Lahat ng Kabanata ng 禁愛願望~イケメンエリート医師の義兄に拒まれています~: Kabanata 21 - Kabanata 30

90 Kabanata

【7】⑩

 鼻先が触れそうな距離に兄の顔がある。    どうして――そう問う前に、兄の唇が重なった。    おどろきのあまり身じろぎすら叶わない。    目を閉じることもできず、兄の舌が私の口腔内をゆっくりと這い回る。「っ、んぅっ……ふ、ぅっ……」 舌先の感触に、ぞくぞくとした甘い快感が弾ける。    状況を理解するのに少し時間がかかった。    私、お兄ちゃんとキスしてる……?    いったいどうして?  お兄ちゃんは、ずっと、私を拒んでいたはずなのに―― ひとしきり口内を搔き混ぜられたあと、兄が私の唇を解放する。「……ごめん、瑞希」 それから、ひどく苦しげに眉根を寄せて、掠れた声で謝罪の言葉を口にする。「このまま、瑞希が遠ざかっていってしまうと思うと……触れずにはいられなかったんだと思う」 呆然と、まるで別の誰かのことを話すみたいな物言い 兄も自分自身の行動におどろいているみたいだ。「瑞希を傷つけたのに、こんなことをしてる俺は残酷なんだろうな」 兄の親指が、彼の唾液で濡れた私の唇をそっとなぞる。 私を傷つけたと言いながら、兄の方がずっと傷ついたような顔をしている。「っ、そんなことないっ……」 反射的に首を横に振った。「――わかっちゃった。私、やっぱりお兄ちゃん以外の人を好きになったりできない。今だって、こんなにドキドキしてるのに」    びっくりしたけど、キスされた瞬間、かつてない幸福感を覚えた。    触れ合った唇が熱く、甘く蕩けていきそう。  心臓が壊れてしまうかと思うほど激しく脈打っていた――今も、そう。  それで、わかった。私はまだ、兄のことを諦められそうにない。 こんなに好きなのに、兄以外の男性と恋愛を始めるなんて無理だ。「お願い。私をお兄ちゃんのものにして」 気が付くと、大胆な言葉が口を吐いた。 冷静さを欠いた台詞だとわかっていても、止められない。 私は兄の背中に腕を回して、ぎゅっと抱き着いた。    物理的にも、心理的にも、兄との距離がこんなに縮まったのは初めて。 この機会を逃してしまったら、永遠に兄の温もりを知ることはないのかもしれない。    そう考えたら切なくて、悲しくて……兄の手を、唇を、繋ぎとめておきたくなってしまったのだ。「――今だけでいいの。明日からはまた、
last updateHuling Na-update : 2025-08-14
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【8】①

「お兄ちゃんっ……ん、ぅんっ……」 唇を割り侵入してくる、兄の熱くぬめった舌に追い縋る。 十分前には想像すらしていなかった恍惚に翻弄されながら、私は小さく喘いだ。 興奮に満ちているのに、頭の片隅はひどく冷静で、「自分の声なのに初めて聞く声だ」と思う。 こんなに媚びた声を出せるなんて、ちっとも知らなかった。「っはぁっ……はぁっ……」「ごめん、苦しい?」 男性とキスをするのが初めてな私にとって、キスしながら呼吸をするのはとても難しい。 ふと兄の唇が離れたタイミングで激しく胸を上下させてしまうと、至近距離で私の様子を窺う兄が、申し訳なさそうに眉を下げる。「ううん、大丈夫っ……私こそごめん、その、慣れてなくて」 兄の背中に回した腕をそっと解いて謝る。 二十歳も過ぎれば、これくらいの経験はあっていいものなのに。 自分から誘うような真似をしておきながら、興がさめてしまったのではと、情けない気持ちになる。「……いや、そのほうがいい」「え?」 私の心配をよそに、兄は小さく首を横に振った。「瑞希に他の男が触れていたらと思うと、嫉妬でおかしくなりそうだ」 兄が口元を綻ばせる。台詞通り、私が不慣れであってホッとした、とでも言いたげに。「そんな風に思ってくれてたの? ……知らなかった。お兄ちゃんには、嫌われてると思ってたから」「嫌う? そんなわけないだろ」 嫉妬というフレーズにうれしくなって、自然と声のトーンが上がってしまう。それを聞いた兄が、ふっとおかしそうに笑った。「だって、フラれてるのに何度も迫ってくるような妹、嫌いを通り過ぎて、もはや怖いよ。自覚あるもん。かかわりたくなくなるのもわかる」「だから、そんなことないって」
last updateHuling Na-update : 2025-08-14
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【8】②<R18描写含む>

