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All Chapters of おいしい契約恋愛: Chapter 81 - Chapter 90

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81.意外な協力者④

「ハハ。図星か」「なんで……そこまでわかるんですか?」「あぁ~。あいつキス魔なの」「キス魔ぁぁぁ!!??」「かなり酔っぱらうとさぁ。面倒くさく絡んでキス魔になるんだよ」「あぁ……。そういうことですかぁぁぁ……」あぁぁぁ、謎が解けたぁぁぁぁ。そっかぁぁ、キス魔だったのかぁぁぁ。あー、でもなんであたしガッカリしてるんだ?無駄に期待もしなくて悩まなくてよかったじゃん。だけど、今まで感じたことないこの胸の痛みはなんだ?「フッ。ガッカリした?」「いや! ……はい……」「あっ、認めた(笑)」「いや、もうここは認めないと話この先進まないなと思いまして……」「偉いね。賢明な判断だ。その方が早く話は進む」「なんとなくそんな気はしたんだけどね」「えっ! そうなんですか!? それであのまま放置して帰ったんですか!?」「うん。君たちがあのあとどうなるかなーって、おもしろそうだったから」「いや、全然おもしろくなんかないですよー!! あたしあのあとその被害にあって、もうどうしたらいいかずっとパニックで悩みまくって大変だったんですからー!!」「それって被害なの?」「え?」「嫌だったってこと?」「いや、それは……」「どうなの?」「嫌じゃなかったです……!」思わず恥ずかしくて認めながら顔を両手で覆い隠す。「ハハ。なら話は早いや」「どういうことですか?」「じゃあ君は慧を好きだってことでいいんだよね?」「いや、好き……というか……なんというか……」「え、そこは濁すの? そこもさっさと認めてくれないと話進まないんだけど」「もう! 好きですっっ!! その瞬間、男性として好きなんだと自覚しました!」「え、その瞬間?」「はい……。それまではなんとなくそうかもしれないなと思いつつ、自分で気づかないフリをしてたというか、まさか違うだろうと思ってたんで……」「自分で認めてなかったんだ?」「まぁ……。あたしごときが好きになっていい相手ではないので……」「なるほどね。でもまぁそんなことされたら嫌でも好きだと、男だと、自覚しちゃったってことだよね」「いや、そんな露骨に……」「違うの?」「いや……はい……その通りです……」「うん、時間もないし面倒だからちゃんと認めていこうね(笑)」「わかりました……」「で。君はそれをされたことでどうしたら
last updateLast Updated : 2025-10-13
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82.意外な協力者⑤

「その時、あいつ、なんか言ってた?」「え……!?」「それ大事なとこなんだよね。あいつがいつものキス魔の無意識でやったことなのか、ちゃんと自分が意識してやったことなのか」「へ!? 意識なんてある訳ないじゃないですか!」「それ判断するのオレだから」「あっ、そっか」「で。なんか言ってたの? 言ってなかったの?」「えっと……。ちょっと待ってください。今、ちゃんと思い出します。なんせあまりにも衝撃だったので、その時言われた言葉とか、その瞬間スッポリ抜け落ちてたんで」「まぁ、そういう状況ならそうなっても仕方ないだろうけどね」本村さんに言われて、昨日言われた言葉を必死に思い出す。「えっとですね……。あぁ~多分、あれ本村さんとあたしが話してたのを見て言ってたんだと思うんですけど……。そもそも、どのタイミングで見てたかは全然わかんないんですけど……」「うん。で、それ、なんて?」「えっと~。なんか、何楽しそうにしてんだとか、コソコソ話してるのもなんか言ってたかな。あと、嬉しそうにしてんなとか……、そんな感じのこと言ってたような……。もしかして、社長自分話入れなかったのが寂しかったとかですかね!?」「ブハッ! えっ? マジで言ってる!? それ」「えっ!? 違いますか!?」「いや~君なかなかだね~(笑)」「あっ、そういえば、確か、オレがいるだろって、なんか当たり前のこと言ってました」「えっ? それホント?」「はい。やっぱり目が覚めた時に本村さんとあたしが仲良く話してるように見えて寂しく感じちゃったんですかね」「……フフッ。そうだね。そうかもしれないね(笑) あいつ、あぁ見えて寂しがり屋なんだよ」「そうなんですね~!」「いや、君ホント単純っていうか素直っていうか」「え? なんですか?」「いや(笑)  そっか。君がそんな感じだと、ようやくそんな感じになったのに、あいつもちょっと一苦労するかもね」「社長が……ですか?」「あぁ。うん。まぁ、とりあえず、なんとなく状況はわかった」「え、今のでですか?」「うん。まぁ一つ言っとくと、多分それいつものキス魔ではないとは思う」「ん? というと……?」「基本あいつ酔ったらオレにでもそういうのしてくるから」「え!?」「今までかなりの被害オレもあってるし」「わお~……」「だからあいつがそういう時ど
last updateLast Updated : 2025-10-13
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83.意外な協力者⑥

