うさ子こと、ムーン・ラット・キッス女王はまだ知らない。銀河系の惑星からなる銀河連邦の本部で行われている会議の模様を……   この会議室にも秘密漏洩を防止するための「ブラインドリバーシステム」が使われており、うさ子も音声をキャッチすることは不可能だった。「バレリー広報官の意見は分かった。だが地球総攻撃は銀河連邦で正式に決定した議案だ。覆そうとするなら、それなりの手続きが必要だ。ムーン・ラット・キッス女王を銀河連邦本部に呼び寄せたまえ」  「待ってください。彼女は何か大事な用事があるといって、また地球に向かったんです」  「だったらもう一度、地球から離れて貰うんだな」「待ってください。私の提出した意見書だけでは足りないんですか? ムーン・ラット・キッス女王からの聞き取りも詳しく添付しているのですが……」  「いや、これだけでは到底足りない。すぐ彼女を呼び寄せるんだ。我々も話を聞く必要がある」 今のままでは、銀河連邦が決定した地球総攻撃を止めることは難しそうだ。だがムーン・ラット・キッスが再び地球を離れた場合、悠馬を助けてくれる人がいなくなる。   もちろん飛鳥は悠馬を助ける気持ち満々だが、どう考えても、考えなくても、彼女には荷が重そう。   果たして悠馬の運命は?
Terakhir Diperbarui : 2025-10-18 Baca selengkapnya