Semua Bab バケモノが愛したこの世界: Bab 21 - Bab 30

34 Bab

六花の騎士

「え〜…実況も任された私ですが、何が起こっているのか見当もつかない為、実況する事が出来ません!未だに鳴り止まない剣戟と衝撃から察するに、とても激しい試合が繰り広げられているのでしょう!」試合場を縦横無尽に駆け巡り、剣をぶつけ合う2人。剣閃は当然の事ながら、素人には2人の動きを目で追う事すら不可能であった。「流石ね!私の速度に付いて来れる人間が居るなんて!世界は広いという事かしら!」かつてないほどの強者相手に戦いを笑みを抑えられないスノウ。しかしそれに付き合っていられる程、レイは悠長にしていられなかった。「貴方の遊びに付き合ってられる程こっちは暇じゃ無いっての!さっさと終わらせるわ!『+8ブーストエイト』!」その言葉を合図に、レイの身体能力が格段に跳ね上がる。何もかもが今までの比では無い程に迅い。先程迄の様に動こうにも全て先回りされ、スノウはレイの剣を防ぐ事すら出来なくなりつつあった。「がはっ…!」更にレイの剣が少しでも掠ろうものなら、たちまち全身に電撃が走り、スノウの体力を削っていく。対してこちらの攻撃は尽く回避されてしまう。剣に付与された氷魔法で相手を拘束しようにも、発動までの間に避けられてしまう。ダリウム戦の時に見せた周囲一帯を凍らせる技は、範囲は広いが隙が多すぎて使えない。もし避けられたりでもし
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-04
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雷雪の行方

過去に類を見ない2人の激闘。白熱した戦いに、それを見守る観衆達。しかしながら会場の気温は、それに反比例する様に下がり続けていた。「これはスノウ選手の魔法でしょうか!?相変わらず何が起こっているのか分かりませんが、突如生まれる氷が一瞬にして砕ける光景が続いております!そしてその影響か、会場内が少し肌寒く感じられます!」司会が実況してる間も多数の氷が生まれ、そして砕かれていく。2人の戦闘は相変わらず素人目には捉えられず、特に先程以上の速度で動くレイの動きを見切れる者は、ほとんど居なくなっていた。(体温も下がって動き難く、床も凍りついて滑りやすくなってる筈なのに、鈍るどころか速度が上がってさえいる。一体どんな魔法なのよ!)切り札を使ったにも関わらず捉えられないレイに、内心で歯噛みするスノウ。実際には『+9ブーストナイン』を使って以降は、新たな魔法を使用してはいない。ただ単純に凍っていない場所を踏み、強化された身体機能で体温が上がっているに過ぎない。つまりは寒冷地戦闘に適応しつつあるという証左なのだが、驚くべきはその短時間でそれを可能にする、レイの戦闘センスであろう。どちらにせよ、スノウにとってジリ貧な現状に変わりない。このままでは魔力切れを起こし、敗北するのが目に見えている。(一か八か…!)内心を悟られない様にしつつ、賭けに出る事を決意するスノウ。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-05
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それぞれの思惑

「突然試合場内に吹き荒れ出した吹雪によって客席は騒然となっております!さ、寒い!何が起こっているのかも全く分からな…あ、吹雪が!止んできております!中央に見えるのは…人影でしょうか!?一体何がどうなって…レイ選手です!足元ではスノウ選手が倒れています!決着がついたのでしょうか!?」司会の声を聞きながら、安堵のため息を漏らすニイル。負けるとは思っていなかったが、本来の目的、そしてこの大会に出場している目的すらも忘れてしまっているのでは無いかと、途中から少し不安を感じながら観戦していたのだ。どうやら自分が想像する以上にレイは戦闘狂だったらしい。強者を前にして楽しむ心が彼女に有った事に、ニイルは驚いていた。しかし、それも仕方の無い事なのかもしれない。彼女はまだまだ子供で、そしてそんな子供が経験するにはあまりにも過酷な人生を歩んできたのだから。(これ以外の楽しみを、まだ知らないんだろうな…)この大会が終われば彼女は生きる意味を失うだろう。自分達の関係がその後も続くかは分からないが、せめて独り立ち出来る位には面倒を見てあげたいと思う様になっていた。(随分絆されてしまったらしい)つい笑みを浮かべながらそんな事を考えてしまっていたニイルに、後ろから声を掛けられる。「何ニヤついてるのお兄ちゃん?」ニイルが振り返ると、調査をお願いしていたフィオと、その後ろにはランシュが立っていた。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-06
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意外な因縁

