جميع فصول : الفصل -الفصل 130

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心惑わせる告白で 7

「……そんな所だけ、とは? まるで俺がそれ以外では気が短いと言いたげだな、否定はしないが」 つい口から出た言葉で怒らせてしまったかと思ったが、そんな事はなく。朝陽《あさひ》さんはあっさりとそれを認めてしまう。 いつもだったら絶対に嫌味の一つも言うのに、今はとんでもなく機嫌が良いようで。 あらかた予想はしていたが、やっぱりすでに私の方が振り回されてしまっている。「本当はどっちなんですか、もう……」 そう言って溜息をつく私の髪に、何故か朝陽さんが勝手に触れてくる。先程までと一変した甘い雰囲気に、こっちの方がついていけそうにない。 それなのに、朝陽さんは…… 「さあな。そんな事より今は、こっちの方が俺にとって重要だし?」「……こっちって?」 彼から含みのある言い方をされて、つい身構えてしまう。朝陽さんがこんな話し方をする時は、絶対に私に何かをするつもりだったから。 さすがに恋人同士となった今でも、そんな意地悪はしないと信じたいのだけど。「晴れて両想いという事が分かった事だしな、もっと相手の事を知りたいと思うのは当然の事だろう?」「その知りたいって、それはどういう意味ででしょうか……まさか?」 それは私だって同じだし、もっと朝陽さんの事を知れたらなって思いはするけれど。そうして身近に感じれたら、幸せなんだろうって。 だけど、展開がいきなりすぎて……まだ自身の頭と心の整理が出来ていない。 だからこそ、どうにかこの話を誤魔化したかったのだけど。「くくっ、鈴凪《すずな》の期待に応えられるよう俺も努力しなきゃいけないだろうな」 そう言うと朝陽さんは、私の脇と膝裏にスッと手を差し込んでそのまま抱き上げてしまう。そんな事をされるとは思っておらず、つい悲鳴を上げそうになったが何とか耐えたけど。 でも、これってお姫様抱っこですよね!?「――え? ちょ、ちょっと待って朝陽さん!?」「嫌だ、待たない。俺は前回からずっと、鈴凪をおあずけされたままなんだぞ」 それを今のこの状況で言うのは狡くないですか? 朝陽さんは私に断れないようにして、そのまま彼の寝室に向かってズンズンと歩き出してしまう。 さっきお風呂に入ったばかりで良かった、なんて思えるわけもなく。必死で朝陽さんの説得を試みたが、彼は全く聞く気は無いようで。「そ、それはっ……ねえ、私の話も聞い
last updateآخر تحديث : 2025-11-11
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想い重なる喜びに 1

「ひゃあっ!」 ここまで運んでくるのは丁寧だったのに、少し乱暴にベッドに降ろされ変な声が出てしまった。そんな私に朝陽《あさひ》さんがすぐに覆いかぶさって来て、ゴクリと唾を飲み込む。 こうして彼のベッドで触れ合うのは始めてじゃないのに、今とんでもなく胸がドキドキしてる。やはりさっきの朝陽さんからの告白が、予想外過ぎたこと所為かも? それでも最初から諦めて、隠しておかなければならなかった想いを伝えることが出来たのは本当に嬉しくて。夢なんじゃないかと、少しだけ思ったりもした。 だけどそれを確認する間もなく、真上にいる朝陽さんが私の頬に触れて……「……嫌か?」「そんなわけないじゃないですか。そりゃあ確かに、ちょっとは緊張はしてますけど」 少しだけ不安そうな表情で問いかけられて、私はゆっくりと首を横に振った。正直なところ思いもよらない展開に戸惑ってはいるけれど、それは朝陽さんの所為じゃないし。 好きなのは私だって同じだから、こうして求められるのは嬉しくて仕方ない。それに触れ合えれば、もっと朝陽さんに近付ける気がするもの。「……俺も緊張してる、これでもかなり気が急いてるんだ」「そうは見えないところが朝陽さんですよね、私なんか今にも心臓が破裂しそうなのに」 いつも余裕そうな朝陽さんがそう言うって事は、本当に彼は私を求めてくれてるって事なんだろう。その言葉で、朝陽さんに対しての愛おしい気持ちが一気に溢れてくる。 ――好き。本当に、この人が大好き。 今まではほとんど一方通行だった、そんな恋愛ばかりの私を……受け止めてくれる。同じくらいかそれ以上の愛情をくれて、私を満たしてくれるの。「……鈴凪《すずな》」 そう私の名前を呼びながら、朝陽さんが部屋の照明を暗くしたけれど常夜灯は付けたままで。恥ずかしいから消して欲しいと頼んだけど、ちゃんと鈴凪を見たいんだって聞き入れてはもらえなかった。 今、朝陽さんが愛し合おうとしているのは私。もう元カノである鵜野宮《うのみや》さんの存在に嫉妬したり、彼女の行動に怯えたりしなくていいんだって。「私を見てください、私だけを……お願い、朝陽さん」「今はお前しか見る気は無いし、嫌だって言っても離してやるつもりはないな」 意外な独占欲を見せだした朝陽さんに驚いたが、背中に回された腕と温かな彼の胸に素直に甘えることにした。こ
last updateآخر تحديث : 2025-11-12
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想い重なる喜びに 2

