「ジョナサン……クッ!」伯爵は自分に全く懐かなかったジョナサンに苛立ちを覚え、睨みつける。「これで分かったでしょう? ジョナサンは人見知りが激しい子供です。いくら貴方が祖父であろうとも、断じて渡せません! ましてや自分の孫を睨みつけるような相手なら、なおさらだ!」ニコラスは強く言い切った。すると――「アハハハハッ! これは愉快だ!」室内に突然笑い声が響き渡った。するといつの間にか、パトリックの姿がある。「パトリック……何故ここにいる? 俺は客間にいろと言ったはずだぞ!?」ジョナサンを抱きしめたまま、ニコラスが強い口調で尋ねる。「まぁ、そんな固い事言わないでくれよ。こんな面白い余興、俺も参加させてくれてもいいだろう? それに、会いたかった人達もいるしね」パトリックはジョナサンを一瞥すると、次にジェニファーに視線を移して笑みを浮かべる。「……?」笑顔を向けられたジェニファーは不思議に思ったが、相手は高貴な男性なので会釈した。その様子をシドは歯を食いしばり、見つめている。「何が余興だ! ふざけるな! 他人事だと思って勝手なことを言いおって!」一方、「余興」と言われた伯爵は怒り心頭でパトリックを怒鳴りつけた。「フエェエェ……」伯爵の怒鳴り声に怯えて、ジョナサンはニコラスの胸に顔をうずめる。「ほら、伯爵。あなたが大きな声を上げるから、お孫さんが怯えているじゃないですか? そんなことじゃ、永久にお孫さんと暮らせませんよ?」肩をすくめるパトリックにニコラスは言い返した。「何を言う! ジョナサンは俺の大事な子供だ! 伯爵などに渡せるものか!」すると伯爵が冷たい眼差しをニコラスに向ける。「あぁ……そのようだな。どうやら私はジョナサンに完全に嫌われてしまったようだから、諦めるとしよう」「ええ。当然のことでしょう」毅然とした態度を取るニコラス。しかし、次に伯爵はとんでもないことを口にした。「ただし、それには条件がある。ジェニファー! お前がテイラー侯爵家を出ることが条件だ!」伯爵は初めてジェニファーの名前を口にした。「え!?」「何だって!?」「そんな……!」ポリー、ニコラス、シドから驚きの声が洩れるもジェニファーは沈黙している。「ジェニーを見捨てるような薄情者に、大切な孫を託せると思うか? 今後一切ジョナサンと関わらないと
Last Updated : 2026-01-10 Read more