後日。真衣は安浩から電話を受けた。「真衣、重要な会議について連絡があるんだ」安浩が続けた。「九空テクノロジーが近くエバーテクノロジーと共同で07プロジェクトを推進することになって、政府主催でプロジェクトの分析会議が開かれ、業界の重要人物が集まるんだ」真衣の指先が一瞬止まった。07プロジェクトは彼女と礼央が現在注力している案件だ。政府主催の会議となれば格が違う。「わかりました。具体的な日時と場所は?」「明後日の午前九時、場所はテクノロジーパークにある会議室だ」安浩が補足した。「参加者は多い。山口社長や林さんも出席するし、桃代さんまで招待者リストに入っている。多くの企業が参加するらしいよ」真衣は微かに眉をひそめた。「わかったわ」電話を切った後。真衣は考えた。そしてすぐに礼央に電話をかけた。電話はすぐに繋がった。以前なら、礼央が電話にでることはなかった。携帯から礼央の低い声が聞こえた。「どうした?」「安浩先輩から政府主催の07プロジェクトに関する会議の話を聞いたの」真衣は単刀直入に聞いた。「この会議の目的は何?単なるプロジェクトの分析?」「国はこのプロジェクトを重視している。技術の実用化の可能性や業界への影響を見極めたいのだろう」礼央の声は冷静だった。「準備をしておいた方がいい」「準備?」真衣は一瞬戸惑い、すぐに察した。「山口社長と留美さんが何か仕掛けてくるのね?」「最近二人は頻繁に交流していて、留美は『証拠』を握っている。今回のような公の場を利用しないはずがない」礼央の声からは感情が読み取れなかった。「それに会場は人も多く目立つ場所だ。業界の大物や政府関係者も大勢いる。彼らが混乱を起こそうと思えば、これ以上ない舞台になるだろう」真衣は理解した。公開の場での非難は最もダメージが大きい。留美が偽造した証拠を提示したら、たとえ最終的に真実が明らかになっても、エバーテクノロジーと彼女の名声に影響を与えるだろう。「わかった。対応策を準備しておくわ」「明後日、迎えに行こうか?」「お願い」真衣はためらいなく答えた。電話を切ると、真衣はリビングに戻った。真衣は千咲がカーペットの上で積み木を組み立てている姿を見つめた。今度こそ、前世の悲劇を繰り返してはならない。
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