 兄と愛し合える今に意識を集中させなければ、虚無感に支配されてしまいそうだった。 私はさっきそうしたように、兄の背に両手を回し、無我夢中で抱きしめる。「んぁ、んぅっ……」 それに応えるみたいに、キスの雨が降ってきた。 ちゅっ、ちゅっ、とリップ音を立てて、唇を啄まれる。 恋人同士がするみたいな口づけを、羞恥のためきつく目を閉じながら受け止める。「かわいい、瑞希」 余裕のある兄の目には、その反応が新鮮に映ったのかもしれない。 私の知らない、甘いささやきを落としながら、今度は私の耳朶に口づける。  熱く柔らかな上下の唇に食まれたと思ったら、そこから顔を出した舌が遊ぶように輪郭をくすぐり始めた。「それ、やぁ……ぞくぞくしちゃっ……!」 経験したことのない強い快感に思わず身を捩る。 耳をほかの誰かに触れられるのは、ひょっとすると初めてかもしれない。「気持ちいい? ……楽に、して」「あぁ……んんっ……」 そう告げた兄は、耳朶を甘噛みしながら片手で私の胸元をまさぐり始める。  パジャマの生地越しに感じる兄の指先は優しく労わるようで、繊細で、心地いい。 おかげで全身に籠っていた力が、徐々に抜けていくのがわかる。「緊張が少し解れてきた」 兄も察したようで、ひとりごとのようにつぶやくと、私のパジャマのボタンを外して前を開けさせる。  パジャマの下はナイトブラ。胸の形の補正というよりは、たとえ家のなかだとしても、無防備な格好になりすぎないようにという配慮の意味合いが強い。  兄はそれをたくし上げ、ふたつの膨らみを露わにした
last updateHuling Na-update : 2025-08-15
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【8】③<R18描写含む>

 脇腹を撫でて、パジャマの下を脱がせたあと、ショーツに辿り着いたところで――今日に限って揃いの下着でなかったと気付き、さらに羞恥が募った。 ナイトブラは薄いピンクであるのに、下着は黒、しかもボクサータイプだ。  ――お兄ちゃん、がっかりしたかな。  兄のことだから、今まで付き合ってきた女性は美人ばっかりだろう。きっと、セクシーなセットアップを見慣れているに違いない。 こんなことになると知っていたら、手持ちのなかでいちばんかわいい下着を着けたのに……!「ご、ごめん……」「なにが?」 申し訳なくて謝ってみたけれど、兄は軽く首をひねるだけだ。 ……気にしてない、のかな? 本人がなんとも思っていないのなら、敢えて指摘する必要もない。 私は短く「なんでもない」とだけ言うに留めた。「これ、脱がせるよ」「っ……う、うんっ……」 「これ」と示しながら、兄がショーツに手をかける。 色気のないそれを両脚からスマートに抜き取ると、私は一糸まとわぬ姿になった。「は……恥ずかしいから、あんまり、見ないで……」 物心ついてから誰かに裸を見られる機会なんてなかったから、再び激しい緊張と羞恥が襲ってくる。 もっとダイエットしておけばよかったとか、肌のお手入れをしておけばよかったとか、さまざまな思いが巡るけれど、後の祭りだ。「ごめん。今更だけど、明かりを消したほうがよかったよな」「っ、あっ、いいの」 同意しかけたけれど、すぐに思い直してストップをかける。 電気を消せば見えづらくなるだろうから、羞恥は薄れるけど……そうすると、お兄ちゃんの表情や所作も見えづらくなってしまう。 兄と触れ合うのはこれが最初で最後。だから
last updateHuling Na-update : 2025-08-15
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【8】④<R18描写含む>

