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All Chapters of おいしい契約恋愛: Chapter 91 - Chapter 100

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91.社長の初めての嫉妬!?⑦

「じゃあ、料理もう出来上がってるんで、準備しますね」「あぁ」そして出来上がった料理をテーブルに並べていく。「このアクアパッツァ。本村さんが社長今日一日仕事頑張ってたから美味しいモノ食べさせてあげたいって準備してくれたモノなんですよ」「え? あいつが?」「はい。でも本村さん。今日自分が来たことで社長が機嫌悪くなるかも、とまでも言ってて。なんかホントにそんな感じになっちゃったからビックリしました……」「え……オレ、そんな感じ?」「え?」「機嫌悪くなってんの?」「はい?? え!? 自分で気付いてないんですか!?」「あぁ……そっか。だから柾弥帰る時、あんな言い方……」「ん?」「いや、なんでもない……」「社長そういうの自分でわからないんですね(笑)」意外な言葉が返ってきて、つい笑ってしまう。「んなの。わかんねぇだろ……」やっぱり社長とはどんなことがあっても、ちゃんと普通にこうやって話していたいな。話したら自分では思ってなかった社長の気持ちを知れたりする。だから、ずっと気まずいままとかは嫌だな……。「準備出来ました。社長食べましょ」「あぁ」そしてテーブルに全部準備し、二人でテーブルにつく。「いただきます」「いただきます……」とりあえずせっかく一緒に食べられてるこの時間は、気まずい雰囲気だったことは忘れて、ちゃんと時間も料理も味わいたい。「うわっ! このアクアパッツア美味しい!」「うん。これは柾弥の得意料理の一つだからな」「やっぱりそうなんですね! あたし全然作り方とかわかんなくて、本村さんから社長がお好きだと聞いたんで、あたしもいつでも作れるようにレシピ今日教えてもらったんです。なので、これから食べたくなったらリクエストしてくださいね! 本村さんの代わりにあたしが頑張って作りますんで」「オレのために? だから柾弥にレシピ教えてもらったってこと?」「はい。せっかくなら社長が好きな料理、あたしも作りたいんで。でもまだあたし全然社長のこと知らないんで、一番よく知ってる本村さんに聞けば間違いないなと」「そっか。そういうことか……。でも……。それなら。柾弥じゃなく、これからはオレに直接聞いてくれたらいいから」「あっ……。そっか。そうですね。社長に直接聞くのが一番確かですよね」「そりゃそうだろ」「でも作り方とかはやっぱり本
last updateLast Updated : 2025-10-14
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92.社長の初めての嫉妬!?⑧

「だから。別に柾弥のことは意識しなくていい。お前が自分で作れる料理だったり作りたい料理で、オレは十分だから」「はい……」社長はあたしが背伸びしなくてもいいように、等身大のあたしのままでいいと伝えてくれるかのように、自然にそういう場所に引き戻してくれる。「だけど……。やっぱりもっと本村さんに社長の好きな料理のレシピ教えてもらいたいです」「だから、お前はまたそんな……!」「だって! 社長が好きだと思える料理、いくつあってもいいじゃないですか。社長から好きな料理聞いたら間違いなく本村さんはそのレシピを知っていて、すでに幸せにしてるってことですよね? そしたら、元々安心出来て好きだと思える美味しさは、これからもあたしがそれを引き継いでいきたいし、それを作ったら間違いなく社長が喜んでくれるってことだから……。それなら、あたしはそんな料理もレシピももっともっと知っていきたいです」あたしが出来ることはなんでもやりたい。出来る限り社長の力になりたいし、社長に喜んでもらいたい。あたし自身は、別になんの秀でた魅力がある訳じゃないし、何か特別好きになってもらえる要素が何かある訳じゃない。そしたら、社長が喜ぶ方法がすでにそこにあるなら、あたしは全部手にしたい。少しでもあたしの料理で喜んでもらいたいし、あたしの料理も、そしてあたし自身も……、好きになってほしいから……。「……お前がそこまで考えてくれてるとは思わなかった。ん。わかった。なら、これからお前が家で作ってもらう料理でも、どんなのが好きとかちゃんと伝えていく。外食でも、どんなのが好きかそれも教える。だから、お前もちゃんと覚えとけ。全部」「はい! 全部覚えて全部何回も作れるようにします!」「フッ。じゃあもうそれに関してはお前に任せるよ」「はい!」よかった。いつもの感じに戻ってきた。やっぱりこういう社長との時間が好きだな。
last updateLast Updated : 2025-10-15
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93.社長の初めての嫉妬!?⑨

