まるで自分を見てくれと言わんばかりに、ねっとりとした視線で訴えてくる。 だけど私はそれを完全に無視した。「立ち止まっている場合ではありません、急ぎましょう。殿下。」彼の視線を振り払い、足早にその場を離れようとした。 それにしても、鞘に収めた剣は重い。 決して軽いわけでもないけれど、女性でも何とか持てる細身の剣。 柄には繊細なヴィスコンティ王家の紋章が刻まれている。 かつて小広間でこの剣で心臓を突き刺され——— ……って、そうだった! ルイスが言ってた。もしまたこの剣で刺されたら、今度こそ死ぬって! 今になって、背筋が凍る。「———俺が、悪かった……」背後から、聞きなれない言葉が……「え?」「だからロジータ。俺が悪かった、と言っているんだ。」振り返ると、エルミニオが暗く俯いていた。 あのエルミニオが、私に謝っている? ……嘘でしょう? プライドが山のように高いこの男が、まさか私に?「殿下。それは、一体何に対しての謝罪でしょうか?」思い当たる節がありすぎて、一体何に対しての謝罪なのか分からない。 だが、その答えはすぐに判明した。「確かに俺は、お前に酷いことをした。 リーアを優遇し、お前を蔑ろにした…… あの時は、あれが全て正しいと思っていたんだ。」顔を上げた彼は、本当に心から深く反省したような表情を浮かべていた。 しかし私からしてみたら、それを今さら謝られても、といった感じである。 許せないというか、許さないというか。いいえ。 やはり、すでにどうでもいいこと。「もう、過ぎたことです。 それにあなたが罪悪感で私を殺さないというなら、それだけで十分です。ですからもう———「それではだめだ!俺の気が済まない。 それに、近頃リーアの様子がどうも変で……」リーアの?エルミニオもついにリーアの違和感に気づいたのかしら? もしかして、操られた時の記憶があったりするの?「……今はとにかく行きましょう。 早くその神官やルクレツィアという女神、それにあなたが操られていたという真相を暴いて」「待て!ロジータ!頼むから……!」言い終える前に、またエルミニオに強く腕を掴まれる。 ーーまた!?もう何回目だろう!! つい驚いて、剣を床に落としてしまったわ。「ロジータ。もう俺たちは、やり直すことはできないのか?」もうこ
Last Updated : 2025-12-19 Read more