Lahat ng Kabanata ng 私を傷つけた元夫が、今さら後悔していると言った: Kabanata 41 - Kabanata 50

吸えば数日眠らずにいられるほどの高揚感と、尽きることのない精力が得られるらしい。まさか、次兄が……薬物を？美夜の顔は一瞬で固まった。背後から体を押さえる男が、冷笑を帯びた口調で言った。「泉美夜さん、どうしても泉沢を苦しませたくないなら、あんたが直接世話してやればいいんじゃないか？」そう言って、腰に押し付けていた膝を引いた。そして、美夜を拘束していた手を離した。だが彼女は、その場から一歩も動けなかった。今の彼女には、軽々しく次兄に近づく勇気などなかった。薬物を使用した直後の人間は、しばらくの間まともな判断力を失う。ましてや、次兄はあの薬まで飲んでいる……彼女は石のようにその場に立ち尽くし、身動きひとつできない。一方で、ふたりの男は再び次兄に近づいていく。そのうちの一人が、黒いズボンを脱ぎ、下着姿になったのが視界の端に入った。嫌な予感に、美夜は咄嗟に立ち上がって叫びながらその男を押し止めた。「やめて！兄に触らないで！お願いだから、誰かプロの女性でも呼んできて！お金なら私が払うから！そうしないと、警察を呼ぶから……不法監禁で訴える！」叫び終えると、彼女は急いでショルダーバッグからスマホを取り出そうとする。状況の変化に気づいた男が、慌てて手を伸ばしてスマホを奪おうとした。そのときだった。メゾネットのリビング、吹き抜けの二階から冷たく乾いた声が響いた。「好きにさせてやれ」その一言で、男たちの動きはピタリと止まった。「はい」男は従順に返事し、スマホから手を離し、服を整えて脇へ下がった。美夜もすぐに顔を上げて、二階を見上げた。二階の手すりのそばには蓮の姿があった。会社での仕立ての良いスーツ姿ではなく、黒と金のシャツを着ているだけだったが、それでもその佇まいは圧倒的な威圧感と支配の気配を放っていた。目が合った瞬間、彼女は心の中で敗北を悟った。それでも、頭を上げて声を絞り出した。「蓮、私を呼び出したのって……このため？兄を見せつけて、私に頭を下げさせたいだけ？」だが、彼は答えず、ただ一言冷たく言い放った。「通報したければ、すればいい」「なに？」彼の態度が信じられず、彼女は言葉を失った。蓮は見下ろすように彼女を見つめ、まるで神が人間を裁くかのような口調で続けた。「

浩司に売られるのか、それとも他の誰かにか。もはや、彼女にはどうでもよかった。「すぐにわかるよ」その一言を投げ捨てるように言ってから、蓮は彼女から視線を外し、大理石の階段へと歩き出した。同時に、側に控えていたボディーガードに命じた。「連れて行って」そのまま、美夜は操り人形のようにボディーガードの一人に従って歩き出した。去る間際、彼女はぎこちない動きで振り返り、顔色が赤く変わり、目に血の滲んだ次兄を一瞥した。ほんの一瞬だけ見て、彼女は再びボディーガードの後を追い、別荘を後にした。……現場に到着する前、美夜はプロのスタイリストにより、念入りに着飾られた。どうやら相手は蓮が特別に重視する顧客らしく、そのため彼女のメイクや服装にも一層のこだわりが見られた。高い価格がつけられた純白のシフォン素材のオフショルダードレスに、銀のタッセルピアス。長い髪は背中に垂らされ、コテで美しいウェーブが施されている。メイクは流行の「清楚な色気」を意識したスタイルで、白く整えられた肌に、梅色の口紅が際立ち、彼女の顔色はますます透き通るようだった。離婚してからというもの、彼女がここまで丁寧に身なりを整えたことはなかった。毎日すっぴんで必死に働き、日焼け止めすら塗らない生活だった。そして今日、こうして完璧に仕上げられた姿は、蓮の命令を果たすため――「売られる」その瞬間のためだった。メイク室を出ようとしたとき、扉の前に立つボディーガードに呼び止められ、一錠の薬を差し出された。「これは？」「中枢性の吐き気止めです」「ああ、なるほど」神経性の嘔吐を抑えるための薬――つまり、蓮は彼女が緊張すると吐いてしまうことを覚えていて、今夜の場で失態をしないよう、あらかじめ用意していたということ。「ありがとう」彼女は薬を取り、ボディーガードの見守るなかでそれを飲み込んだ。そこまで気を遣ってくれてね、蓮。……十五分後。二人の屈強な黒服に連れられ、美夜はクラブで最大の個室へと案内された。ナイトクラブ「ミキ」。ここは津海市で最大のナイトクラブであり、全国にも名の知れた豪奢な社交場だ。市内繁華街にある一等地にそびえ、館内にはあらゆる娯楽施設が完備されている。一晩で数千万円が飛ぶような豪勢な遊び方も日常茶飯事で、