「っあ」    兄の指が、固く閉ざされた入り口に触れようとしたとき――無意識に私の手もそこに伸び、愛撫を遮ってしまう。「ち、ちがうの、これは、いやとかじゃなくて……は、恥ずかしくて、勝手に」    これじゃまるで、兄を拒絶しているみたいだ。 兄は無理強いをしないだろうから、私の反応で興を削いでしまうのだけは避けたい。「うん、わかってる。……身体の力を抜いて。俺に任せて」 兄は私のそんな思考すら見透かしたような穏やかな物言いでささやくと、私の手をやんわりと体側に置いた。 もう一度内腿を通り、恥丘に指先を滑らせる。「んんっ……ん、ふぅっ……」 少しでも羞恥を紛らわせるためなのかもしれない。 兄は視線で合図したあと、キスをしてきた。 軽く触れ合わせては、離して。 また触れ合わせては離して――そして、何度目か、兄の唇が私のそれを食んだときに、深く重なって舌が滑り込んでくる。 柔らかくて、ちょっとざらざらしていて、頭の奥がぴりぴりと痺れる。 ついさっきまで味わったことのなかった感触なのに、ずっと知っていたかのような心地よさを感じ始めているのが不思議だ。「キス、少し慣れてきた?」「ど……どうだろ……」 唇が重なっている瞬間の緊張が薄れたという意味では、慣れてきたのかもしれない。 でも、兄のような余裕があるわけではなく、曖昧に答える。「んぁっ……!」「ここ、ぬるぬるしてきたよ」「やぁ、言わないでっ……」 秘裂をなぞりながらの指摘に、私は堪らず両手で顔を覆った。 兄の言葉通り、脚の間には熱い蜜が滴っていて、多分、兄の手を汚してしまっている。「からかってるわけじゃなくて、うれしいんだよ。瑞希が気持ちいいと思ってくれてることが」 兄は優しく私を諭しながら、くすりと笑った。「でももう少し濡らさないとつらいと思う――」「ひぁあっ……!」
last updateHuling Na-update : 2025-08-16
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【8】⑤<R18描写含む>

「き……気持ち、いいっ……きもちい……」 息つく間もなく快感が巡り、思考力が低下している。 促されるままに、素直な感想を口にした。 兄は満足そうに「そうか」とつぶやいて、私の耳元に唇を寄せた。「素直でかわいい。ここ弄りながら、ナカを広げないと」「んんっ……!」 親指で秘芽を撫でたまま、別の指を入り口に宛がった。 多分、中指か人差し指。溢れる愛蜜を塗しつけて、少しずつ押し挿れる。 最初はつんつんと突くように浅く、次第に指の根元までを呑み込ませるように。「痛い?」「へい、き……ちょっとだけ、圧迫感あるけどっ……」 なにか食べたわけではないのに、お腹がいっぱいになるような感覚。でも、痛くはなかった。「よかった。慣らしたら、もう一本挿れてみよう」「ふぁ、んんんっ……!」  兄はこれ以上ないくらい慎重に、私の様子を窺いながら指の抽送を始める。 何度か往復し、抵抗感がだいぶ薄れてきたのを感じ取ると、ナカに押し込んだ指を、ぐるぐると円を描くように動かした。 やはり痛みはない。極力負担をかけずに解してくれているおかげだろう。「っ、あ、はぁっ……!」「わかる? 俺の指が二本、ナカに挿入ってるの」「っ……わ、わかるっ……」 膣内に収める指をもう一本増やすと、圧迫感がありありと増した。 こくこくとうなずきながら返事をすると、兄はナカの指先を小刻みに動かしながら息を詰まらせる。「やっぱりキツいな。気が紛れるように、しっかり気持ちよくするから」「んぁ! だ、めぇ! それっ……!」 冗談じゃなく、身体
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【8】⑥<R18描写含む>

