大浴場から出ると、そこには3人がいた。「えっ!びっくりした。3人揃ってどうしたの?」知らない場所でみんなが揃うと、あまりにもイケメン過ぎて圧倒されてしまう。家にいる時ももちろんだけれど、今のこのシチュエーションにおいては、さらにドキドキを煽られる。「結姉。一緒に写真撮ってよ」「えっ?しゃ、写真?」「うん。一緒に撮りたくて待ってた」嘘……もしかしてそのためにここで私を待っていたの?「いや、ダメダメ。こんなスッピンでは撮りません」「昼間ちゃんと撮れなかったので、もう少し一緒に撮りたいと思って」文都君が言った。「う~ん、ごめん。今は本当にスッピンだから、ちょっと……。やっぱり恥ずかしいよ」「結菜ちゃんのスッピンはいつも見てるけど」「そ、そうだけど、写真となるとちょっと抵抗あるから」「結菜ちゃんのスッピンは普通のスッピンじゃないから大丈夫だよ」祥太君のいう「普通のスッピンとは違う」とはどういう意味なんだろう。「うん、わかる。結姉のスッピン、可愛すぎて化粧してる時より好きだから」「僕は、どちらも好きです。どちらか選べません」「文都君、それはズルいよ。俺ももちろんどっちも好きだけど、どちらかと言えばスッピンだって言いたかっただけ」颯君が口をとがらせた。「まあまあ、2人とも。まとめると、結菜ちゃんのスッピンはとっても可愛い。化粧してても、してなくても関係ないってことだね」「そう、それ」「はい。そうです」「だって。だから結菜ちゃん、みんなで一緒に撮ろうよ」そんなこと言われても……スッピンの話題で盛り上がってくれるなんて、すごく恥ずかしい。申し訳ないような気もする。30歳の私は、もうピチピチお肌じゃないのに。それでも、そんなことはお構い無しに、わがままな兄弟のように私を引っ張って写真を撮ろうとした。こんな私と……楽しそうに。まずは1人ずつ。祥太君は、私の腰に腕を回して。文都君は、照れながら私に頭を近づけた。颯君は、肩を抱き寄せた。スッピンの写真はあまりみたくなかったけれど、それでも、みんなでワイワイ言いながら撮影を楽しんでくれたから……不思議と、まあいいかと思う気持ちになっていた。3人と私で、笑顔いっぱいの写真も撮った。「この写真、私にもちょうだいね」「もちろん、ちゃんと渡すね」「ありがとう」フレームの中
Dernière mise à jour : 2025-08-15 Read More