正午が近づき、日差しはすでに高く昇り、朝の穏やかさとは打って変わって、強く照りつけていた。別荘の裏庭、浩司は淡いピンクのロゴ入りTシャツを着て、庭の隅に設けられた日除けの下で、リクライニングチェアに体を預け、気怠げな様子で数枚の写真を手にし、無表情でめくっていた。後半の数枚に目を通すと、浩司の眉間がひそめられ、表情が陰り始めた。写真の背景は薄暗く、男女の姿が写っているが、最も目を引くのは、中央で抱き合っている男女の姿。いや、正確には、男が片手で女性の首を強く掴んでいる場面だった。女性の全身は濡れそぼち、その身体はひどく弱々しい。彼女は目を閉じており、すでに意識を失っているように見える。その女性は、他でもない、美夜だった。写真を見終えた浩司は、さらに眉根を寄せ、その一枚を脇に投げてから、次の写真に目を落とした。そこに写っていた男は蓮だ。蓮は黒に金の装飾が入ったシャツを着て、プールの中央で美夜を抱きかかえていた。片手で彼女の後頭部を支え、もう片方の腕で腰を引き寄せ、身を屈め、唇を重ねていた。まるで、彼女に人工呼吸をしているかのようだった。つまり、美夜は本当に、絞殺されかけたのだ。最後の一枚もテーブルに投げ捨て、浩司は右足を組み、面倒くさそうに目の前の部下を見やった。「写真はこれで全部か?」「はい。ですが、他にも動画を密かに撮った者がおります。ご覧になりますか?」「いい。必要ない」浩司は首を振り、一拍置いてから、最初の数枚に写っていた男を指差した。「こいつ、どこかで見たことがある気がする。確か、名前は……長野正浦?」「その通りです」部下がうやうやしく頷く。「何者だ?津海市でこんな真似ができるってことは……」浩司はそう言いながら、顔をわずかに傾け、部下を斜めから見やった。艶やかな目がすっと細まり、鋭さを帯びる。「津海市で最大の建設会社の経営者です。周辺都市にも複数の不動産プロジェクトを展開しており、起業当初はかなり強引に勢力を広げたようです。中小の建設会社を安値で買収したり、強硬手段で潰したりと……」「それだけじゃねえだろ。あれだけやるからには、金だけじゃなく、後ろ盾もいるはずだ」男の部下はすぐに答えられず、沈黙した。浩司はその様子を見つめながら、目に一切の笑みを浮かべぬまま命じた。
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