Semua Bab 地味男はイケメン元総長: Bab 91 - Bab 100

111 Bab

夏休みメイク 女子②

 黒髪ロングストレートのごくごく平凡な顔立ちの子、佐藤さん。 彼女は入ってきたときから様子がおかしかった。 というか、持ち物が多かった。 何が入っているのか、大きな紙袋を二つほど持っていて大変そう。 ってか、メイクしに来るだけなのに何でそんな大荷物を……? それは他の皆も思った様で……。「えっと……佐藤さん? その荷物は……?」 彼女の一番近くにいたさくらちゃんが戸惑いながら聞いていた。「あっ、あの……これはそのっ!」 問われて佐藤さんは慌てながらもチラチラ陸斗の方を見ていた。 まさか陸斗にプレゼントとか? いや、だとしてもあの大きさの紙袋二つはおかしいよね? なんて考えていると、佐藤さんは意を決した様に表情をグッと真剣なものに変える。 そして陸斗に向き直った。「日高くんに、お願いがあるんですっ!」 叫ぶように言った佐藤さんは、そのままツカツカと陸斗に近付いて行く。 どんなお願いかは知らないけれど、その内容によってはあたしは黙って見ている訳にはいかない。 あたしは警戒を強めて、取りあえず成り行きを見守った。「日高くん」「……なんだよ」 陸斗も面倒そうな態度ではあったけれど、何を言われるのかと少し身構えているみたいだ。 「この衣装を着て写真撮らせてください!!」「………………へ?」 予想していたどのセリフとも違う。 というか、その紙袋って衣装だったの?「あ? 何で俺が?」 嫌そうな陸斗の言葉に断
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-15
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夏休みメイク 男子①

 そして次は男子の番。 男子は希望者だけだからそんなにかからない。 お盆が来る前に予定通り終われそうだ。 その男子へのメイク初日は班のメンバー。工藤くん、小林くん、花田くんだ。 このメンバーだからか、今日は皆集まっている。 と言っても、午前中部活の沙良ちゃんは部活が終わってから合流するけれど。「じゃあまずは俺からな」 そう言った工藤くんから順番に始める。 小林くんが男らしい感じで! とリクエストを言ったくらいで、他二人はお任せすると言ってくれたので比較的スムーズにメイクをしていけた。 でも、何故か毎度の事ながらメイクを終えた直後は皆停止してしまう。 メイク中のあたしがカッコイイからだとか美智留ちゃん達は言うけれど、だからって止まってしまう程かなぁ? カッコイイって言われるのは嬉しいけどさ。「日高や杉沢さんが一発で落とされたの分かった気がする」「ああ、これはヤバイ。グッとくる」「まあ、でも倉木さんが誰を好きかなんて分かり切ってるから、俺達が彼女に惹かれることはないけどね」 工藤くんと小林くんが何やら感想を口にして、最後に花田くんが当たり前のことを言う。 当たり前の事なのに、陸斗とさくらちゃんが物凄くホッとした顔をするのはなんでなんだろう。 解せぬ。  とにかく今日のメイクはこの三人だけだから、あたし達は片付けをしながらお喋りをしつつ沙良ちゃんを待った。 時計の針が十一時十五分を過ぎた頃に、廊下からバタバタと走る音が響いて来る。「皆、お待たせー」 かなり急いで来たのか、息を切らしながら沙良ちゃんがドアを開く。「そんなに待ってないよ。急がなくても良かったのに」「いや、三人のメイクも気になってたしさ」 美智留ちゃんの言葉にそう答えた沙良ちゃんは男子三人を改めて見た。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-16
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夏休みメイク 男子②

