「言わなくてもそうしてた。どうすればお前の心に届くか、わかってるからさ」「つまり、子どもたちの世話がその行動ってこと?」「そうだ。あの子たちはお前にとって大切な存在だろ。だったら、俺にとっても大切だ。それに……」隼人は少し言葉を選ぶように続けた。「正直に言うと、好きなんだ。あの子たちが。お前に似てるし、お前の子どもだから、自然とそう思える」隼人は月子の顔をじっと見つめた。痩せた分、月子はかえって若々しく見える。生まれつき整った顔立ちの人間は、調子が良くても悪くても、独特の魅力を放つものだ。理性を保とうとしても、愛する女性を腕の中に抱いていれば、どうしても心は揺れる。隼人は小さく息を吐いた。男は結局、本能に左右される生き物だ。自分も例外じゃない。身体が触れ合えば、余計なことを考えてしまう。「何ため息ついてるの?」「……気持ちを落ち着かせてるんだ」声がわずかに低くなっているのを、月子はすぐに察した。そして、彼に冷ややかな視線を向けた。「だったら、抱きしめなければいいでしょ」「それは無理だな」隼人は即答した。「自分がつらくなっても、こうして抱いて話したい。ずっと話したい」そう言うなり、彼は月子の頬に顔をすり寄せた。柔らかくて、ほのかに香る恋人を、抱かずにいられるわけがない。実を言えば、今日道端で月子の姿を見た瞬間から、ずっとこうしたかった。ここまで我慢してきた自分を、隼人は内心かなり褒めていた。月子は抵抗しなかった。彼の熱を帯びた抱擁が、嫌いではない。今の隼人は、付き合っていた頃よりもずっと甘えてくるし、距離も近い。口にしなくても、それは伝わってくる。人前でも、視線を交わすだけで、互いに何を考えているか分かるほどだ。だが今日は、これ以上べったりする気はなかった。月子は本題に戻った。「子どもたちを一緒に育てること、お父さんとご家族にはもう話したの?」隼人の表情が引き締まった。「ああ、伝えた」「……あっさり認めてくれたの?」「今回、静真と派手にやり合ったからな」隼人は淡々と語った。「俺が発砲して、向こうは刃物で俺を刺した。その一件で、かなり衝撃を受けたみたいだ。皆、本気で向き合うようになった。それで、俺は子どもの頃のこ
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