「アルベルト……」何故彼は私の探している本を知っているのだろうか?「今回のアルベルトは謎だらけだわ……」けれど、魔術に関する本の在り場所を教えて貰うのはありがたかった。「3階の35番の棚と言っていたわね」早速螺旋階段を上って、私は3階へ向かった。「35番の棚……あ、あったわ」アルベルトが教えてくれた棚はすぐに見つかった。私の背丈よりもうんと高い書棚には辞書並みに分厚い本がびっしり並べられている。この棚の中だけでも優に100冊は軽く超えている。「ここに並べられている本が全て魔術に関する本なのね……」その膨大な量に思わずため息をついた。私が何故、魔術に関する本を探しているのか……その理由は2つあった。1つは自分が何故再びこの世界に回帰してきたのか。私は確かにあの時、断頭台で命を散らせた。「……」そっと自分の首筋に手を当てる。あの冷たく鋭い刃が私の首筋に触れた瞬間は未だに忘れられるものではない。「そうよ……あれは決して夢なんかではなかったわ……」 その後……日本人として生まれ変わって幸せに暮らしていたのに、突然の事故で私は命を落とし、目覚めたときは再びこの世界だった。恐らく何か大きな力が働き、時間を巻き戻して私は戻されたのではないだろうか?魔術の本を探せば謎が解けるかもしれないと考えたからだ。 もう一つの理由はスヴェンについてだった。何故彼はユダ達の記憶から消えてしまったのか……何故私だけが彼の記憶を持っているのか。それがどうしても知りたかったのだ。「人の記憶を自由に操作出来る魔法でも存在しているのかしら……?」呟きながら、書棚に並べられている本の背表紙を見つめた時……私は自分の背筋が冷たくなるのを感じた。「え……?」書棚に並べられているのは『錬金術』に関する本と、『賢者の石』に関する記述がされている本ばかりだった。アルベルトが教えてくれた書棚は魔術は魔術でも、全て錬金術の本ばかりだったのだ。「ど、どうして……?」回帰前、この城の誰にも自分が錬金術師であることを口にしたことは無かった。城の中でも錬金術を使ったことがないのに……?ひょっとして、アルベルトは私が錬金術師であることを知っている……?その時――「うっ!」突然激しい頭痛が私を襲い、思わず書棚に手をついて頭を押さえた。「え……?」一瞬、蝋燭
Last Updated : 2025-12-07 Read more