 メイクを始めるとヘラヘラしていた彼は息を呑んだけれど、それも気にせず進めていく。 一通り終えると、あたしはいつもの様に微笑んだ。 ただ、微笑んだと同時に現実に戻る。 あたしってば、何でこんな奴にまで笑いかけてるのよ。 いくら集中していたからって、コイツが嫌いだってことは変わりないのに。 自分にちょっと嫌気がさしてしまっていると、突然両手をギュッと握られた。「へ?」 何事かと思い目の前の彼を見ると、その顔が近付いて来るのが分かった。 何か、既視感が……。「好きだ」「は?」「ヤバイ、すげぇドキドキしてる。倉木、やっぱり俺と付き合――」 彼のそのセリフは最後まで口にすることは叶わなかった。「今、何か言ったかぁ?」 いつの間にか近くに来て立っていた陸斗が、地の底からはい出て来るような声でそう言う。「ひっ!」「さっきもう手は出さねぇとか言ってたよなぁ? 俺の空耳だったのか?」「ひぇっ!」 押しつぶすような威圧感に、彼はあたしの手を離し物凄く怯え始める。 流石にこのままじゃマズイ。 暴力は振るわないだろうけれど、今の陸斗はマジ切れ寸前って感じで怖い。 クラスメイト相手にするような態度じゃない。 元総長って事だけはバレて欲しくないあたしは、立ち上がって陸斗の視界から彼を見えないようにする。「陸斗、落ち着いて。冗談に決まってるじゃない。あたしは陸斗と付き合ってるんだから」 陸斗の怒りを誤魔化すようにことさら明るい声で言う。 そしてまだ怯えている彼に「そうだよね?」と同意を求めた。「お、おう。そうだよ。人の彼女取ったりなんてする訳ねぇじゃん。冗談だって!」 そう言い終えると、彼は何とか立ち上がって足をもつれさせながら教室を出て行く
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-17
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閑話 杉沢 鶴①

「あ」「あれ? 美智留ちゃん?」 バイト中、客が崩した服を畳みなおしていたら美智留ちゃんが偶然来店していたみたいだ。 俺の姿を見つけて口を“あ”の形にしたまま固まっている。 「いらっしゃい。どうしたの? ここメンズショップだけど」 こっちに引っ越してきたのはいいが、特にやりたいことがあった訳でもないし取りあえずのバイト先として商店街の中にあるメンズショップで働いていた。  引っ越したのは灯里ちゃんを追いかけてきたって言うのもあるが、不良としてある程度顔が知られている地元よりまともな就職先が見つかりそうだとも思ったからだ。 だから特にやりたいこともないし、灯里ちゃんを追っかけつつ良い仕事が見つかればいいなーくらいの感じで日々を過ごしていた。  だけど灯里ちゃんはすでに日高と付き合っているみたいだったし、追っかけすぎると嫌われそうだからほとんど会いに行っていない。  大体、会いたいと思っても直接の連絡先は知らないし、家の場所も知らない。  知ってるのは通ってる学校くらいだ。 知ろうと思えば出来なくはないけど、それをやると本当にストーカーなっちゃうからなぁ……。  そんな感じで灯里ちゃんとは会えていないけれど、代わりの様に美智留ちゃんとはたまに会う。 大体が今みたいに偶然なんだけれど、まあ、縁があるってやつだろう。 「……バイト先って、ここだったんですね」 美智留ちゃんは俺の質問には答えず、そう言って納得すると近くのTシャツ売り場を物色し始めた。  ……少しよそよそすぎないかな?  俺にとってはこの辺りでの数少ない知り合いだ。  灯里ちゃんの友達でもあるし、仲良くしておきたい気持ちはある。 それに、美智留ちゃんも普通に可愛いしねー。「何をお探しかな?」 取りあえず、店員として接してみる。 美智留ちゃんは少し困ったような表情を見せると、Tシャツの方に視線を
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-18
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閑話 杉沢 鶴②

「灯里以外の二人に相談したら結局のところはあたしがどうしたいかだろうって結果になって……何かちょっと混乱してるみたいです」 そう言って苦笑しながら彼女は商品に視線を戻した。 ……ふーん。 友達に相談とかもしたんだ……。 それくらい悩んでるってことは……。「もしかして、俺の事気になっちゃってるとか? 恋愛的な意味で」 まあ俺も結構モテる顔してるし、美智留ちゃんに初めて会ったときはナンパ男から助けたヒーローみたいだったし? 好きになられてもおかしくないと思う。 流石にそこまで単純なことになるとは思っていなかったから半分くらいは冗談のつもりだったんだけど……。 ゆっくり俺を見上げた美智留ちゃんは――。「あ、それは無いんで」 と真顔で言ってのけた。「は……」 あまりにもストレートに否定されて一瞬思考が停止してしまう。「何か変な縁でも出来ちゃったんでしょうかね? この間も家の前で灯里達とじゃれ合って収集つかないことになってたし。あたしがあなたを連れ出さないとどうにもならないほど膠着状態だったでしょう?」 良く見ていると思う。 確かにあの時はちょっとからかったらほどほどで切り上げるつもりだったのに、あまりにも日高が独占欲丸出しだったから引きどころを失っていた。 日高と灯里ちゃんもホッとしただろうけれど、実は俺の方も少し助かったと思っていたんだ。「しかもその後から何故か貴方に会うことが多いし、こうぎこちない状態が続くのって嫌なんですよね」 だからつい本人に聞いてしまったのだと彼女は言う。「……」 ああ、うん。 確かに良く顔を合わせてしまう相手なのに、どう対応すればいいのか分
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-19
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浴衣①