「あの。社長。一つ決まりごと作りませんか?」「ん? 決まりごと?」「はい。家で食事出来る時は、ちょっと気まずくなったりしても、絶対一緒にご飯食べるってことにしませんか……?」「え?」「なんか……一緒にいるのに、やっぱり気まずいままとかは嫌というか……。それで、せっかく一緒に食事できる機会がなくなるとか、社長がそれで食べることをまた優先しなかったりするのとか出来るだけなくしたいです。だから、まぁちょっと気まずい雰囲気でも、家にいるなら、ちゃんと一緒に食べるってことにしたい……です」「……わかった。じゃあ、そうしよう」「よかった!」「オレもお前と気まずいままこの家にいるとか嫌だし、せっかくウマいメシ食ってる時はそういうのなしでちゃんと味わいたいしな。それと、お互い家にいんのに一人で食うとか、そういうことはオレ的にはなくしたい」「はい。あたしもそうしたいです」「でも。今日はそれお前の方からだからな?」「え? 何がですか?」「今朝からお前の方がずっとなんか気まずい感じの雰囲気出して、オレのこと避けてたっぽくしてたし」「あっ……」そうだった。元はといえば、それし始めたのあたしだ……!いや、なんてこと! あたし、人のこと言えないじゃん!っていうか、それあたしがまさかの原因作ってるかもなのか!?いやいや、でもその原因作ったの、もっと遡れば、社長が酔っぱらって無意識にあんなことしたからであって……!でも、そうだよね。それってあたしが意識しすぎたから、必然的にそうなっちゃったってことだし。そしたら、確かに社長にはとんだとばっちりだよね。社長的にはなんの意味もないんだし。「なんでお前、朝あんな急にオレ避けてた」「いや、それは……」あっ、また元の雰囲気に戻っちゃう。「……とりあえず、それは後にするか。せっかくお前と本村が作ってくれたウマい料理が冷めちまうし、まずはこっちちゃんと味わわねぇとな」「あっ、はい」ふぅ……。とりあえず今は取り調べは免れた。でも、多分このあとこの感じだと追及されそうな気がするな……。っていうか、それ正直に話したら、どうなっちゃうんだろう……。
last updateLast Updated : 2025-10-15
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94.社長の初めての嫉妬!?⑩