「んっ……くすぐったいです、朝陽《あさひ》さん」 啄む様なキスを唇だけでなく頬や首筋まで何度も落とされて、そのくすぐったさでたまらず身を捩ったのだけど。 そうは言っても、もちろん本気で嫌なんじゃない。ただあまりに優しくて私が勝手に恥ずかしがっているだけで、朝陽さんが悪いわけでもなく。 それでも……こんな時だけ特別に甘くて優しいのは、ちょっと反則なのではないかとは思う。「嫌か?」「嫌なわけじゃないですけど……」 その聞き方は本当に狡いんですってば。 朝陽さんは私が照れてるだけだって分かってるから、そんな言い方をするんでしょう? そう考えると、この人の本質的な部分は変わってないのかもしれない……ドSという意味では、だけど。「じゃあ、止めない」 即答ですね、そんな予感はしてましたけど。しかも先ほどよりも焦らすような口付けをされて、身体の内側からジワジワと酔わされてる気分になる。 彼からの蕩ける様なキスで溶けていく理性、そして熱を帯び始めた私の全てが……もっとこの人が欲しいと訴えてくる。「い、じわるっ……!」「そんな俺が好きなんだろう、鈴凪《すずな》は?」 そういうところだけが好きだなんて言ってませんよね! 絶対分かってるくせにそうやって自分の都合良い様にしちゃうのが、確かにこの人らしいけど。 でもそんな彼の言葉に、私が『違います』と返す事は出来なかった。「ひゃあ……っ!」 此方が文句を言おうとしたのを察したのか、朝陽さんが薄いシャツの上から胸の先端を探し当てそのまま喰んだから。急に与えられた性的な刺激に、私の身体がビクンと跳ねて中心にジクジクとした熱が広がる。 でも、これだけじゃあ……もの足りない。朝陽さんから与えられる微熱は私を本能に忠実にしてしまったようで、もっともっとと彼に強請りたくなる。 私の身体をこんな風に欲張りにしたのも、紛れもなくこの人で。私が知らなかった抱き合うことの気持ちよさを、朝陽さんがわたしに教えてしまったから。「敏感だな、少し前まで感じることが分からないと言ってたくせに」「……あ、朝陽さんの所為じゃないですかっ!」 一度目の夜は慰め合うように抱き合ったが、次の時には朝陽さんは私に快感を教え込むようにこの身体に触れた。その為か、少しの刺激で反応してしまう様になってしまって。 それなのに朝陽さんは、それさえ
last updateآخر تحديث : 2025-11-15
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想い重なる喜びに 3

