月子の声を聞いて、静真はスマホを持つ手が震えた。でも、彼は冷静を装って言った。「今日は残業で忙しくて、まだ子供たちの顔を見に行けてないんだ。外で日向ぼっこしてる動画ならあるよ。二人とも元気だから大丈夫だ」「じゃあ、その動画を送って」月子は特に疑う様子もなく、さらに尋ねた。「監視カメラはどうしたの?」「おじいさんが、子供たちがもう少し大きくなったら動き回るだろうからって。それで、今のうちにシステムを新しくして、安全対策も強化するんだ。だから、今週いっぱいは監視カメラの映像は見られないと思う」それを聞いても月子はまだ疑おうとしなかった。静真が出張に行くことはないし、彼が父親としてそばにいてくれるなら安心だと彼女は思ったのだ。それに、腕利きのボディーガードが二人、24時間体制で警護しているのだから。彼女もそれほど子供たちの安全は心配していなかった。ただ、純粋に彼らに会いたかったのだ。母親になるとはこういうことなのだろう。乳児期が一番可愛いものだ。出張に来てまだ二日なのに、もうあのぷにぷにしたほっぺと甘いミルクの香りが恋しくてたまらなくなっているのだ。もっとも、今回の月子の出張はスケジュールが詰まっていて、責任も重かった。毎日こちらの研究室に通っては、ひたすらデータを分析する日々だ。忙しくて監視カメラの映像を確認する暇もなかった。「そう。じゃあ、子供たちのこと、よろしくね」静真が言った。「ああ、任せておけ。自分の子どもだからな、いい加減なことはしないさ。お前にとっても、子供たちにとっても、良い父親になってみせる。そして、必ずお前の心を取り戻して、家族四人で幸せに暮らすんだから」「最後のは余計よ」月子は電話を切ろうとした。静真が突然呼び止めた。「月子」「まだ何か?」「お前に会いたい。お前は俺に会いたいか?」月子は言った。「子供たちには会いたいと思ってるよ」「お前にとっては、彼らが一番なんだな?」「ええ、そう言ったはずよ」静真の心臓はきりきりと痛んだ。今こうして月子と電話で話したり、毎日連絡を取り合ったりできるのは、全て子供たちがいるからだ。子供たちがいなくなったと知ったら、月子がどうなるか……きっと取返しがつかないことになるだろう。子供たちは静真にとって最後の切り札だった。もし子供たちがいなくなれば、月子を取
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