「それさぁ。ちょっと試してみない?」「え? ん? どういうことですか?」「あいつがどういう意味で君にその言葉を言ったかってこと」「はぁ……」「なんかいいきっかけないかな~」そう言いながら考え込む本村さんに。「あのぉ~。それでですね。それは本村さんにお任せするとして……。まずは、今日の夜をどうしたらいいか、ご相談したくですね……」「ん? 今日の夜?」「はい……。とりあえず、あたしは昨日の今日で、理由はどうであれその……あんなことがあって、正直気まずい訳ですよ」「まぁ、君にとったらそうだろうね」「で。今朝もあんまり目も合わせず会話も出来ず、かなり挙動不審のまま、先に家を出てくるという状態になってしまいまして……」「あぁ~そんなことになってたんだ(笑)」「正直しばらくはどう社長と接していいかわからない状態なんですが、そんな時に限って、社長に今日は早く帰るから晩ご飯よろしくとか言われましてですねー……」「あぁ~」「本村さん! 今日の夜ホントに社長予定何も入ってないんですか!?」「は!? いや、うん、今日は予定なんも入ってないね」「なんでですか!?」「いや、なんでって言われても……」「今からなんとかなりません!?」「はっ!?」「今から会議とかパーティーとか接待とかなんか入れられませんかね!?」「いやいやいや、無茶でしょ(笑) 君、すごいこと言うね(笑)」「だって……こんな日に限ってしっかり社長、家帰ってきて一緒にご飯食べるとか……。あたし生きた心地しません!」「え? そんなに?(笑)」「だって、どんな風に接していいか、どんな風に話してたとかもうわからなくなって……」「そんなに好きなんだね~あいつのこと(笑)」「これってそういう好きってことなんでしょうか……」「はい!?」「あたし、今までそういう人が出来たことなくて、そういう好きが実際どういうモノかわからなくて……」「え!? マジで!?」「はい……。あっ、と言っても、推しはいるんでそっち方面の好きはもう全力っていうか一筋っていうか!」「ん?? あ~誰かそういう芸能人とかで推してる人がいるってこと?」「はい! そうです!」「なるほど。でも現実の男には恋とかはしたことないって訳か」「そうです……。なので、よくわからなくて……」「多分、それはしっかりあいつを男とし
last updateLast Updated : 2025-10-13
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84.意外な協力者⑦

「まぁそうだな。二人揃って、ちゃんと確かめる必要あるかもね(笑)」「それは、どういう……」「っていうか、そっか……。今日の夜……その手使うか」「ん?」「今日の夜。あいつと気まずいって言ってたよね?」「はい!」「どうにかしてほしい?」「はい!!」「じゃあ、今日家行くね♪」「……はい??」「オレにちょっと考えがあるからさ。ちょっと任せてくれる?」「はい……。え? じゃあ、今日の夜、本村さんが来てくださるってことですか?」「うん。慧ん家で、オレも手料理振る舞うよ」「え!? 本村さんが作ってくださるんですか?」「うん。あっ、でもちゃんと君も一緒に作るんだよ?」「あたしもですか?」「そう。仲良く一緒に料理して、慧の気持ちを探ろう作戦、的な?」「的な……?」「そっ」「そんなんで社長の気持ち、わかるもんなんですか?」「多分ね(笑)」「多分……」「まぁなんでもやってみなきゃわかんないからね」「確かに」「それに助けてほしいんでしょ?」「はい!」「今日の夜も気まずくてどうにかしてほしいんでしょ?」「はい!」「なら、オレに任せといて。悪いようにはしないから」「はい! よろしくお願いします!」頼もしい本村さんの言葉に深々と頭を下げる。もうこの際助けてくれるならなんでもいい!とりあえず今回は本村さんにすべて任せよう!「じゃあ、今日、慧は外回りの予定で、オレがついていかなくもいいやつだから、慧が家に帰ってくる前にオレ家に行くよ」「あ~それは助かります! でもいきなり家に本村さんいたらビックリしませんか?」「あぁ~。多分それは大丈夫。あいつが仕事で遅い時、鍵預かって先にメシ作ってた事何度もあるし」「あ~確かにそんなこと社長も言われてたかも。あたしが最初行った時も冷蔵庫にいっぱい材料入ってました。あと調理器具とかも」「そうそう。あのキッチン、オレのが使うの詳しいからね(笑)」「あっ、それなら社長の好きな料理とか、ちょっと凝ったのとか教えてほしいです」「じゃあ今日そういうのも作りながら教えよっか?」「はい! お願いします!」あっ、ちょっと朝より気分マシになってきた。本村さんが最初からいてくれるなら社長と直接話すことも少なくなるから、かなり助かるかも。よかった~。早く会社に来た甲斐あった~。「じゃあオレ適当に材料
last updateLast Updated : 2025-10-13
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85.社長の初めての嫉妬!?①

