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立ちはだかる絶望

Author: 一一
last update Last Updated: 2025-07-11 21:00:00
 様々な色の魔法の弾幕の中を、一条の閃光が進む。

 しかしまるで未来が見えているかの様に、雷の行く先々に魔法を撃ち込まれる。

 見える者が見れば、レイが自ら魔法に突っ込んで行く様にも見えるだろう。

 そもそも雷速を見切れる者等そうそう居ないので、その心配は皆無だが。

「くそっ!」

 雷速による反射の、その常軌を逸した速度で無理やり回避するレイ。

 今は何とかそれで致命傷は避けているが、その重なったダメージ、更に常に『雷装』状態による肉体的疲労、魔力消費、そして全く太刀打ち出来ない事による精神的焦りが動きを鈍らせつつあった。

(まるで奴の掌の上ね!)

 新たなルートを見出そうと弾幕が薄い箇所を狙い魔法を切り払い進むが、それすらも読んでいるかの様に防がれるのだった。

 この世界ではほとんど使い手の居ない、魔法を切る技術。

 剣聖ザジが得意とし、それを受け継いだレイ。

 魔法が主流のこの世界において万能の様にも思える技術だが、使い手が少ない理由、デメリットもちゃんと存在する。

 まず魔法の知識をしっかりと持ちながら、剣の腕も一流である事が前提の時点で、扱える者が少ないのは当然の話である。

 魔法への知識が有るなら魔法師に、腕に覚えが有るならば剣士に。

 どちらかに偏るのが普通で、その両方を極めようとするのは途方も無い努力と、類まれな才能が無ければ出来る事では無い。

 幸いレイはその両方を兼ね備えた、いわゆる天才と呼ばれる人間であり、『雷装』状態での使用等戦闘スタイルに合致したのでこの技術を多用しているが、本来ならば効率の悪い技術なのである。

 そもそも魔法とは魔法陣にて魔力を制御し、事象を改変する物である。

 魔力の塊を火、水、風、土、雷の5属性のいずれかに変換、あるいは光、闇の原初属性を付与させ制御する、それが魔法である。

 例えるなら魔力の塊を火属性に変換すれば炎魔法に、光属性を付与させて魔力を流せば回復魔法になる、という感じである。

 つまり元をたどせば、魔法とは魔力の塊なのである。

 そして魔法を切る技術とは、魔力を纏わせた剣でその魔力の塊を霧散させ、無力化させるという物なのだ。

 なので当然、この技術にも魔力を使う。

 相手の魔法を打ち消すだけの魔力を、魔法装填というマイナーな技術を使い、剣に込めて切る。

 故にこの技術を
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