智央は実験室に入ると、サンプルのロボットを何度もテストした。やはり問題はなく、機能も正常に働いている。しかも以前より協調動作がずっとスムーズになっているようだった。彼は星乃が提出したプランに目を通し、いくつかのパラメータが機能に合わせて微調整されていることに気づく。遥生はこの分野があまり得意ではないから、きっと星乃自身で気づいたのだろう。その点は、正直言って意外だった。とはいえ、新しい機能にはまだ細かな不具合も残っている。だが二十日間でここまで仕上げたのなら十分すぎるほどだ。智央は表情を変えず、いくつか改善できそうな数値を指摘したあと、星乃に向かって言った。「準備しておけ。一週間後の新製品発表会で、お前がステージに立って説明してくれ」そう言うと、彼はそれ以上何も言わず、実験室を出ていった。彼が去ると同時に、同僚たちが歓声を上げる。「今の言い方って、つまり製品が最終決定したってことだよな!」「星乃さん、これで会社に残れるじゃないですか!」「すごい、たった二十日でここまで……星乃さん、前は誤解してました。本当に優秀なんですね」「……」星乃は微笑みながら「みんなで頑張った成果ですよ」と答えた。その言葉に、同僚たちはかえって気まずそうな顔をした。正直、彼らは最初から星乃を評価していなかった。アイデアやプランが決まった後も、いやいや形だけ協力して、簡単な作業をやるだけ。ほとんどの時間、実験室に残って作業していたのは彼女一人だった。陰で「形だけ頑張ってるふりだ」と嘲っていた人もいた。だが結果は、誰も予想していなかった。しかもこんな短期間で。その中でも千佳は一番動揺していた。周りが渋々協力していたのに対し、彼女はほとんど手を貸さず、仕事も放り出していた。どうせ星乃は残れないと踏んでいたからだ。智央も星乃に冷たく、彼女が仕上げられなかった仕事について追及することはなかった。だが今、星乃が残ると分かれば、必ず後で責任を問われる。千佳の胸は恐怖でいっぱいになった。星乃は彼女の青ざめた顔色に気づいたが、特に気に留めなかった。千佳の腹の中など見透かしている。ただ、それで細かい仕返しをするつもりはない。彼女の技術力は確かだから、今後の働きぶりを見て判断すればいい。星乃は智央が指摘した数値を調整し、
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