華side「俺も初めはそうだった。しかし、捜査の内容が明るみになればなるほど、玲の単独犯とは到底思えないんだ。特に架空会社と秘書との関係の手口も巧妙だ。もしそうだとしたら、玲は、いつから、そしてどのようにして、その人物たちと繋がっていたのか。……それが一番の謎なんだ」瑛斗はそこで言葉を区切り、真剣な瞳で私を見た。「まさか……。瑛斗は神宮寺家が、裏と繋がっていると思っているの?私たちを疑っているの?」私は、自分の家がそんな闇を抱えている可能性を認めたくなくて、思わず言葉に詰まった。「そんなことはない。もちろん、俺が知らないところで一条家の指図で行っていて、用済みになった玲が切られた可能性もある。何が真実か分からないが、玲の失踪や玲を取り巻く環境が怪しいことだけは確かだ。」瑛斗は落ち着いた声で、可能性の一つとして両家の関与を提示した。「それはそうだけど……でも、身内の誰かがそんな人と繋がりがあるなんて考えられないし、考えたくもないわ」(でも、櫻子さんと玲がグルになって、私たちからすべてを奪おうとしていたとしたら?母の事故も、すべて仕組まれていたとしたら……)瑛斗
Last Updated : 2025-10-21 Read more