「でも、そんな年配でいい人なんて残ってる? それに、もう年取って頭禿げてるかもしれないわよ」「あら、いいひとなら残ってるわよ。もちろん。一世代前の人なら結婚はひとりとしかしていない人がほとんどだし、子供産んでセックスレスになってる人が多いわ。だから若い子が声を掛ければいちころよ。それに若いころに子供をつくっていても、その子が十五歳を過ぎていれば出産軽減税率の対象から外されているでしょう? そうなると所得が高い分税金も半端じゃないのよ。だからその対策として、新しい奥さんをもらって子供を産ませるのよ。それにね、ゆかりっち。頭禿げてるってことは男性ホルモンが高いってことでしょ? それってつまり年取ってても子供をつくる能力があるって証拠じゃない? アタシにとって結婚って、子供を産むことが第一の目的であって、愛のある結婚は二回目でいいかなって思ってるから。そのことで言うなら相手が既婚者で、子供がいる人っていうのがベターかな。だってその人が子供をつくる能力があるっていう証拠なわけでしょ? 結婚したはいいけど相手が種無しなんてことが後でわかったら笑えないでしょ。現に禿げた人や子持ちの男性の方が独身男性よりも本能的にモテるっていうデータもあるらしいよ。なんだかんだ言って女は子供を産むのに最適な男を選ぼうとする本能が備わってるってこと」「でもさ、一人目の奥さんが承知するかしら。ほら、昔の人だと重婚に否定的な人って多いでしょ」「それは心配ないわ。子供が十五歳を超えている家庭なんて夫婦の愛なんてもうカケラもないんだから…… 特に所得が多い家庭であればあるほど愛よりお金を重視するものよ。古い旦那なんてどこで誰と結婚しようと知ったことではないわ」「でも、二人目の奥さんにも給料の三割を渡さなきゃならないんでしょ? 年配の夫婦は同居している場合だって多いし、旦那さんの給料を全額管理している家庭だってあるのよ」「三割を渡すにしてもね、元々の所得が高い人なら出産軽減税率で減らせる税額の方が明らかに多くなるのよ。つまり、所得の多い人であればるほど二人目の結婚が必要なわけ。それでその一人目の奥さんの家庭の所得が増えるならそれに越したことないに決まっているわ。わたしは結婚しても同居するつもりはないから、その人の子種と給料の三割をもらって、出産軽減税率の対象になりさえすればすべてが万々歳じゃないの。それで
Last Updated : 2025-07-09 Read more