他人たちは皆その光景を見て笑い声を上げ、音楽と歌も再び流れ始めた。場の雰囲気は再び、享楽と退廃に満ちた雰囲気に戻っていた。咳き込みながらも苦しげな彼女の様子に、隣の男は面白そうに笑い、反対側を振り向いて言った。「黒川、彼女どこで見つけてきたんだ？女優養成所出身か？巧みに演じてるな」ソファの隣席には黒いシャツに身を包んだ蓮が、脚を優雅に組んで静かに座っていた。周囲にホステスの姿はなく、手にはワイングラスを持ち、美夜の方に顔を傾けて穏やかな笑みを浮かべた。「長野さんは、こういうのがお好みだろう？」「そのとおりだ。今回の取引にかける黒川社長の本気が伝わってくるよ」長野正浦（ながの まさうら）は笑いながらそう言うと、美夜の肩に置いた手に力を込めた。彼女は低く声をもらし、そのまま男の腕に抱き寄せられた。正浦は美夜を引き寄せ、手から空のグラスを取ると、その手を取り、指先を撫でるように弄りながら、再び笑みを浮かべて尋ねた。「黒川社長、ほんとに彼女、俺に譲っちゃっていいのか？」「長野さんの目に留まったのなら、彼女にとって光栄なことだ」蓮は静かにそう言い、視線をわずかに美夜に送った。彼女は目を伏せ、その視線を避けた。「どんなふうにしても？」正浦はにやりと笑い、手を少しずつ腕へと滑らせていく。まるで冷たい何かが肌を這うような感覚に、美夜は背筋がぞっとした。それでも彼女は、動くことができなかった。蓮はその様子をただ微笑を浮かべて見つめ、「ご自由に。楽しんでいただければ、それで構わない」「ははっ、いいねえ」正浦は楽しそうに頷いた。「遊ぶなら、楽しまないとね。機嫌が良ければ、商談もうまくいくだろうし」そうして二人の軽口の中で、美夜の運命は決められていった。その後、正浦は蓮と話すのをやめ、部下にサイコロと黒いカップを持ってこさせ、ゲームを始めた。雰囲気を盛り上げるため、近くのホステスたちも加えられ、「21点」のゲームが始まった。美夜はこの手の場に不慣れで、ルールもわからぬまま参加させられた。何度か負けが続き、倍のビールを飲まされたところで、ようやく少しだけルールを掴んだ。参加者は一人一つサイコロを振り、出目を確認した後、正浦がディーラーとしてサイコロを振って21点を目指す。21点に近い者が勝ち、離れてい