「陸斗、ごめん。遅くなって」 クラスメイトのメイクが終わった翌日。 あたしと陸斗はショッピングモールへと来ていた。 今回は現地集合にしたんだけれど、まさか陸斗より遅くなってしまうとは思わなかった。 どうせ陸斗は時間ギリギリか少し遅れて来るだろうからとゆっくりしていたのが悪かったんだ。 準備を全て終えてまったりカフェオレを飲んでいたら、服にこぼしてしまうという失態を犯してしまった。 準備を終えたらすぐに家を出ておけば良かったと後悔しながら別の服に着替え、そうしていたらもうとっくに家を出ていなければいけない時間で……。 そんなわけで、いつもとは違い陸斗を待たせてしまう事となった。 言い訳という説明をして「ごめんね」と謝ると、陸斗は「そんなに待ってねぇし良いよ」と言ってくれる。 でも、あたしの服装を上から下まで見て眉間にしわを少し寄た。 「でもよ、服はそれしかなかった訳?」 言われて改めて自分の格好を見る。 オフショルダーのトップスに、デニムのショートパンツだ。 陸斗の言いたいことは何となく分かる。 露出が激しいって言いたいんだろう。 トップスはそう言うデザインだからオフショルダーにしか出来ない。 買ってから普通のシャツっぽくも出来るのを買えばよかったと後で後悔した服だ。 ショートパンツはかなり短いもので、惜しげもなく太ももをさらしていた。 あたしも流石に肌出しすぎだよねと思ったんだけど、今日のメイクに合う代わりの服で、今日の暑さを考慮するとこれしかなかったんだ。 「……うん、ちょっと手持ちにはこれしか……。似合わない?」
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-20
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浴衣②

声の方を見るとそこには良く知った顔がいる。 「あれ? さくらちゃんと……花田くん?」 二人だけでショッピングモールにいるなんて……。 「二人もデート?」 自然とその言葉が口から出ていた。 それくらい二人の雰囲気も自然だったから。 でもそれに慌てたのはさくらちゃん。 「で、デートって言うか! その、花火大会の浴衣買いに来ただけで!!」 買い物に来ただけでも異性と二人きりで来たならデートで間違いないと思うけれど……。 というか、さくらちゃん達も浴衣買いに来たんだ。 「あたし達もだよ。偶然だね」 と言いながら、あたしは良い事を思いついた。 「あ、じゃあさ。男女分かれて浴衣買わない? どんなのを選んだかは当日のお楽しみってことで!」 さくらちゃん達も一緒に浴衣を買いに来ているってことは当日も一緒に行くつもりなんだろう。 もし違っていたとしても、当日のお楽しみって言っておけばきっと会う約束はするだろうし。 それにあたしもちょっとサプライズにしてみたかった。 浴衣を着て、髪を上げてうなじを出して。 和風美人な感じのメイクして。 いつもと違ったあたしを陸斗に見てみて欲しいと思ったから。 それなら浴衣も当日のお楽しみにしても良いんじゃないかと思う。 陸斗の浴衣を選べないのはちょっと残念だけれど、花田くんが見てくれるなら少なくとも似合わないものは選ばないだろう。 「どうかな?」 そう言って三人を見回す。 「良いよ。それも楽しそうだね」
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-21
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浴衣デート①

 お母さんに手直しをしてもらいながら浴衣を着ていく。 メイクアップはすでに済ませた。 肌はより白く見えるようにトーンアップして、アイメイクも切れ長な目に見えるようにしている。 髪はアップにして、うなじを出す。 後毛が少し色っぽく見せてくれる。 濃い紺色に肌の白さが映えていた。 うん、この浴衣にして良かった。 鏡で確認して満足すると、あたしは家に来ていたさくらちゃんに向き直った。「あたしはOKだよ。さくらちゃんはどう?」「うん、いい感じ。おばさん、ありがとうございました」 菊模様の浴衣に身を包み、ふわふわの髪は高いところでお団子になっている。 そこに飾られた帯と同じ色の簪がシャラシャラと揺れて大人っぽくも可愛い。「良いのよ。こういうのも好きだから」 お礼を言われたお母さんはそう言うと、「じゃあ行ってらっしゃい」と送り出してくれた。 陸斗が花田くんの家で着替えてくることになったので、どうせならさくらちゃんもあたしの家で着替えて、一緒に行こうかという事になった。 さくらちゃんのお母さんは可愛くしようとばかりして来るから、今日みたいにちょっと大人っぽくしたいときとかは困るという事でさくらちゃん的にもその方が助かるのだそうだ。「何だかWデートみたいだね」 待ち合わせ場所までの道中、カラコロと鳴る下駄の音に普段とは違う気分になりながら言った。 するとさくらちゃんの動きがおかしくなる。 ビクッとしたかと思うと、ギギギと油の切れたロボットの様に首を動かしてあたしを見る。「デート……デート、なんだよね? これ」「さくらちゃん?」「そうだよね? 花火大会に二人で行こうって言われたんだし……皆じゃなくて、二人で……」 何やらぶつぶつと呟き始めた。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-22
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浴衣デート②