 いよいよそのときを迎え、兄もパジャマの上下を脱いだ。 露わになった胸板は想像していたよりもずっと逞しく、腹部は仕事で多忙だとは思えないほど引き締まっている。  腰から下もバランスよく筋肉がついていて、まさに理想的な体型なのでは、と思う。兄は昔から運動部に所属していた。中学はバスケ、高校はテニス。そのせいか、自由な時間ができると身体を動かしたくなるらしい。どんなに仕事が詰まっていても、少し時間が空くとジムに行って汗を流しているみたいだ。 「瑞希……もう一度訊くけど、本当にいいの?」 そっと私を組み敷いた兄が静かに訊ねる。 ここから先はもう引き返せないとばかりに念を押すのは、後悔させまいとする兄の思いやりなのだろう。 だけど、答えは決まっている。寸分も迷わずにうなずいた。「……お兄ちゃんがいいなら、してほしい。お兄ちゃんの手で区切りをつけてもらえれば、私もきっと……前に進もうって思える」 急にキスをしてきた兄の真意がわからなくて戸惑ったけれど、言葉を交わすうちにようやく思考が追い付いてきた。 一般的に、セックスはお互いの愛情を確かめる行為なのだろうけれど、私たちがしようとしているのは違う。 兄もきっと、この夜で終わりにしたいのだ。いびつになってしまったきょうだいの関係を、私の想いを遂げさせることでリセットしたいと考えている。 だから私の突拍子もない願いに応じてくれる気になったのだろう。 そうでなければ、今までずっと私を拒んでいた兄が、急に受け入れてくれた説明がつかない。 ようは、「今日だけでいい」という私の言葉に、根負けしたわけだ。  本音を言えば、想いが通じ合った状態でその瞬間を迎えたかったけれど……さすがにそれは過ぎた望みだろう。 ――今日だけでもいい。お兄ちゃんのものになれるなら。形だけでも、愛してもらえるなら。 私が望んだことなのだから
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【8】⑦<R18描写含む>

 兄の片手が腰の曲線をなぞったあと、恥丘に降りた。 恥毛を梳くように撫で、秘裂に優しく触れた。 先ほど広げてくれたおかげでまだ潤いを保ったままのそこは、指先の動きに合わせてくちゅくちゅと淫靡な音を立てる。「あぅ、んんっ……」 秘芽を刺激し、私の意識をそちらに逃がしながら、一方で秘裂に指を二本呑み込ませる。 圧迫感はかなり減っていた。時間をかけて慣らしてもらったからだろう。 解れているのを確認すると指を抜いて、私の両脚を押し開く。そして、薄いゴム膜越しの兄自身を入り口に宛がった。「少しずつ挿れるから」「うん――っ、ぁ、あぁっ……!」 ぐっと腰を押し付けながら、兄のそれが入り口をこじ開けようとする。「く、ぅっ……」 指よりもずっと大きな質量ゆえ、圧迫感も比にならない。 いかに慣らしてもらっているとはいえ、割けてしまうのではという鋭い痛みを感じずにはいらなかった。「平気か?」 ちっとも平気ではなかったけれど、私はうなずいた。ここまできたのなら、少しでも早く、兄とひとつになりたかったからだ。「お願い……手、握っててほしいっ……」 圧迫感と痛みとで、目の前がチカチカする。 私が片手を伸ばすと、兄はその手を取って指先を絡め、ベッドに縫い付けるみたいにしっかりと握っていてくれる。「もう少しだから……」 狭いところへ侵入を試みているわけだから、兄のほうも抵抗感を覚えているはず。声を詰まらせているのはそのせいだろう。 私を気遣い、無理をさせないようにと小刻みに腰を揺らし、隘路を進んでいく。「……これで、全部だ」 やがて屹立が最奥まで到達すると、兄が息を乱しながらささやいた。 ――今、身体の中心で、お兄ちゃんと
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【8】⑧<R18描写含む>