「ごめんなさい、私……」三本目のビールを置いたとき、胃の中がぐるぐると波打ち、美夜は吐き気で声を出すのさえ難しくなっていた。少し間を置いてから、ようやく続けた。「本当に、もう飲めません……」そう言うや否や、美夜は思わず空嘔した。「それじゃ困るなあ。十二本も開けちゃったんだぜ？こっちだって金をドブに捨てる余裕はないんだからさ。飲まなきゃ、全部無駄になるだろ？」正浦は首を傾げ、不敵な笑みを浮かべた。「ならさ、口が無理なら……股間で飲んでもらうってのはどう？」口調こそ問いかけのようだったが、視線はすでに背後に控えていた取り巻きに向けられていた。二人の男が無言のまま近づき、美夜が気づく間もなく、左右から両腕を押さえつけた。肩に鈍い痛みが走り、まるで関節が外れたかのように、腕に力が入らなくなった。正浦はゆっくりと立ち上がり、彼女をまっすぐ見据えながら、悠然と歩み寄った。口を開いて許しを請おうとした瞬間、彼は彼女の服に手をかけた。ビリッ――軽やかな音と共に、柔らかな布地が無残に裂かれ、肩元から胸元まで無防備に晒された。下着だけが残っていたものの、全身が凍りついた。まさか、本気でこんなことをするなんて。客が大勢いる場で、嬢たちも見ている中で、こんな仕打ちを受けるなんて。信じられなかった。「服を全部脱がせて、テーブルに伏せさせろ。俺が直接飲ませてやる」残された布を投げ捨てながら、正浦は手を伸ばしてビール瓶を取ろうとした。取り巻きも再び動き出し、片方が美夜の両腕を背中に押さえつけ、もう片方が正面から服を乱暴に引き剥がそうとした。狂っている……想像していたこととは全く違っていた。売られる覚悟はしていたし、たかが一晩、目をつぶれば済むことだと、自分に言い聞かせていた。だが、これは――彼女と交わるのではなく、虐待することが目的なのかと、そう思った。酒瓶を握る正浦の手を見たとき、背筋が凍りつき、全身の毛が逆立った。恐怖が頂点に達した瞬間、服をはぎ取られ、テーブルに押し倒された彼女の中に、どこからか力が湧き上がった。美夜は渾身の力で取り巻きを突き飛ばし、足を振り上げて正浦の股間めがけて蹴りつけた。尖ったハイヒールのつま先が、彼の足の間に突き刺さる。避けようとしたが間に合わず、

二十三年間、美夜は家族に宝物のように大切にされて育ち、人と争ったことなど一度もなかった。ましてや、誰かに手を上げられることなど、想像すらしたことがなかった。こんな結果を迎えたのは、結局、自分の過ちだった。初めからすべてが間違っていた。愛する相手を間違え、信じる人も間違え……何もかも、間違っていたのだ。「もうここに来たんだろ？恥なんて今さらいるのかよ。一本二十万円でも足りねぇか？ 俺はお前のスカートを脱がせただけで、まだ何もしてねぇのに、よくも俺を殴りやがったな？死にてぇのか！」正浦は冷笑を浮かべながら近づいてきて、プールサイドに倒れている美夜をさらに一蹴した。ドン、と水音が響く。彼女はその一撃で屋内プールに蹴り落とされ、水飛沫が50センチほど高く上がった。プールにいた数人の男女が悲鳴を上げ、慌ててバスタオルを巻き、部屋の隅へと逃げていった。美夜は水深一メートル以上あるプールの底へと沈み、大量の水が鼻腔へと流れ込んだ。まだ血の止まらぬ手など構っていられず、彼女は本能のままに手足を動かし、何とか水面へ顔を出す。「男に触られるのがそんなに嫌か？」顔を水面に出した瞬間、耳元に正浦の冷たい声が響いた。水で目が開けられず、何が起こるかも分からぬうちに、頭上に圧がかかった。彼の足が再び彼女の頭を踏みつけ、水中へと沈めた。息を吸う間もなく、冷たい水がまたも鼻から流れ込んだ。呼吸しようとするが、胸が締めつけられるように苦しく、必死に足を突いて水面へと立ち上がる。だが、かろうじて一息吸った次の瞬間、正浦の足が再び彼女の頭に振り下ろされた。「俺に手を出すとはいい度胸だな」頭を踏みつけられ、水に沈められた。激しく咳き込みながら、身体が震え始めた。水面へと顔を出すたびに、また沈められた。生存本能に駆られて何度も水中から顔を出そうとしたが、そのたびに正浦に踏みつけられた。やがて、力尽き、動くことさえできなくなった。右手の傷口が再び裂け、血が水面に広がった。美夜の身体はプールの中央に半ば沈み、肺の中の空気は尽きかけ、窒息感が全身を支配していた。突然、再び水しぶきが上がった。正浦がプールに飛び込み、彼女の髪を掴んで引き上げた。激しく咳き込む彼女の耳元に顔を寄せ、彼は陰湿に囁いた。「俺に逆