深樹の眼差しは、最初の悔しさから次第に絶望へと変わっていった。自分がはめられたのだと、彼自身もはっきり悟ったのだろう。面会時間終了のブザーが鳴った。美穂は立ち上がった。「もう分かったよ」「み、水村さん!」深樹は椅子から弾かれたように立ち上がり、鉄の鎖が机に擦れて耳障りな音を立てた。その目に溜まっていた涙が、糸の切れた真珠のように頬を伝い落ち、服に深い染みを作る。「僕は本当に、水村さんを裏切ってなんかいません。会社だって裏切っていません」彼の目には、訴えとともに、かすかだが揺るがない意地のような色が宿っている。それは、若い少年が心を寄せる相手に向ける、無謀で一途な執着でもあった。「みんな僕を信じてくれません。でも……水村さんは違うって分かっています」泣き声はひどく静かで、それでも一語一語はっきりと届いた。「父の手術費を貸してくれたあの日から、僕はずっと、水村さんに恥じないように頑張ろうって決めてたんです。そんなこと、する訳がないですよ。水村さん……お願いです、最後にもう一度だけ、僕を信じてくれませんか?」美穂は、赤くなった彼の瞳を静かに見つめた。そこには、自分の姿がくっきりと映っている。彼女は何も言わず、ただ背を向け、面会室を出ていった。重い鉄扉がカチリと閉まり、二人の世界を完全に隔てた。背後では、傷ついた子獣のような抑えたすすり泣きが、薄暗い室内に滲み続けた。美穂の足が一瞬止まったが、すぐに歩を速めた。車に戻ると、律希がすぐに身を乗り出した。「水村社長、どうでした?」美穂は、先ほどの会話を一字一句漏らさずに伝えた。律希は眉を寄せた。「話の流れからして、完全に罠ですね。あの秦部長は……陸川深樹さんを徹底的に潰すつもりなんでしょう」美穂の声は淡々としている。「まず京市大学のラボへ行こう」ラボに戻ると、彼女は上着を椅子に掛け、即座に仕事に戻った。チーム会議が終わったのは夜九時、ちょうどその時、無機質な着信音が鳴り響いた。画面を見て、美穂は通話ボタンをスライドして電話を取った。「水村さん……深樹は……どうなってますか?」受話口から聞こえる健一の声は、震えている。美穂は慎重に言葉を選んだ。「冤罪の可能性が高いです。今、調べています」電話の向こうで、数秒の静寂が落ち、そのあとで抑えきれない嗚
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