一方、それを喜ばない人間たちもいた。「こういうの、私、イヤなんだな」 一年特進コースで定期テスト二位の神宮寺真宮子が不機嫌に言った。 飛鳥の三百m後方。黒のデリカD5の後部座席を龍とふたりで占領している。前の席には、運転手のほかに取り巻きの宇野や松下たち五人が座っていた。「最近、やたらと自信ある態度とってさ。何でクラスカーストの最下層がそんな態度とれるワケ。おかしいじゃない」 隣に座る龍を冷たく見つめる。「龍は何も出来ないダメな人間なんだ」 龍があわてて真宮子に顔を向ける。「少し時間くれよ」 「定期テスト近いんだけど、どうするのかな。先回はあの女が一位で朝井が二位。私が三位だったけど。これっとすごく屈辱的なんだけど……。遠山が今も一位にいるのも頭くるけど、よりによって朝井なんかに抜かれたんだよ。龍が何も出来ないのなら、私、もうつきあわない。あんた、死んだら?」 「待ってくれよ。ふたりとも必ず破滅させてやるからさ。特に朝井のヤロー!」 悠馬に危機が迫っている。「実は親父の仕事の関係で、オレたちの力になってくれる人に出会ったんだ」「どういう人?」「外国の軍事兵器会社の御曹司だっていうんだ。名前は……」 「名前は?」「エブリー・スタインって人だ……」 悠馬と飛鳥の運命は如何に?
Terakhir Diperbarui : 2025-09-25 Baca selengkapnya