月子としては、あの兄弟が最終的にどうなるか、見届けてやろうと思った。今はただ一つ、二人の子が無事でいてくれれば、それでいい。静真に奪われるくらいなら、いっそ彼らを隼人のところで預けたほうがまだましだ。「でも、ずっとそばにいなくても大丈夫。あなたは休んで。食事は自分で行けるから」月子は今回はきっぱりと言った。「それに、少し一人になりたいの」それにはもう一つ、理由があった。月子は隼人の目を見ることができなかった。彼の眼差しに宿る気遣いは、いつも自分の胸を高鳴らせるのだ。それは一樹と一緒にいた時とは違う感覚だ。あの頃は何も気にしなかったし、深く考えることもなかったのに。隼人といる時だけは、彼のちょっとした動きすべてに惹きつけられ、どうしても彼に目を向けてしまうのだ。そうして心もかき乱されてしまうのだ。そう言われて、隼人は彼女をじっと見つめながら「わかった」とだけ言った。……書斎。隼人はソファに座り、こめかみを押さえていた。月子が泣き崩れるのを見てから今まで、ようやく一人になった彼は、瞳に殺気立った怒りを宿していた。静真のやつ、よくも月子にあんな真似ができたものだ。許せない。抑えきれない怒りのあまり、隼人は手にしたグラスを握りつぶした。賢はそばでその様子をハラハラしながら見ていた。隼人が自傷癖があることを月子に伝えるべきか悩んでいた。月子は徹の件まで知っているのだから、このことを知っても大丈夫だろう。隼人は彼の考えを見透かしたかのように、手のひらのガラス片を見つめながら、低い声で警告した。「賢、このことは月子に言うな」「でも、そうやっていつもご自分を傷つけるのは……俺にはもう見ていられない。かといって、俺ではあなたを止められない」賢はもどかしそうに言った。「あなたを止められるのは、月子さんだけだ」「月子は俺たちより何歳も年下だ。俺たちが彼女を守るべきであって、逆に彼女に心配をかけさせるなんて本末転倒だ」「しかし……」「『しかし』などない。俺は自分のやることに加減は心得ている」隼人はいつだってそうだ。物事をすべて自分の管理下に置きたがる。徹を刺したあのナイフの一突きだって、少しのずれもなかったように精密に計算されていたのだ。これしきの傷、彼にとってはかすり傷に過ぎないし、気にするほどのことでもない
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