冬が終わり、春が訪れた。統合教育実験校の一年生も、もうすぐ終わりを迎えようとしていた。「もう、いちねんせいも、おわりだね」アリアが桜の木の下で呟く。「早かったね」ユウキが隣に座る。「色々あったね」「うん」二人は、この一年を振り返っていた。初めて学校に来た日。友達ができた日。学園祭で虹を作った日。クリスマス会で劇をした日。たくさんの思い出が、走馬灯のように浮かんでくる。「たのしかった」アリアが微笑む。「うん。僕も」ユウキも笑顔だ。「来年も、一緒だね」「うん。ずっと、いっしょ」そこに、リナ、ミア、ケイも加わった。「何話してるの?」「この一年のこと」「ああ、色々あったよね」ミアが懐かしそうに言う。「最初は、アリアちゃんが有名人だから緊張したけど」「でも、すぐに友達になれた」リナが続ける。「今じゃ、一番の親友」「僕もです」ケイも頷く。「アリアちゃんたちと出会えて、人生が変わった」「おおげさだよ」ユウキが笑う。「でも、本当だよ」ケイが真剣に言う。「僕、前はすごく内気だったんだ」「今は、全然そんなふうに見えないけど」「それは、みんなのおかげ」五人は、改めてお互いを見つめ合った。この一年で、みんな大きく成長した。「来年も、よろしくね」アリアが手を差し出す。「もちろん」四人が手を重ねる。「ずっと、友達」春休みに入る前日、エリカ校長が特別な発表をした。「みなさん、素晴らしい一年でした」校長が全校生徒の前で語る。「この学校は、実験校として始まりました」「魔女と人間が、本当に共存できるのか」「多くの人が疑問を持っていました」エリカ校長が微笑む。「しかし、あなたたちが証明してくれました」「違いを認め合い、助け合い、共に成長できることを」会場から拍手が起こる。「特に、一年生の皆さん」エリカ校長がアリアたちを見る。「あなたたちの『虹の約束』は、この学校の象徴となりました」「違う力を持つ者たちが、手を取り合えば、美しい虹ができる」「そのメッセージは、社会全体に広がっています」さらに大きな拍手。アリアたち五人は、少し照れくさそうに顔を見合わせた。「来年度、この学校は正式な学校として認可されます」エリカ校長が嬉しそうに発表する。「実験は成功です。これからは、さらに多くの
Last Updated : 2025-10-24 Read more