手のひらのなかで漣くんのものが力強く脈打ち、先端からは粘り気のある滴を零し続けていた。 彼のまなざしや表情に色濃い興奮が宿り、快楽に浸っているのは伝わってくる。けれど、決定的な刺激にはまだ届いていない。そう感じられた。 ――もっと、もっと気持ちよくさせたい。満足させたい。そんな思いが、急速に募っていく。「れ、漣くん……」「っ、なに……?」「私……もっと気持ちよくなってほしいの。だから……その……」 声にする直前まで、迷っていた。 私にとっては、さきほど「手でしてあげたい」と言ったことよりも、ずっと勇気がいることだったから。「……口で、してもいい?」 告げた瞬間、漣くんの瞳がおどろきに揺れる。 大胆すぎる提案であるには違いない。はしたないことを申し出てしまったのでは、と不安が押し寄せる。「あっ、やっぱり今のは――」「いいの? ……いやじゃない?」 慌てて言葉を引っ込めようとした私に、漣くんが優しく問い返してくれた。 胸がいっぱいになり、ドキドキしながら小さくうなずく。「私は……してあげたいの」「……なら、お願いしたい。本当にいい?」 再びこくりとうなずくと、漣くんの高ぶりを握り直して、顔を近づける。舌を出し、濡れて光る先端を恐る恐るぺろりと舐めた。「っ……!」 いつもと違う声色で喘ぐ漣くん。その扇情的な響きが耳に届くだけで、胸が熱くなる。 もっと聞きたいと思って、ほんのり塩辛く、少しだけ苦い味を舐めとりながら、ソフトクリームを味わうみたいにぺろぺろと舌を動かした。 視線を上げると、漣くんは呼吸を荒げ、眉を寄せて悦楽
Last Updated : 2025-10-01 Read more