の教室だけでなく全国各地で講演を行ったりイベントのスペシャルゲストとして呼ばれるなど、茶道の世界では有名人のようで、実力・知名度ともに一線を画していた。他の記事も見たが、現在、そして過去にも結婚はしていないようだ。「北條湊、『茶道会の貴公子』だと!?何だ、その肩書きは?何が貴公子だよ……」湊は、穏やかで優しそうな雰囲気を醸し出していて女性に人気があるのも納得がいく。だが、隣にいるのが華というのは許せなかった。(華が東京に来てまだ一年も経っていないんだぞ?普通、仕事関係の相手を下の名前で呼ばないだろ!?)嫉妬心で燃え上がっていると、スマホに「長野 刑事」と登録されている番号から電話が入った。一瞬で湊への嫉妬心は消え去り、三上の件で何か進展があったのかと全身に電流が走るような緊張感が走ったが、すぐに手に取って通話に切り替えた。
last updateLast Updated : 2025-11-02
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274.面会

瑛斗side「はい。逮捕後も三上は被害者の神宮寺華さんに会うことを切望していますが、とても許可できません。まだ三上は、急に笑い出したり独り言を呟いたりと精神的に不安定です。それでも会いますか?」俺の意思を確認するように刑事が尋ねて来たが、決意は揺るがなかった。「はい、彼とどうしても話をしたいことがあるんです。」「分かりました。では、面会可能な日にちと時間を言いますのでメモを取れますか」スマホを耳に挟みながら、デスクの引き出しからペンとメモを取り出して、PCでスケジュールを確認し、一週間後の水曜日に決めた。電話を切ると、一気に力が抜けるような徒労感に襲われ、まだ現実味がなく呆然としている。(それにしても、なんで三上は俺に会う気になったんだ?あれほど頑なに面会を拒否していたのに。一体、どんな心境の変化があったというんだ?)あの事件から間もなく一年が経とうとしている――――俺は、華からSOSの連絡があってから、助け出すまでのことを思い出していた。三上のマンションのリビングの扉が開いて、俺と会長を見た時、華は小さく笑ってから、緊張の糸が切れてその場に倒れこんだ。抱きしめる俺の人さし指をギュッと握りながら、囁くほどの小さな声で「瑛斗……」そう小さく俺
last updateLast Updated : 2025-11-02
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277.推理

瑛斗side「賭けは好まない。事前に熟考して検証するか――――」三上との面会翌日。社長室に空を呼んで三上とのやり取りをすべて話した。空は、ソファに深く座り、腕を組んで考え込んでいる。「確かに、今までの三上のやり方を見ると異常なほどの執着心と計画性を感じるよね。何年もかけて華さんに近付いて信用を勝ち取っている。だから、華さんも違和感を感じても気づけなかったんだと思うし。」「そうなんだ。三上のことだから、用意周到に事をすすめたいタイプだと言うのは分かるんだ。ただそれは監禁に関してだ。だけど、昨日の話の流れだと、賭けについては事件ではなく、あのDNA鑑定な気がしてならない。何か俺たちが見落としている可能性がある気がするんだ――――」俺の言葉を聞いて、空は小さく独り言のように呟いた。「DNA鑑定も、ちゃんと誤った結果が出るか事前に試したとかは?」「―――試した!?」空は自信なさげに頭の中を整理するように慎重に言葉を選びながら話を進めた。「三上の性格からして、ちゃんと確証を持ってから実行すると思うんだ。そうすると、DNA鑑定でちゃんと誤った結果が出るか、事前に試したことは考えられないかな?」
last updateLast Updated : 2025-11-04
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278.黙秘

瑛斗side(三上は、華への激しい独占欲を持っている異常性はあるが、普段は論理的で頭の切れる人物だ。突発的に無茶をするタイプには思えない。一方の玲は、自分の思い通りに相手を手中に収めたいタイプだった。そんな玲が、三上のやったことを知ったら大人しく黙っているだろうか?)玲が副社長になってから、今までの行いを見ると口止めしたからと言って素直に聞くタイプには思えなかった。むしろ、弱みを握られてはいけない人間に思える。「空、こういうケースはどうだ?玲はDNA鑑定の偽装に気づいて三上を脅した。しかし、三上も玲の別の弱みを握っていて返り討ちにあった。そして、二人は仕方なく黙認することにした」「……ありえそうだね。それなら、三上が協力関係を否定したのも辻躄があう。彼らは協力関係ではなく脅迫による共犯関係だったってことか」「俺たちは三上と玲が仲間だと思っていたが、そこからもう違っていたのかもしれない。互いに弱みを握られて、最大の脅威の存在だった。だから玲も自分が逃げたことを三上に言わなかった……」「三上が玲さんの逃亡を知って激しく取り乱したのも、裏切られたことを知ったからだとしたら、その腹いせに瑛斗にヒントを投げたのかもしれないね。」「ああ、玲の逃亡を知って三上は激しく取り乱して「裏切られた」と言っていた。だから、きっと三上のメッセージの真意が分かれば、玲を確実に追い詰めるものになると思うんだ…&h
last updateLast Updated : 2025-11-04
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