「あの。社長ちょっといいですか?」ある決心をしてあたしはリビングにいる社長に声をかける。「ん? 何?」「ちょっとあたしの部屋に来てもらってもいいですか?」「ん? なんか手伝う?」社長はそう言ってあたしの後について、あたしの部屋へと足を進める。「社長。部屋見ても驚かないでくださいね」「えっ……何? 何があんの?」「あたしの秘密です」「え? 秘密!?」 「社長に伝えておきたいことというか。知っておいてほしいことというか……」「えっ。その秘密、そんな驚くほどってこと?」「う~ん。人によって理解出来ないかもしれないし、受け入れられないかもなんで」「何それ」「だけど。ずっと隠しておけることでもないし、これから一緒に住んでいくとなると、社長にも把握してもらっておいた方がいいと思って」「え、何だよ。何隠してんの。怖いんだけど」「まぁ社長にはある意味理解出来なくて怖いかもですね……」「は? え、全然意味わかんねぇんだけど」「えっと、何見ても大丈夫なように心構えはしておいてください……」「え、ごめん。ちょっと遠慮していい?」「え~ダメです~! ちゃんと見てください~!」「いや、だってなんかこえーもん!」「大丈夫です! 取って食われたりはしませんから」「いや、だから何!?」「あたしの。大切なモノなんで。怖くはないです」「大切なモノ?」「はい。夢叶えることと別に、あともう一つ。自分にとって、あたしがいろいろ頑張れる理由でもあり大切にしているモノです」「……わかった。なら、それ見せて?」「はい」多分こんなこといきなり言い出して、社長的にはまったく意味がわからないとは思うけど。だけど、あたしの思いを汲んで、社長はそう言って、あたしの部屋の前まで一緒に来てくれた。
Last Updated : 2025-09-22 Read more