 本気かそれとも冗談なのかすら分からないようなそのセリフに一瞬戸惑ったが、もしも朝陽《あさひ》さんがそれを実行に移したらとんでもないような事になりそうな気がする。 そう思って、つい誤魔化そうとしたのだけれど……「それって……ただの冗談、ですよね?」「これが冗談かどうかは、今夜一晩かけてじっくりその頭と身体に教えてやるよ」 本気でそう返されて、何も言えなくなってしまいそうだ。今の朝陽さんの瞳には確かな情欲と、私に対する独占欲を映している。そのことに、私自身が喜びを感じてしまうのも事実で。 だけど……急にシャツを捲ってブラを引き上げそのまま私の胸に顔を埋めた朝陽さんの姿を見て、一気に身体の熱が上がってしまった。「ちょ、嘘でしょ? 朝陽さん、それやだあ……」「鈴凪《すずな》が本気で嫌がる事はしない、俺はお前を気持ち良くさせたいだけだから」 私の胸の谷間に顔を埋めたまま、両手は外側から膨らみを掬うようにして触れてくるから。とんでもなくいやらしい事をされている気分になる。それが気持ち良いと思ってしまう自分に戸惑うが、このまま快感に身を委ねたいような気もしてくるから不思議だ。 性的な経験なら朝陽さんと私では比べ物にならないだろう、それくらい慣れた手つきにちょっとだけ拗ねたくもなるけれど……今は私だけを見てくれてるから。「ふっ……う、んん……あっ」 勝手に口から漏れてしまう甘い声を噛み殺そうとするけれど、そんな私にもっと喘げとばかりに朝陽さんは感じる部分を執拗に攻めてくる。この人に触れられるたびに理性は溶けて形をなくし、本能に従って素の雨宮《あまみや》 鈴凪を全て晒してしまいそうで。 朝陽さんは本当に、そんな私で全部受け入れてくれるだろうか? 「可愛い、もっとそのヤラシイ声を聴かせろ。俺も……ヤバいぐらい興奮してる」「やぁ……っ、そういうことばっかり……朝陽さんの、意地悪……ぁんっ!」 理性が壊れかけているのはどうやら私だけではなかったようで、朝陽さんも今の状況に興奮を隠せないらしかった。まるで獲物を見つけた獣のような鋭い視線を向けられているのに、それでも身体中がゾクゾクするのが止められない。 心と身体……私の全てが、この神楽《かぐら》 朝陽という男性を本気で求めてるんだって。「あまり、優しく出来ないかもしれない」「そんなの……朝陽さんにな
last updateآخر تحديث : 2025-11-16
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想い重なる喜びに 4

 確かに朝陽《あさひ》さんは、ドS御曹司で意地悪だと思うことも少なくないけれど……そういう面も全部含めて彼なのだし、こんなに好きになったのだからどうしようもない。 この人だって私の欠点もちゃんと分かっていて、こうして求めてくれてるのだもの。素のままの自分を受け入れ必要としてくれる、そんな朝陽さんを私だって同じように愛したい。「どうしてこの状況で余計に煽るんだ? もう……知らないからな」「ちゃんと責任とって大事にしてくれるなら、それでも良いです。私だってこんな時くらい、思いっきり愛されたいですから」 今、私が一番欲しいのは朝陽さんからの純粋な愛情で。その表現の仕方が少しくらい自分本位なものでも構わない、私はそう思っていたのに……何故かそれを聞いた朝陽さんは、私の肩口に顔を埋めて小さく唸った。 私が何か、彼を怒らせるような事を言ったのだろうか? そう心配しかけたがどうやら杞憂だったようで、よく見ると朝陽さんの耳が赤く染まっていた。 ……これって、もしかして朝陽さんが照れているってことなの?「あんまり可愛いことばかり言うな、どれだけ我慢してやってると思ってるんだ」「か、かわいい……っ!?」 言われ慣れてない言葉を、まさか朝陽さんの口から聞く事になるなんて。一気に頭まで沸騰してしまうかと思った、嬉しいのと恥ずかしいのでちょっとパニックになりかける。朝陽さんがここまで恋人に甘い人だったなんて、聞いてません! だけど、そんなこの人が凄く愛おしく感じるから……私もどうかしてるのかもしれない。 そんな私の肩口から顔を上げた朝陽さんに、少しだけ乱暴に口付けられて彼の舌に捕まってしまった。舌を絡ませあう濃厚なキスに、思考は蕩けて体から力が抜けていく。 キスが上手なのは知っていたけれど、想いが重なったからなのか以前より強い快感を得てしまうみたいで。「はあ、は……っ、ちょっと……待って、朝陽さん」 繰り返される深い口付けに上手く息が出来なくなって、一旦ストップして欲しいと頼んだのだが……朝陽さんの返事は予想と違って。「悪いけど、もう無理」「!?」 私を見つめる朝陽さんの瞳には確かな熱があって、その上に獲物を仕留める獣のように強い意志を感じた。この人に私の全部を食べてもらいたい、そう思い無意識に彼を受け入れるよう両手を大きく広げてみせる。「鈴凪《すずな》
last updateآخر تحديث : 2025-11-17
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想い重なる喜びに 5