「そんな格好で……。灯里、お前は俺を何度惚れさせれば済むわけ?」「はい?」 意味が分からなくて聞き返すと、掴まれている手が陸斗の胸に当てられた。「分かるか? 俺、今すげぇドキドキしてんだよ」「っっっ!」 わ、分かりませんーーー! 陸斗の胸板の感触が掌に伝わって、彼がドキドキしているかどうかなんて全く分からない。 掌が熱い……。 陸斗の心臓の音よりも、自分の心臓の音がうるさい。 ドクドクと鳴って、息苦しくて……目が潤んできてしまう。 陸斗の顔が近付いて来て……。「灯里……お前、その顔ヤバ過ぎ……」 彼の唇がそう言葉を紡ぐと――。「あ! ねえねえお母さん! あのお兄さんたちイチャイチャしてるー!」 近くで子供の声が大きく響いた。『っ!!?』 思わずときめきも吹き飛んで固まるあたし達に、その子の家族の会話が聞こえてきた。「こ、こら! そういう事叫ばないの! 犬も食わないって言うくらいなんだから」 お母さんらしき人の声がして、続いてお父さんらしき人の声がする。「犬が食わないのは夫婦喧嘩だろ?」「あ、そうだったわ。馬に蹴られる方だった。そうちゃん、お兄さんたちの邪魔したら馬に蹴られて痛い痛いになっちゃうから、そういう事叫んだら駄目よ?」「んー? はーい」 そうしてその家族は去って行った。「っ~~~」 そう。 人ごみではないとはいえ、周囲に花火と夜店目当ての人が沢山いる。 あんな家族連れも当然いる訳で……。 イチャイチャ出来るような場所じゃなかった!! それこそ本当に顔から火が出てしまうんじゃないだろうかと言うくらいに顔が熱
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-23
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一致団結①

 夏休みの後半はあたしにとって地獄だったかもしれない。 前半に皆のメイクをしていた所為で、宿題が溜まりに溜まっていた。 全く手を付けていなかったわけではなかったけれど、それでも夏休みの半分を丸っと使わなければ消化出来ないほどだった。 そんな風に宿題に追われていた所為もあって、あたしは夏休みが終わるまで全く気付かなかった。 陸斗が元総長だったことが学校で広まっていたことに……。「日高、ごめん!」 始業式の日、朝から陸斗にそう謝ったのは美智留ちゃんだった。「隣の県の事だから、元総長だってわざわざ言わなきゃ分からないなんて言って地味男止めさせたから……こんな風にバレて騒がれることになったのはあたしの所為だよ……」 だから本当にごめん、と項垂れる美智留ちゃん。 でも、当の本人である陸斗はそれほど気にしてはいないみたいだった。「気にすんなって。元々地味な格好は保険みてぇなもんだったし、バレるときはバレるって」「でも、あたしが勧めなかったら止めなかったでしょう?」 本人は気にしていないのに、美智留ちゃんの方がずっと気にしている。 確かに美智留ちゃんの言葉があったから地味男を止めたんだろうけれど……。「しつけぇぞ。俺は気にしてねぇって言ってんだろ?」「でも……」 美智留ちゃんは尚も納得せずに周りに視線をやった。「うわぁ。今、田中さんを睨んでたよ? こっわ」「やっぱり元総長って本当だったんだ?」「やっぱりなー。日高に睨まれたときマジで怖かったから。むしろ納得って感じ」「バッカ、お前それちょっかい掛ける方が悪ぃだろ?」 周りではあたし達を遠巻きにしているクラスメイトがこっちを見て色々言っている。 完全に怖がられてる気がする……。「ごめん、この周囲の状況で気に
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-24
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