華side「着きましたよ、今日はこの店にしました」懇親会が行われたホテルとは別の、歩いて数分程の場所にあるホテルについた。こちらも誰もが知る高級なホテルとして有名だ。エスカレーターをあがり、二階にある飲食店のある店へと向かうと入口の石畳が印象的な和食の店へと入って行った。「せっかくお着物なので和を楽しめる店にしました。このお店、窓から皇居外苑を一望出来て素敵なんですよ」案内された個室の席に入ると、窓の外からは都心とは思えないほど緑豊かな外苑が見える。「都心でもこんなに自然を感じられる場所があるのですね。なんだか心が洗われるようです」「良かった。喜んでもらえて嬉しいです。茶道を嗜む華さんなら、この静寂を気に入ってくれると思っていました」料理を注文して、静かに外の景色を眺めていると北條先生が静かに口を開いた。「答えたくなかったら聞き流していただいて結構なのですが、懇親会前に目が合った男性とはお知り合いですか?」「あ、はい……。先生も気づかれていたのですね」「まあ。華さんの表情が硬かったので一瞬で分かりました。ですが、あの場で私から尋ねるのは失礼にあたる
Last Updated : 2025-11-01 Read more