「そ、そんなわけないじゃないですか! ただ、あまりに急で驚いてしまって……」 嫌なわけがない、むしろこんなに真剣に考えてくれて喜ばしいことなのだから。ただ予想してなかったことが起こりすぎて、それを家族に上手く説明出来るかが心配だっただけで。 朝陽《あさひ》さんは今の私の気持ちもちゃんと考えて、それでもこうした方がいいと思って話してくれてるのだろうし。「分かってる、でも結婚式を予定通りに行うためには必要なことだろう? 俺はきちんと鈴凪《すずな》が両親に祝福される、そんな幸せな花嫁にしてやりたいんだ」「……本当に私を世界一の愛され花嫁にしてくれるつもりなんですね、朝陽さんは」 最初は朝陽さんが鵜野宮《うのみや》さんの気を惹くために演じるはずだった、世界一の愛され花嫁。それを彼は現実にしようと努力してくれている、これが嬉しくない女性はいないはず。 嬉しくてちょっと瞳が痛いくらいなのに、彼はいつものように自信に満ちた表情で……「有言実行ってな、それが出来るのは俺だけなんだから。俺の両親のこともあるから、そう簡単ではないだろうけど」「そうですね、私も頑張らなきゃ! 前回はちょっと話をしただけで、足が震えちゃいましたし」 正直なところ、朝陽さんのお父さんは威圧的でかなり怖い。でもこの人との将来を考えるのなら、この事から逃げちゃダメなんだって分かってるもの。「まあ、それについても夜に話し合うつもりだが……後は、梨乃佳《りのか》とお前の元婚約者についてだな。あの男が鈴凪に付き纏っている事は白澤《しらさわ》からも聞いてるし、梨乃佳との繋がりも今も切れていない様だから」「そう、なんですね……流《ながれ》はまだ鵜野宮さんと連絡をとってるんですね」 以前会った時に元カレは鵜野宮さんについて随分な事を言ってたが、それでもどうやらしっかり連絡はしているようだ。あの二人がこのまま大人しくしているとも思えないし。 彼らに対する不安な気持ちは、やはり大きいのだけど。「職場への行き帰りは今まで通り白澤に頼んでいるが、それ以外の時でもなるべく一人での行動には気をつけろ。休みの時は俺が傍につく様にするから」「……はい、ありがとうございます」 朝陽さんは心配するなと言うように、優しく微笑んで私の頬を片手で撫でてくれる。 少しだけ私の所為で朝陽さんに負担をかけてないかと心配
آخر تحديث : 2025-12-09 اقرأ المزيد