ニイルが去って少し後、ニイルの試合が始まろうかという時。半泣きになりながら薬を飲み終えたレイと、それを笑いながら囃し立てるフィオ達3人の元に、1人の来客が訪れた。「失礼するわ」「スノウ!?」部屋に入ってきたのは、先程までレイと戦っていたスノウであった。試合直後気を失っていたはずだが、今は元気そうにこちらへ歩いてくる。「良い試合だったわ、まさかこんなに強い女の子が居るなんて思わなかった」そう言いながら手を差し出すスノウ。「その言葉、そっくりそのまま返すわ。どうやってそこまで強くなったのかしら?」レイもその手を握り返しながら答えるが、その時フィオとランシュが異常な程警戒しているのに気付く。「2人共、彼女はさっきまで私と戦っていたスノウよ。試合後に闇討ちしに来た訳じゃ無さそうだしそんなに警戒しなくても…」「そういう訳じゃ無いんだけどね…」先程の戦いを経て、試合の恨みで襲って来るような人間では無いと感じていたレイは、2人を安心させる様に言うがフィオもランシュも警戒を解こうとしない。それに2人の顔を見ながら当然よね、と呟くスノウ。「でも安心して。ニイルにはちゃんと話をして来た。私にはよく分からなかったけれど、彼はちゃんと納得して帰って行ったわ」その言葉に驚愕する3人。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-07
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立ちはだかる絶望

様々な色の魔法の弾幕の中を、一条の閃光が進む。しかしまるで未来が見えているかの様に、雷の行く先々に魔法を撃ち込まれる。見える者が見れば、レイが自ら魔法に突っ込んで行く様にも見えるだろう。そもそも雷速を見切れる者等そうそう居ないので、その心配は皆無だが。「くそっ!」雷速による反射の、その常軌を逸した速度で無理やり回避するレイ。今は何とかそれで致命傷は避けているが、その重なったダメージ、更に常に雷装状態による肉体的疲労、魔力消費、そして全く太刀打ち出来ない事による精神的焦りが動きを鈍らせつつあった。(まるで奴の掌の上ね!)新たなルートを見出そうと弾幕が薄い箇所を狙い、魔法を切り払い進むが、それすらも読んでいるかの様に防がれるのだった。この世界ではほとんど使い手の居ない、魔法を切る技術。剣聖ザジが得意とし、それを受け継いだレイ。魔法が主流のこの世界において、万能の様にも思える技術だが、使い手が少ない理由、デメリットもちゃんと存在する。まず魔法の知識をしっかりと持ちながら、剣の腕も一流である事が前提の時点で、扱える者が少ないのは当然の話である。魔法への知識が有るなら魔法師に、腕に覚えが有るならば剣士に。どちらかに偏るのが普通で、その両方を極めようとするのは途方も無い努力と、類まれな才能が無ければ出来る事では無い。幸いレイはその両方を兼ね
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-11
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反撃開始

「なんだと!?」聞き慣れた、しかし有り得ざる言葉を聞き、動揺を隠せないルエル。彼の聞き間違いで無ければ目の前のレイはこう言ったのだ。『神性付与ギフト発動オープン』と。それは裏社会ですら、まことしやかに囁かれる都市伝説。しかしその中でも上位の権力者や実力者は存在を知り、その存在になるべく関与しないという暗黙の了解が出来ている程の禁忌アンタッチャブルである。そしてルエルもその存在を知り得る人物の1人であり、その部下であるベルリが実際に使っていた事から、普通の人間より身近な存在だった。しかし先に述べた通り『神性付与ギフト』、及び『神性付与保持者セルヴィ』にはなるべく関与しない、というか各組織がその存在を徹底的に隠蔽している為、誰が『神性付与保持者セルヴィ』でどんな能力を持っているか、詳細を知り得てはいなかった。(先程のスノウという女、奴も私の情報網には引っ掛かっていなかったが故に、その存在に気付かなかった。しかしあの能力からどこの所属かは大体検討がついてはいた。だがこの女は…)自分の記憶をよく思い返しても、かつて自分が滅ぼしたあ・の・国・の人間に『神性付与保持者セルヴィ』が居たと
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-13
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