「ダメだよ。これは3人で決めたことだから。俺達が結菜ちゃんを誘ったんだし。プレゼントさせて」「でも……」「俺は楽団で収入があるし、颯もバイト頑張ってるし。それに、文都もな」「はい。僕も時間のある時に英会話教室の先生をしてました。大学近くの英会話教室で子ども達に教えてたんです。英語が好きなんでとても楽しく頑張れました」文都君が少し恥ずかしそうに答えた。「そうだったの?全然知らなかった」「すみません。結菜さんに旅行をプレゼントしたくて内緒で頑張ってました」「そんな……医学部の勉強の合間にバイトなんて、すごく大変だったでしょ?」「いえ、とても楽しかったですよ」「子ども達に英会話を教えるなんて本当にすごいね。楽しそうに会話してる文都君と子ども達の様子が目に浮かぶよ。文都君の英語、ネイティブみたいだから子ども達も勉強になるだろうしね」きっと、こんなかっこいい先生なら、子どもだけではなく保護者にも人気があったに違いない。「ありがとうございます。おかげさまで生徒が急に増えたって塾長に言われました」やはり、文都君効果はかなりのものなんだ。「ほんとすごいな。文都君目当ての生徒が増えたんだ。俺、文都君の英語聞いたことないんだけど、なんか話して」颯君にせっつかれ、焦るような仕草の文都君。「さすがに文都も急に言われたら困るよな」祥太君が笑いながらフォローする。「そ、そうですね。ちょっと恥ずかしいですね。何を話せばいいのかわからないですし」「じゃあ、自己紹介を英語でお願いします」「えっ、ああ、結菜さんに頼まれたら仕方ないですね。照れますけど、わかりました」文都君は、ものすごく流暢な英語で話し始めた。聞き惚れるくらいカッコイイ発音。私は英会話はできないけれど、洋画や洋楽が大好きだから、文都君の英語力にはとても憧れる。英語が話せるだけで、ただでさえ素敵な文都君がますますカッコよく見えるから不思議だ。「うわっ、ほんとにすごい!めちゃくちゃカッコいい。いいよな、英語話せるって。ある意味無敵だな」「颯君も英会話を習えばいいですよ。時間があれば僕が教えましょうか?」「え、いいの?ぜひ頼むよ。文都君の負担にならないなら」「はい、わかりました。大丈夫ですよ。一緒に頑張りましょう」「ありがとう、嬉しいよ。でも、なんでそんなに英語が上手いの?」それは当
Terakhir Diperbarui : 2025-08-03 Baca selengkapnya