瑚々はその言葉を聞いて、少し迷い、どうしていいかわからない様子で彼女たちを見回し、さらに泣きはらして顔をぐちゃぐちゃにした千輝を一瞥してから、ようやく口を開いた。「謝ってほしいの」「謝るだけでいいの?」理久が不思議そうに尋ねる。瑚々は小さくうなずいた。「うん」千輝はそれを聞くと、なんとか涙をこらえ、瑚々の前に歩み寄って深く頭を下げ、泣き声混じりで言った。「ごめんなさい!さっきは僕が悪かった!本当にごめんなさい......」瑚々は唇をきゅっと結んだまま、何も言わなかった。謝罪は受けたものの、彼を許すつもりはなかった。一方、担任は事態がほぼ収まったと見て、急いで場を取り繕うように前に出た。「今回の件は、私の指導不足です。ここで二人の保護者の方に、心よりお詫び申し上げます。今後は千輝くいをしっかり指導し、二度と問題を起こさせません」そう言いながら、瑚々の前にしゃがみ込み、真剣な口調で続けた。「ごめんなさい、瑚々ちゃん。先生が誤解してしまって」「大丈夫」瑚々はそう答えたが、表情は明らかに晴れていなかった。この様子では、もう教室に戻るのは無理だろう。そこで紗夜は担任に、瑚々を一日欠席扱いにしてほしいと申し出た。担任も快く了承した。「それなら、僕も!」理久は縋るような目で紗夜を見上げる。「お母さん、今日の宿題は全部先に終わらせたよ。せっかくお母さんが帰ってきたんだから、僕も一緒にいたい」紗夜が返事をする前に、理久は甘え攻撃を繰り出した。「お願いお願い。ねえお母さん、お願いだよ~!」彼はよく知っていた。母は強く出られるより、弱く頼まれる方に弱いのだ。案の定、捨てられるのを怖がる迷子の子犬のような表情を向けられて、紗夜は結局うなずいた。「やった!じゃあ僕、すぐにランドセル片づけてくるね。ついでに瑚々の分も!」理久は張り切って言い、紗夜はただ微笑んで手を振り、好きにさせた。そして海羽に目を向ける。「車を回してきて。この子たち二人を連れて出るから」「わかった」海羽は瑚々の頬にそっと触れた。「あとで紗夜お姉ちゃんと一緒に、ママのところに来てね」瑚々はうなずき、紗夜の手を握って外へと歩き出した。長い廊下を歩きながら、紗夜の視線はずっと瑚々に向けられてい
続きを読む