 兄が腰を引いたり、逆に押し付けたりするたびに、圧迫感や痛みが増して苦しい。 でも、くり返し馴染ませることで、それらが徐々に薄れていく。「瑞希、瑞希っ……」「お兄ちゃんっ、んんんっ……!」 これまで、どれだけたくさん兄に「瑞希」と呼んでもらったことだろう。 でも、身体の奥深くでつながり合いながら呼ばれる自分の名は、まったく違う、特別な響きが籠っているように思われた。 逞しい腕や胸に抱かれる日が、本当にやってくるなんて思わなかった。強い高揚感とともに、欲張ってしまう。「お願いっ……今だけでいいから、好きって言ってっ……」  兄の律動が止まった。彼の表情に明らかな動揺が見て取れる。 困らせているのは承知だ。私はすかさず首を横に振った。「わがままだってわかってるっ……だけど、最後にもうひとつだけ、わがままを聞いてほしいの」 兄の本当の気持ちも、うそをつかせることになるのも、わかっている。 それでも……これから先、それを思い返すことで、大きな慰めになってくれるような気がするのだ。 私の自分本位なお願いに、兄は少しの間躊躇しているようだった。 しかし、やがて――「……好きだよ」  怖いくらいに真剣な眼差しで、兄が声を絞り出す。「――瑞希のことが好きだっ……」 私の望みを口にしたあと、兄が抽送を再開させる。 力強い響きは、それがまるで兄の本心であるかのように錯覚して――泣きそうになってしまう。「っ……」 私はしがみつくように片手を兄の背中に回した。「お兄ちゃん、お兄ちゃんっ……」 律動の間隔が狭くなると、肌のぶつ
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【9】①

 瑞希は俺の大切な妹だ。 俺が十四歳、瑞希が七歳のころ。 両親から「漣の妹として迎えたい子がいる」と聞かされたのが最初だった。 『妹』――その言葉に、当時の俺は強い反発を覚えた。 冗談じゃない。俺の妹はたったひとり、半年前に亡くなった愛莉だけだ。 両親は薄情だとすら思った。愛莉の死でできた穴を、同い年の里子で埋めようとするなんて。 まるで愛莉に代わりが利くと告げられたようで胸が痛んだ。愛莉は愛莉で、誰にも代わりは務まらないのに。 けれど、迎える子どもに罪はない。 俺が冷たくすれば居心地を悪くし、せっかくの里親契約も白紙に戻ってしまうかもしれない。それだけは避けたかった。 なぜなら、愛莉を失ったあと、両親は目に見えて塞ぎ込んでいたからだ。特に母の落胆はひどく、見ているのが辛いほどだった。 そんな母が、里親登録をし「愛莉に似た女の子と出会った」と語ってから、少しずつ笑顔を取り戻した。 愛莉の分身のような存在を育てることで心が癒えるのなら、それも正しいのかもしれない。 ……俺自身、愛莉を守れなかった罪悪感を抱え続けていたのもある。『おにいちゃん……あたま、いたいよぉ……』 くりくりした瞳を潤ませ、弱々しく訴えた愛莉。その顔を思い出すたび、胸が潰れるように痛む。 ――俺のせいだ。俺がもっとちゃんと、愛莉のことを見てやれていたら。 だからこそ、新しい妹を大切にすることが贖罪になるのなら、そうしようと心に決めた。 初めて瑞希に会ったとき、驚いた。  ――本当に似ている。  顔立ちも雰囲気も、愛莉を思い出させる要素があまりに多く、言葉を失った。 思わず素っ気なく接してしまい、母に咎められたほどだ。「妹になるんだから仲良くして」と釘を刺され、慌てて自分を律した。
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