「お待たせしました……」「ん」結局、話し合いは免れることはなく。そのあと食事も洗い物も、すべて終わるのを待っててくれた社長の元に行き、声をかける。そして、広めのソファーの社長から少し離れた場所に座る。「おい。遠すぎ」「え?」「今から話すのに、んな離れてたらちゃんと話せねぇだろうが」「あっ、そっか」「別に隣に来いとまでは言わねぇから、もう少しこっちに寄って」「あっ、はい。すいません」思わずいつも以上に離れた場所に無意識に座ってしまい、速攻で社長に指摘される。そして、遠すぎない場所まで近づき、ほど良い距離を保てる場所に改めて座り直す。「オレはさぁ」「あっ、はい」「お前がここにいる以上、出来るだけ嫌な思いとかさせたくないんだよ。だから、そうならないようにお前のやりたいようにさせてやりたいし、無理強いとかもさせたくない。せめてお前がここにいる時だけは、居心地いい場所にしてやりたいと思ってる」「はい……」「だから。正直、今みたいなのは嫌で。もしお前がオレに言えないことを抱えていて、ホントはオレが嫌で出て行きたいのに、契約があることで、ここにいなきゃいけないって無理してそれを我慢しているんなら……。ちゃんと、解消してやる」え……?嬉しい言葉をもらえたと思ったら、すぐに真逆の言葉を突きつけられる。そんな風に社長に誤解されてしまっていることを、あたしはようやく気付く。だけど、それは、完全にあたしがやらかしたことで、朝から今までの過程を考えたら、社長からしたら、確かにそんな風に捉えてしまっても仕方ないのかもしれない。違う! まったくの誤解だ!嫌などころか、社長を意識しすぎて好きだと気付いて、ただあたしがテンパって動揺しまくってるだけのことなのに。だけど、あたしがちゃんと言わなければ、社長は確かに自分が嫌だと誤解してもおかしくない。ホントは真逆なのに。こんな誤解されたままなんて絶対嫌だ!「だからもし、オレに言えないことで柾弥がそれを知ってるんなら、オレは結局なんもしてやれないってことだから、それならあいつに相談してくれれば、オレはお前が望む通りちゃんと契約解消してやる」「違うんです!」「へ?」「契約解消したいだなんて、今まで一度も思ったことないです! だから全部誤解なんです!」「誤解って?」「あたしが避けるような形になっ
last updateLast Updated : 2025-10-15
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95.社長の初めての嫉妬!?⑪

「それ……。社長に言ったら、多分社長後悔しますよ?」「……は? 何それ全然意味わかんねぇ。なんでオレが後悔すんの?」「それは……聞いたところで、社長がしくったって後悔するだけだからです」「えっ、マジ意味不明」「多分それ聞いても同じ反応しますよ?」「は?」「絶対社長からしたら意味不明ですもん。正直社長がそれを知ったところで、なんの得もないです。ただ後悔が残るだけです。だけど、社長がそれを一生知らなくても困らない話です」「いやいや、マジ余計わかんなくなってきた。てか、そこまで言われたらどういいうことなのか逆に気になるわ」「あっ、まさかの逆効果……」「ってか、お前もそうやってオレの気持ち勝手に解釈するとこあるよな。だけど実際オレが思ってることと大抵違ったりする」「えっ、いや、そんなことは……」「お前案外早とちりで、急いでいろいろ自分勝手に思い込んで判断するとこあるよな」「そんなことは……。えっ、もしかしてある……かも?」「ならちゃんと聞かせろ。その話。意味不明なのかちゃんと意味あることなのかは、それを聞いてからオレが自分で判断する」「いや、でも……」「なんでそんな渋ってんの? たとえお前から文句言われても別に怒んねぇから」「だから、そういうのじゃないですってば」「じゃあ言えんだろ」「……なら。あたしが今から言うことでガッカリしないでくださいね? 社長が知りたいって言ったんですからね?」「なんだそれ」「あと、それで、もっと社長と気まずくなってしまうかもしれないですけど、それでもいいですか?」「いや、そうならないように今から聞きたいんだけど」「う~ん。それは難しいかもです」「は?」「だってそれ聞いたら絶対社長自分で後悔して反省して、それで絶対あたしとも気まずく感じて、きっと避けていきます」「いや、だからもう遠回しな説明はいいから。早く言えって」「知りませんよ……?」「あぁ」「あたしホントに言いましたからね?」「わかったって」「じゃあ、もうちゃんと言います……」「そうしてくれ」「この前……。社長、パーティー行かれたあと、すごく酔ってたみたいで、本村さんが家まで連れて帰ってきてくださったんです」「あぁ~あの日な。あのパーティーは仕事上どうしても酒付き合わなくちゃいけなくて。途中から確かに記憶かなり曖昧だったな」
last updateLast Updated : 2025-10-15
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96.社長の初めての嫉妬!?⑫