「ひゃん……っ」 急に朝陽《あさひ》さんから胸の頂を口に含まれて、予想してなかったせいか変な声が出てしまう。先程まで丁寧に揉まれていた為に敏感になっていた胸への刺激は、私に背筋がゾクゾクするほどの快感を与えた。 そんな私の反応に気を良くしたのか、彼は口に含んだその敏感な先端をざらりとした舌で念入りに転がしてくるから堪らない。下半身まで疼かせるような快感に、必死で耐えても甘い声は勝手に漏れ出てきてしまから両手で抑えようとしたのに。「もっと聞かせろよ、お前の可愛い声」 そう言った朝陽さんは片手で私の両手首を掴んで、そのまま頭の上で拘束してしまう。そして今度は空いた方の片手と口で、私の両方の胸を攻め始めてしまった。口を塞げないことと動きを封じられた事によってか、余計にその刺激を大きく感じてしまって。「あっ……あん! やあ、だめっ……あぁんっ!」「……は、マジでクるな。鈴凪《すずな》のヤラシイ声」 こうして喘がせている張本人なのに、わざとらしくそんなことを言うんだから! それでも嫌だなんて全然思えないし、朝陽さんがこんなにも私で興奮してくれるのが嬉しくさえ感じる。 最初の夜だって彼は優しかった、でも……今は確かな愛情がここにあるから、同じ肌を重ねると言う行為でも全く違っていて。慰め合ったあの日から少しずつ変わっていった私たちの関係だけど、こうしてこの人と愛し合える夜が来るなんて想像出来なかったのに。「だって……気持ち良い、朝陽さんの……気持ちイっ……」「馬鹿、余計に煽んな。俺だって早く全部、欲しいんだから」 だったら、早くちょうだい? こんなにも焦らして、私を蕩けさせて……それでも朝陽さんはまだ全部をくれないじゃない。そう思って下から彼に強請るような視線を向けると、朝陽さんが小さく喉を鳴らした。 彼の手が胸から下に降りて、私のショーツの上から優しく筋に沿って指を滑らせる。それだけでこの身体がビクンと跳ねて、その刺激を待ち侘びていたことを朝陽さんに伝えてしまう。「はは……結構、期待してくれてたみたいだな?」「――っ! あ、や……ちが、んうっ!」 嬉しそうにそう言われて、恥ずかしくて否定しかけたのに。すぐに敏感な箇所を指で何度も往復されたから、私の口から出てくる喘ぎは止められなくて。 朝陽さんの優しくて執拗な愛撫が気持ちが良すぎて、頭の中がそれ
last updateآخر تحديث : 2025-12-05
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想い重なる喜びに 6

 先程まで布地の上から触れていた指がショーツの中へと入り込み、直に肌をなぞった事でより強い刺激が与えられてしまう。堪らず身をよじろうとしたが両手首を拘束されていたため、私は身動きが取れなくて。 この快感から逃れられない、それがなおさら私の身体の熱を上げてしまい……「ああんっ……! ダメぇ、やあっ! はあ、ああぁあ……っ!!」 目の前がチカチカして頭が真っ白になる、この感覚は何度目だろうか? あっという間に私は、朝陽《あさひ》さんの手によって与えられた快感に飲み込まれてしまったのだった。 凄く気持ちが良くてふわふわした気分だけど、身体の奥はまだ足りないと言うように何かを求めているように感じる。朝陽さんはそんな私の物欲しそうな表情に気付いたのか、ニヤリと片方の口角を上げて。 そんな彼の表情にも色気を感じて、どうしようもないくらいにゾクゾクしてくるから……「朝陽さん、早く……」「そう言われなくても、俺も限界だ」 彼はそれだけ言うと素早く服を脱いで、ベッド横の小さなチェストから小袋を取り出してその身につけた。両太ももに手を添えられそのまま大きく開かれて恥ずかしくもあったが、今は朝陽さんと一つに繋がれる喜びの方が勝っている。 私がこの人を欲しいと思うように、朝陽さんにも私を強く求めて欲しかった。いつもの理性なんか働かなるくらい、私をめちゃくちゃにして欲しいって。 ……でも、そんなことを考えていられたのはこの時までで。「ぅあ! あああ……っ! ひぁっ、あんっ……ああ!」 潤んだ場所を一気に貫かれ、そのまま遠慮なしで力強く揺さぶられる。普段の朝陽さんでは考えられないようなその強引さに驚いたが、彼も急いていたのだと思うと嬉しくて。 でもそれを言葉にできるような余裕はない、だって朝陽さんが想いをぶつけるかの様に私の奥まで激しく穿ってくるから。私は言葉を発することもままならず、激しく執拗な彼の動きに喘ぐことしか出来ない。 自分がこんな風に乱れることがあるなんて、朝陽さんに抱かれるまで本当に知らなかった。それくらいこの人と肌を重ねるのは気持ちが良くて……心地良い。きっとこの幸せは朝陽さん以外の人では、感じることは出来ないと思う。 そして朝陽さんも、同じように思ってくれていたら良いのに。「あ、はあっ! あさひさ、ん……あっ、ダメ……イっちゃ!」「ああ、俺
last updateآخر تحديث : 2025-12-07
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想い重なる喜びに 7

