真衣は確かにまだ酔っていたが、意識ははっきりと冴えていた。礼央の掌の温度や、彼のためらうような表情、そして自分自身の胸の中でますます激しくなる鼓動をしっかりと感じ取っていた。「あなたの気持ちを知りたいの」真衣は顔を上げて、じっと礼央を見つめた。酔いが普段の自制心を解き放ち、長い間胸に秘めていた思いがついに口をついて出た。礼央は真衣の腕を支える手に力を込めた。礼央は真衣をじっと見つめて言った。「俺はお前の無事を願ってる」短い言葉だったが、その言葉は力強く響いた。真衣はぽかんとし、なぜか目頭が熱くなった。これまで、二人の間には誤解やすれ違い、そして激しく対立したこともあった。だからこそ、礼央が言った「お前の無事を願っている」という言葉は、真衣の心にまっすぐ響いた。この言葉に、今までの胸のわだかまりや不安が慰められるように消えていった。真衣は口を開いて、何か言おうとした。しかし、礼央に遮られた。「家に帰ってゆっくり休め」礼央の声は相変わらず優しかったが、明らかにこの話題を続けるつもりはないようだった。真衣は礼央の気持ちを理解し、それ以上は何も言わなかった。真衣はわかっていた。二人の間に積もったものはあまりにも多く、時間をかけて少しずつ解消していかなければならない。車は静かに真衣の家の前で止まった。礼央が真衣を支えて廊下に入ると、救急箱を手に立ち去ろうとしている亮太と出会った。亮太は二人を見て少し驚いたようだが、すぐに恭しく会釈した。「礼央さん、寺原さん」「授業は終わったのか?」亮太が頷いた。「ありがとう」礼央は礼を言った。亮太が去った後、真衣がドアを開けると。小さな影が胸に飛び込んで来た。「ママ!」千咲だった。「ママ、どうしてそんなにお酒飲んだの?」千咲は真衣を見上げ、心配そうに尋ねた。真衣は身をかがめて千咲を抱きしめようとしたが、酔いとめまいでよろけそうになった。礼央はさっと手を伸ばして真衣を支えた。千咲は礼央を見つめ、大人びた表情で二人の様子をを観察していた。「パパ、今夜は傍にいてくれる?」千咲が突然口を開き、柔らかい声で言った。「せめてママがお風呂に入ってベッドに入るまで。一人だとママ転んじゃうから」礼央は一瞬止まり、真衣を心配する千咲の目を見つめ
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