「は……? え……? うわ……マジか……」だけど、社長はそんな期待出来そうな嬉しい反応なんかじゃ当然なくて。あぁー、ですよね。そうなりますよね。あたしが相手になんて、そんな反応になっちゃいますよね。ほら……やっぱり後悔してんじゃん……。好きな人にキスされて後悔されるとか……つらっ……。あ~、やっば。また泣きそうになってきた。「あ~! でもホラ、あれですよ! 社長随分と酔っぱらっててかなりダウンされてましたし、あの日はホントいつもの社長と違うというか、正常な判断出来なくて事故みたいなもんで……。うん! そう! あれは事故でした! なので社長は全然気にしないでください!」社長の気持ちが知りたくて言ったくせに。社長がこれ以上どんな反応をするのかが怖くて、結局あたしは事故という形にして誤魔化してしまう。だって、こんなの逃げたくもなるよ。そんな社長の反応見たら、あたしはこれ以上それ以上期待出来る度胸も勇気も自信もない。いや、わかってたじゃん。社長にとったら結局そういうことなんだよ。最初っから社長にとって、あたしはただの社員なだけで、ちょっと優しく感じたことも、きっと社長にとったらそれに意味なんかなくて。きっと皆にしてることなんだ。あたしと少しでもそういう雰囲気になるのは、きっと一番避けたいこと……。だけど、そこであたしがあからさまにショック受けるのはまたちょっと違うし。社長にそれで変な責任も感じてほしくないし。この際もう明るく誤魔化すしかないじゃん。「ホント、事故だったのに、あたしがちょっとビックリして意識しちゃってただけなんで! すいません! 変な空気にしちゃって!」「いや……こっちこそ悪い……。そっか……オレ酔っぱらった時、お前にキス……したんだ……」「いや、だからそんな色気あるもんじゃないんで! あたしももう忘れましたから!」「忘れてねぇからお前ずっと動揺してたんじゃねぇの?」「あ……」「え~っと、忘れます! すぐに! なので社長も記憶ないんで今の言葉は忘れてください!」「……お前にそんなことしちまって、んなの忘れられるかよ」あっ、どうしよう。逆効果……。「ホントに……。忘れてください……。社長が今まで酔っぱらった時に関わった女性と同じように……あたしのことも割り切ってもらえたら有難いです」社長が意識しなけれ
last updateLast Updated : 2025-10-15
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97.社長の初めての嫉妬!?⑬

「ちょっと……これからのこと考える時間もらってい?」「え……?」これからって……何……?忘れてっていったのに、なんでこれからのことになるの……?「ちゃんと、お前のことどうするか答え出すから」あ……どうしよう……。これ……契約も同居も解消されちゃうやつだ……。あぁ……やっぱり言うんじゃなかった。社員と同居してるだけでも問題なのに、そんな相手に酔った勢いとはいえキスしちゃったなんて事実は、社長の中できっと聞き流せないこと。なんの影響もない相手なら、きっとあたしが演技してた時のように、影響なかったのかもしれないけど。結局それに向き合わせてしまったのは、相手があたしだから。あたしが社長に興味がないから始まった契約なのに、少しでもあたしがそういう気持ちになんてなっちゃいけないから。好きだという可能性を社長には知られたくなかったから。だから、忘れてほしいと、割り切ってほしいと伝えたのに……。だけど。いくらあたしが気にしないで忘れてと言ったところで、責任感強い社長が、そんな言葉通りのことするはずなかった。どんなことでも真剣に真面目に向き合う人だから、自分のしたことは自分で責任取りたい人だから。そういう人だとわかってたはずなのに……。言ったらもう終わりだって知ってたはずなのに……。だけど、つい社長といる毎日が楽しくて、どんどん社長を好きになっていって、どんどん欲張りになっていく自分が存在し始めてしまってたから。つい、今の社長なら、少しは期待してもいいのかもしれないなんて、身分不相応なありえないこと思っちゃったから。だから、ついホントのことを伝えてしまった。ちょっとでもあたしのことを意識してほしいだなん思ってしまったことで、あたしはこの先社長と一緒に叶えられたかもしれないたくさんの希望や幸せを、自分で壊してしまったのかもしれない……。矛盾だ……。あたしが社長を好きなことは、知られちゃダメなのに、知られたくなかったのに。だけど、その気持ちに気付いてほしいと、意識してほしいと思ってしまった。あぁ、せっかく二人だけの約束たくさんしたのに……。一緒にお店探してくれるって言ってくれたのにな。プロデュースしてるお店連れてってくれるって言ってたのにな。ずっと一緒にいられると思ってたのにな……。あたしさえ意識しなければ、こうなることはなかっ
last updateLast Updated : 2025-10-15
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98.伝えたい気持ち・知りたい気持ち①

