「結菜!!」えっ!?どうして川崎君が?私が感じていた気配は、川崎君だった。「結菜さん!」「誰だ!お前は?」突然現れた不審者に対して、咄嗟に2人が私を守るように前に立ってくれた。「結菜……。お前、こんな立派な屋敷に住んでるのか?」「か、川崎君、どうして?」「どうして?お前だけ、こんな立派な家に住んで、同居人なんかと一緒に楽しんでるのか?」川崎君のやつれて変わり果てた姿に、私は恐怖を感じ、足がすくんだ。きっと2人には、この状況が何なのかわからないだろう。突然の出来事に、私は大きく動揺し、心臓がバクバクし始めた。「帰って下さい!勝手に人の家に入り込んできて、不法侵入で警察呼びますよ!」「それ以上、結菜ちゃんに近づくな!近づいたら許さない」わけも分からず必死に盾になって守ろうとしてくれる2人。とても申し訳なくて、泣きそうになる。「うるさい!お前らが同居人か!お前らのせいで、俺達は別れることになったんだ。お前らのせいで……」川崎君、本当にどうしちゃったの?この間の電話は何だったの?「違うよ!2人には何の関係もないの。私がもう川崎君とは会わないって決めたの。自分1人で決めたこと。お願い、もう私に関わらないで」それが切実な思いだった。「結菜。俺、やっぱりお前を忘れられないんだよ。俺にはお前しかいないんだ。頼むよ、また2人で愛し合おう、ずっと仲良くしてきたんじゃないか。なあ、俺を捨てないでくれよ。頼むよ……結菜」「嫌、やめて!来ないで!」私は、近づこうとする川崎君に向かって叫んだ。「やめろ!」「祥太君、ダメです!手を出しちゃダメだ。とにかく警察に連絡します」私を守ろうとして川崎君に向かっていった祥太君を制し、文都君はスマホを取り出し電話しようとした。その行動に舌打ちして、川崎君は慌てて出ていった。川崎君がいなくなっても、脈拍数は異常にあがり、涙が止まらなかった。「大丈夫?結菜ちゃん」「……う、うん。ごめんなさい。本当に……ごめんなさい」「とりあえず中に入りましょう」祥太君と文都君のおかげで助かったけれど、まだ足が震えたままで上手く歩けない。もし2人がいなかったらと思うと、本気で怖くなる。私はどうなっていただろうか。川崎君は、痩せて髭も剃ってなくて、まるで別人だった。私が……川崎君をあんな風にしたの?あの時、素直
Last Updated : 2025-07-27 Read more