「ん、お水……凄く喉、乾いた」 強い喉の渇きで目が覚めたが、どうやら今は深夜のようで。寝ぼけて身を起こそうとして、腰に男性の腕が巻き付いている事に気づいた。そうだった、私は昨日の夜に朝陽《あさひ》さんと結ばれて…… いつの間に眠ったのかも記憶にないほど、昨晩は彼に何度も何度も愛されたのだった。正直なところ朝陽さんがあんなにタフだとは思わなかったし、甘い言葉もたくさん囁かれてそれを思い出すだけで顔が熱くなる。 普段はドSなくせに、こんなに恋人には優しいなんて……本当に反則なんじゃないのかしら? もちろん嬉しくないわけじゃないけれど、そういう扱いに慣れてないせいか戸惑ってしまう。 だけどやっぱり、そんなところも全部好きだから私もどうしようもないんだと思う。朝陽さんの寝顔を眺めながら、ぼんやりしていると……「……もう、目が覚めたのか? 人の寝顔を眺めているなんて、随分と良い趣味だな」「誰かの寝顔、ではなく……好きな人の寝顔、だからです」 そう返すと、何故か朝陽さんは両腕で顔を隠して黙ってしまった。何かおかしな事を言ってしまっただろうか、そう思った次の瞬間にはまた彼の腕の中に閉じ込められていて。「そう可愛いこと言うな、また欲しくなるだろう? 昨晩は無理をさせた自覚があるんだから、これ以上煽るんじゃない」「そ、そんなつもりでは……っ!」 まさかそんな事を言われるとは思ってなくて、私の方が顔を隠したい衝動に駆られてしまった。確かに昨日は何度も求められたから今も身体は重たいし、応えられるかといえばちょっと無理なのだけど。だけど……そう思ってくれるのは、本当に嬉しい。「とりあえず喉が渇いているだろう、チェストの上に水の入ったグラスを用意してるから」「……ありがとうございます」 何も飲まずに眠ってしまったせいで、そろそろ喉が痛くなりそうだったから助かる。すぐにチェストに手を伸ばして、そのグラスの中の水を飲み干した。カラカラだった喉が潤って一息ついていると、今度は朝陽さんが起き上がり真剣な表情で私を見つめてきて。「明日になったら、きちんとお前に話したいことがある。今までのことだけじゃなく、俺たちの今後についても……鈴凪《すずな》にも真剣に向き合って欲しいから」「……分かりました」 朝陽さんが私との未来を考えてくれている、そして二人で向き合うつもりなんだ
last updateآخر تحديث : 2025-12-07
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互いが望む未来に 1