翌朝。気まずいままも、同じ時間に起きて出勤する支度をし、朝食を作ろうとキッチンへ向かうと。「はよ」「えっ……あっ、おはようございます」いつもはまだ起きてない社長が、もうすべての支度を整えリビングにいた。「オレ今日からしばらく出張になったから」「えっ、そうなんですか?」「朝早くから打合せ入ってるから、朝飯用意しなくていいわ」「あっ……わかりました。何日くらいですか?」「あ~。ちょっとアメリカに行くから、二週間くらいは」「え! アメリカ!? そんな遠くまで!しかもそんな長く!?」「まぁちょっと現地調査っていうか。こっちで取り入れたいこととか見ておきたい場所いくつか回ったりするから、どの国行く時もいつもこんな感じ」「うわっ、すごい。そんな感じなんですね」「だからちょっと帰ってくる日もハッキリ決まってなくて。大体二週間くらいで帰ってくる予定はしてるけど、まぁ今こっちで急ぎの仕事もないから、向こうのスケジュール次第でちょっと長引くかも」「わかりました」「だから、まぁオレのことは気にしないでいいから、好きなように勝手にやって」「あっ、はい……」その社長の言葉がやけに重く響く。“オレのことは気にしないで”“勝手にやって”と、なんだか自分を突き放されてるようで。特に深い意味のない言葉でも、そこに意味が存在してるのかと、無駄に勘ぐってしまう。「あっ、じゃあ、オレもう行くから」「あっ、はい。いってらっしゃい。長旅お気をつけて」社長はそう言って大きな荷物を引っ張りながら、早々に家を出て行った。慌ただしく出て行ったあとは、またガランと静かになってしまう部屋。社長、元々そんな予定だったのかな?それともあたしといるのが気まずくて、無理やり予定入れた……とか?いやいや、さすがにそんな長期の海外出張、急には入れられないか。どうも考えがマイナスの方に行ってしまう。だけど、こんな当日の朝にそんな大切なこと言われるとか……。なんかちょっと寂しい。ちょっと前にでも言ってくれたらな……。少し気持ちの持ちようも違ったのに……。なんか急にまた距離を感じてしまう。だけど、社長ももしかしたら、昨日言おうとしてくれてたのかもだし。なのに昨日あんな感じの雰囲気になっちゃったから、ちゃんと言えなかったのかも。いや、でもまぁ別にあたしが勝手にここに
last updateLast Updated : 2025-10-16
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99.伝えたい気持ち・知りたい気持ち②

