一瞬の隙を突き、ルエルに深手を負わせる事に成功したレイ。 その後呪いを付与させる事も出来、恐ろしい程に順調に計画は進んでいる。 ニイルの言う通りルエルの慢心を突いた作戦だったが、ここまで見事にハマるとはレイも内心では驚きを隠せないでいた。 しかし予想以上に深刻な事態も同時に起こっている。 それはレイへのダメージが大きい事だ。 『神性付与』を発動する迄の間に受けたダメージが、治癒魔法で少しは回復出来たもののかなり尾を引いている。 何より現状マズイのが、『神性付与』の弊害が現在進行形で続いている事だ。 ニイルより授かったこの『神性付与』だが、能力はニイル曰く、色々な物が良く視える、との事だった。 実際に使ってみると、視力が良くなるという事では無く、見えなかった物や見ても分からなかった物が分かる様になった。 詳しく言うなら魔法陣の内容を、一目見ただけで理解し、模倣すら出来る様になった。 ただ、複雑な魔法や大規模な魔法等はまだ一瞬で理解する事が出来なかったり、そもそも解析不能だったりと、レイの印象では正直微妙な能力と思わざるを得ない。「それが今の貴女の限界なんでしょう。鍛錬を積めば今より様々な物が視れる様になりますよ」 こちらを見透かしたかの様に諭すニイルに、レイは率直な感想をぶつける。 「確かに相手がどんな魔法を使うのか、それを一目見ただけで理解出来るのは戦いでは有利になると思うわ。でも『神性付与』を使わなくても知識を深めれば対応出来るんじゃないかしら?」 実際簡単な魔法陣ならもう見れば分かるし、と続けるレイ。 それに苦笑しつつも、ニイルは丁寧にこの力の利便性を説く。 「学んですぐ実践に活かせるかとなれば、意外と難しいものなのはこの日々の修行で分かっているでしょう?これはその咄嗟の状況の時に役に立ちます。それに世の中知らない魔法、消えてしまった魔法は星の数程有ります。強敵に会えば自分の知らない魔法で封殺されてしまうかもしれませんよ?」 それに、とニイルは続ける。 「その魔法陣の仕組みを理解出来れば
Terakhir Diperbarui : 2025-07-14 Baca selengkapnya