「……もう起きたのか? 今朝は無理せずに、ゆっくり寝ていて良かったのに」 朝陽《あさひ》さんの部屋のベッドで目を覚ましたが、彼の姿が見えなかったためキッチンまで来たのだけど。少し驚いた様子の朝陽さんにそう言われて、ちょっとだけ不安だった心が落ち着いた気がした。「ふふ、ありがとうございます。でもなんだか目が覚めちゃって、確かめたいこともありましたし」「確かめたいことって?」 そんなこの人との他愛無い会話も、今日はなんだかいつもと違う気がして。でもちょっとだけ、そう……あと少しだけ欲張りになっても良いかななんて思う。私をそんなふうに素直にさせてくれたのも、朝陽さんなのだけど。 だから、照れ臭かったけれど言葉にしてみたの。「その……まだ昨日のことが夢じゃなかったって、今日もちゃんと実感したくて」 あの時間が幻だったとしたら、私も立ち直れないかもしれない。それくらい喜びと幸せに満ち溢れた夜を共有出来たんだって、これを間違いなく現実なんだと感じさせて欲しい。 そう思っていたのだけど、なぜか朝陽さんはすぐに片手で顔を隠してしまって。「……勘弁してくれ」「え? あの私が何か、朝陽さんが困るような事を言っちゃいましたか?」 もしかしたら朝陽さんは、私から甘えるような発言をされるのは苦手だったとか? 昨夜は気持ちを確かめ合い、一つになれたのだしこれくらいは甘えてみたかったのだけど。でも実は、そんなことは全然なくて。「違う、朝からそんな俺の理性を試すような事を言わないでくれって意味だ」「そ、そんなつもりでは……!!」 彼に照れた様にそう言われて、こっちまで恥ずかしさで顔が熱くなってしまった。昨日の夜にあれだけ求め合ったのに、まだそんなこと言えるなんて! 色んな意味で、朝陽さんはとんでもない人だと思う。「分かった分かった、とりあえずこの料理をテーブルに持って行ってくれないか」「これ……全部、朝陽さんが? こんな料理上手なんて、一度も聞いてないですけど」 このままでは本当に変な雰囲気になりそうだったので、朝陽さんが話を変えてくれて助かった。それにしてもこんな美味しそうな朝食を、この人が一人で作ったの? そんな私の質問に、朝陽さんは片方だけ口角を上げて……「手料理は特別な相手にしか作らないからな、つまりそういう事だ」「……うう」 実感したいと言い出
last updateآخر تحديث : 2025-12-08
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互いが望む未来に 2

「きちんとした説明は夜にするつもりだが、昨日言った俺たちの今後について簡単に話をしておきたいんだ」「……はい、もちろんです」 朝食を先に済ませた朝陽《あさひ》さんが、真剣な表情で私に向き合ってそう言った。 こうして気持ちを曝け出し付き合えたからと言って、それだけで私たちの未来が約束されるほど簡単なことではない。特に神楽《かぐら》グループの御曹司である朝陽さんとの将来に関わることだから、それこそ一筋縄ではいかないだろう。 だからといって、この人の手を離せるかと聞かれたら答えは『ノー』だ。そう思うからこそ、これから向き合わなければいけない問題に自分なりの覚悟は決めてきたつもりで。 そんな私の気持ちを、朝陽さんはちゃんと分かってくれていたみたいだったけど。「そうやってあまり気合を入れすぎるなよ? 途中でもう疲れたと言っても、俺から逃してやる気はないんだから」 冗談みたいにそう言うけれど、彼は私がどれだけ猪突猛進な性格かを知っているから……本当に心配してくれてるのが伝わってくる。だけど私だって、言いたいことはちゃんと言葉にさせてもらいますよ?「そんなこと言うつもりはないんですけど? 朝陽さんこそ、面倒だからもう止めるとか言い出さないでくださいね」「はっ、それこそ有り得ないな。俺はこう見えてもしつこさには自信があるんでね」 ほら、朝陽さんとならこんな些細な事でもこうやって笑い合える。この人といる心地良さを知ってしまったから、一緒に居るために頑張ろうって思えるんだろうし。 お互いの気持ちに変わりがないことを確かめて、朝陽さんは先程の話の続きを始めた。「鈴凪《すずな》も同じ想いでいてくれていると思うが、俺はお前との付き合いを将来も含めて真剣に考えている。出来る事なら結婚式も予定通りに行いたいと考えているが、まずは二人の両親に挨拶をするべきだと」「挨拶って……まさか、私の両親にもですか?」 朝陽さんの父親である神楽グループの代表とは一度だけ会ったことがあるが、とてもじゃないが良い印象は持たれていないはず。覚悟はしていたが、やはり朝陽さんの両親にも認めてもらいたい気持ちはあって。 けれどもまさか自分の両親に結婚の挨拶を、なんて言われるとは思ってなかった。流《ながれ》との婚約破棄の後は当たり障りない会話しかしてなかったので、いきなりこんな話をしたら母は驚
last updateآخر تحديث : 2025-12-09
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