社長がいつその最終決断した答えを、あたしに伝えてくるかはわからない。それが今日かもしれないし、明日かもしれないし、一か月後かもしれない。だから、あたしは、いつ言われてもいいように、ちゃんと自分の気持ちを伝えられるようにしておかなきゃ。社長がどんな答えを出してきても、とにかくあたしはあたしの想いを全力でぶつける!契約解消、断固拒否!!  現状維持!!絶対社長からの契約解消は認めない!!うん、これでいこう。あたしは契約解消する気持ちは一ミリもない。だからあたしさえその契約解除を受け入れなければ、それは成り立たないということ。それでどうにか関係を引き延ばして、逆に、あたしはそこから社長にとって無視出来ない存在になってやる!よく恋愛漫画とかでもあるじゃん。最初の第一印象は最悪だったし、全然興味もなかったけど、猛アピール攻撃を続けていれば、どんどんその相手のこと気付いたら好きになっていたとか、そんな感じのやつ。どうにか、そんな感じにならないかな。とにかく近くで存在さえ感じていれば、社長の目にずっと入ってる訳だし、きっとどういう形でも社長の中で印象づいていくと思うんだよね。だけど。ただの社員に戻ったら、何百人のただの一人になって、もう会う機会も話す機会もまったくなくなって、一緒に過ごした時間でさえもただの過去になってしまう。だから。せっかく手にしたチャンス絶対あたしは逃したくない!うん。あたしにとって社長は、今になっては、琉偉と同じように、必要な人になってしまったから。どれだけ遠い世界の人だとしても、推しが、好きな人が近くにいるなら、こんなにも自分にとって光をもらえてパワーくれる大切な存在なのだと伝えたいから。琉偉はそういうことを直接伝えられる存在じゃないし、大多数の中の一人として、応援してることでそれが伝われば十分満足だけど。社長はそうじゃないから。大多数の社員の中の一人ではあるけど、誰よりきっと今近くにいれる存在で、そしてその気持ちを伝えれば、ちゃんと聞いてもらえて受け止めてもらえる距離にいる人だから。社長には、大多数の中の一人としての言葉ではなく、あたしという存在一人の言葉や気持ちとして、ちゃんと伝えたいし、ちゃんと知っておいてほしい。あたししか出来ない何かがあるなら、それは他の誰にも譲りたくはないし、絶対あたしがそのポジシ
last updateLast Updated : 2025-10-16
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100.伝えたい気持ち・知りたい気持ち③

だから……。社長にこれから何を言われたとしても、まずはあたしの気持ちを伝える!……あたしの気持ち……?あっ、そっか。ホントはそこも伝えなきゃダメなのかな。そうする方が、あたしが社長の近くにいたいという理由が、ちゃんと成り立つのかな。こういう場合、あたしが好きだからそうしたいと言う方が成り立つのか、それとも言わない方が受け入れてもらえるのか……。いや、でもこうなってしまった以上、あたしが好きだという気持ちが存在しなければ、ここにいたい理由の説得力がないよな。お金も別にいらないからここにいたいって、意味わかんないもん。好きだからなんでもしたいし、そばにいたい。ただそれだけだもんな。社長はあたしが好きじゃないと思ってるから、これからのこと考えるって言ったかもだし。そうなった以上、逆にここであたしが好きだと伝えたら、それはそれでどうなるんだろう。それをもし知ったら、社長はあたしのこと考えてくれるかも?しれないよね。それなら。どうせこのまま意味わからないまま壊れるなら、当たって砕けてみるのもありか。どうせ契約解除されたら、繋がりなんてただの社員になる訳だし。別にそれで玉砕してもそのまま直接会う機会もないだろうから、特に影響はないような気がする。あたしがその気持ちを伝えて、社長がフッたところで、仕事的にも社長ならそういうのは影響させないだろうし。それならそれもありだな……。" 推しは推せる時に推せ! "推しがいつまでもいると思ってちゃダメなんだよ。自分も推しも好きな人も、何があるかわからない。それなら毎日後悔することなく、ちゃんとやりたいことを全力でやって、ちゃんと気持ちは伝えておかなきゃ!琉偉がいることで、一方的に想うことは慣れっこ。自分がその好きな相手の何かしらの力になれればそれでいい。うん。そう考えたらなんか俄然やる気出てきた!まさかこんな時にオタク精神が役に立つとは。とにかく社長が何言ってきても、あたしは怯まず絶対自分の気持ち伝える!よし、これでいこう!にしても二週間って長いな。社長とあんなことがあってすぐに、正直顔合わるのは少し気まずいとは思ってたけど。でも、まさか二週間も顔が見れなくなるとは……。いや、そんな長くなくてもいいんだけど……。でも、その間にいい意味でも悪い意味でも、社長あたしとのこれか
last updateLast Updated : 2025-10-16
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