使用人の顔色が、瞬時に変わった。同時に、紗夜はそのバッグの中に手を入れて軽く探り、案の定、あのホワイトダイヤのネックレスを取り出して彼女の目の前に掲げた。「証拠も盗品も揃ってる。それでもまだ、白を切り続けるつもり?」その瞬間、使用人の心の防線はついに紗夜によって打ち砕かれ、ドサリと音を立てて地面に跪いた。「す、すみませんでした......」――パァン。乾いた音が場に響いた。詩織が、怒りを露わにして使用人の頬を強く打ったのだ。「あなたが私のネックレスを盗んだのね!人に罪をなすりつけるなんて!」周囲は一斉にざわめき、驚きの視線が集まる。殴られて呆然とした使用人は、信じられないという表情で詩織を見上げた。「梅谷さん――」言い終える前に、もう一方の頬にも容赦なく平手が飛ぶ。「この泥棒!ここまで来てまだ言い訳するつもり?」そう言って、詩織はすぐに言葉を奪い取るようにして、真っ先に薫へ泣きついた。「ごめんなさい、おばさま......パーティーを乱さないように、早くネックレスを見つけたい一心で焦ってしまって......なのに犯人が別にいたなんて......危うく無実の人を疑ってしまうところでした。本当にごめんなさい......」口では謝罪しているが、その相手は海羽ではない。薫、そして周囲の招待客に向けて、仕草も表情も声の調子も、まるで事前に用意されていたかのようだった。「いやはや、見事な演技だな」明は一目で詩織の狙いを見抜いた。「最初から使用人を抱き込んでたでしょ。で、バレた途端に全部押し付ける......さすがだ」「仕方ないさ。梅谷家の令嬢だ、後ろ盾が違う。誰も逆らえないよ」千歳は肩をすくめたが、視線は詩織ではなく、紗夜に向けられていた。彼女が現れた瞬間から、どうしても目を離せなかった。三か月ぶりに会った彼女は、以前とはどこか違い、より一層魅力を帯びているように見えた。――ただ......千歳は視線を落とし、複雑な思いを胸に抱いた。使用人は、千歳の言った通りだった。詩織の圧のこもった視線を感じると、息をすることすら忘れたように俯き、反論などできるはずもなかった。薫は使用人を一瞥し、次に詩織へと視線を移す。目の奥に、何かを見抜いたような光がよぎる。こうした稚
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