圭吾は特に何とも思わず、嫌そうにたけのこをゴミ箱へ払い落とした。次の料理を取ろうとしたところで、紀弥が立ち上がるのが見えた。彼はたけのこの乗った皿を手に取り、ゴミ箱の前まで歩いていくと、そのまま皿を傾けて一皿まるごと中へ捨ててしまった。圭吾は呆然とする。「何してるんだ?」紀弥は淡々とした口調で言った。「さっき取るとき、取り箸を使ってなかったから」圭吾は自分の箸を見て、それから中央に置かれている取り箸を見た。「それだけ?でも俺の箸だってまだ使ってない。きれいなままだろ」紀弥は言う。「でも僕、潔癖なんだ。この皿はもう汚れた」圭吾は眉をひそめた。「……紀弥、お前何言ってんだ?だから言っただろ。この箸は使ってないって。それに、今までお前が潔癖だなんて聞いたことないぞ?」「ついさっきなったんだよ」紀弥は言った。「さっき君が言ってたこと、なかなか筋が通ってたから。どんなに美味しい料理でも、他人に触られたときに抵抗しなかったなら、その時点でもう僕のものじゃない」「……」言葉に詰まった圭吾は、ふと何かに思い当たったように、はっとして固まった。その様子を見て、紀弥はそれ以上何も言わなかった。軽く手を振る。「眠い。もう寝る。皿はキッチンのシンクに置いといて。明日、僕が片付ける。君も早く休めよ」そう言って、紀弥は立ち上がり、そのまま二階へ上がっていった。圭吾は、沙耶の気持ちが少し分かった気がした。それでも、自分から謝ることを、まだプライドが許さなかった。紀弥は彼の気持ちを見抜いていて、沙耶へのプレゼント選びを手伝ってやった。何百もの贈り物が圭吾の前に並べられ、その中から彼は一目であのイヤリングを選んだ。圭吾は気にしていないふりをして、適当に指をさす。「これでいい。お前、届けてきてくれ。……ああ、それと。もし彼女が全然反省してないなら、もういい。俺って顔もいいし性格も悪くないし、実際けっこうモテるんだ。別に彼女一人にこだわる必要もないしな」紀弥「……」――本当、誰に向かって張り合っているのやら。だが紀弥はそれを指摘せず、運転手に自分を水野家まで送らせた。その頃、沙耶は圭吾と別れたことで父親から説教を受けていた。隣で沙耶をなだめていた星乃も、帰るに帰れず、その場に居続けるしかなかっ
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