“ピンポーン”「どうも」「お待ちしてました」その日の夜。約束通り、社長よりも先に、本村さんが材料を持参して家に来てくれた。「今日あいつ予定してる仕事今日急ぎめに出来るかって確認してきたから、思ったより帰ってくるの早いかもね」キッチンで材料を準備しながら平然と本村さんがそんなことを呟く。「えっ!? なんでですか!?」「いや、そりゃ君とのご飯楽しみにしてるから早く帰りたいってことなんじゃない?」「えっ!? まさか」「ね~。でもあいつ今日一日ソワソワしてなんか落ち着きなかったような気がしたな」「そうなんですか?」「今日の仕事も早めに切り上げるために、多分あいつ昼食べる時間もなかったんじゃないかな?」「えっ! そこまでですか!?」「それだけ君と早く話したいんじゃない? 朝そっけなかったみたいだし」「いや、それは……。てか、本村さん絶対助けてくださいね!」「あぁ~わかってるって(笑)  あいつの扱いは慣れてるから安心して」「お願いします」本村さんにそう助けてもらえるようにお願いしつつ、さっきの本村さんの言葉を思い出してしまう。社長、今日一緒に食べるために、ホントに仕事そんなにお昼食べずに調整してくれたのかな?ホントにあたしのご飯楽しみにしてくれてるってことなのかな?それなら嬉しいな。別にそれがあたしと一緒に食べることじゃなくても、あたしが作ったご飯を楽しみにしてくれてるかもしれないということだけでも、嬉しい。「でも、だからと言って君もちゃんと話さなきゃダメだよ。気まずいからってあいつを避けることはしないでやってね。あぁ見えて案外繊細だから」「あっ、はい。頑張ります……」あっ、そうだよね……。つい気まずいからって、何もわかってない社長にあんな態度ずっとしてるなんてよくないよね。「なんとか今日で解決すればいいけどね~」「今日で解決しますかね?」「う~ん。だから今日オレがわざわざここに来たんだし。オレ的にも今日なんとかしてくれないと困るんだよ。君たちにずっと付き合ってられるほど、オレも別に暇じゃないんでね」「ですよね……」「でもまぁ親友のあいつをどうにかしてやりたいっていうのも前からあったからね。今回いい機会かなって思って」「なんとかって?」「まぁ君なら出来るかも、って話」「はい。あたしに出来ることなら、頑張りま
last updateLast Updated : 2025-10-13
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86.社長の初めての嫉妬!?②

すると、料理が終盤になり出したタイミングで、玄関のドアが閉まる音がする。「あっ、慧。帰ってきたみたい」「はい」本村さんと確認しながら、社長が部屋に入ってくるのを待っていると。「おい! 柾弥! お前なんでここにいるんだよ!」すると、リビングに入ってきた早々、本村さんに問い詰めるように社長が声をかける。「あっ、慧おかえり~」「いや、おかえりじゃねぇよ! なんでいんだって聞いてんだよ!」ん? なんかこんな興奮した社長初めて見るかも。だけど、なんで??「いい魚入ったからお前の好きなアクアパッツァ作ってやろうと思って」「いや、まぁそれは嬉しいけど、でも、今はこいつ……逢沢がいるから」「うん。もちろん知ってるよ~」本村さんは料理をしながら適当に社長の会話に反応する。いや、ホント社長の扱い慣れてる。「じゃあ、なんでオレになんも言わずお前が先に家でこいつと一緒に料理してんだよ。そんなのなんも聞いてねぇぞ」社長の言い方が気のせいかもしれないけど、なんだか怒っているようにも聞こえる。なんでだろう。せっかく本村さんが社長の好きな料理作ってくれてるのに。「うん。慧に言ってないからね~」「は!?」「っていうか、いつもしてることじゃん。慧が帰る前にオレが先に帰って料理してることなんておかしくもなんともないだろ」「いやそれは……こいつが来る前だし」「あ~。それならちゃんと依那ちゃんに了承済みだよ~」ん?? 依那ちゃん??いや、本村さん今までそんな風に一回も呼んでませんよね??あまりにも自然すぎる……。前の社長の時も思ったけど、本村さんもかなり自然すぎて、イケメンはこういうテクニックも極めているのだろうか……。「依……那ちゃん!?」すると社長も同じように気になったのかあたしの名前を呟く。「あっ、ごめん依那ちゃん。ちょっとそれ取ってくれる?」「あっ、はい!」「いや……っていうか、せめてそれならそれでちゃんと言えよ……。今日も普通に顔合わせてんのに一言もそんなん言わなかったじゃねぇかよ」「まぁ慧の驚く顔が見たくてさ~(笑)」「いや、そういうことじゃなくてさ……。ってかお前も何勝手に柾弥、家に上げてんの?」「え!? ダメでした!?」え、まさかのあたしにとばっちり!?本村さんの言い方だと、全然大丈夫だと……。なのに、なぜにこんな微
last updateLast Updated : 2025-10-14
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87.社長の初めての嫉妬!?③

それから本村さんにいろいろ教わりながら料理を作り続けていると。ん……? なんか視線感じる……。「社長、どうしました……?」少し離れたテーブルから、ガッツリこっちを見てる社長に気付いて声をかける。「お前らさ。いつの間にそんなに仲良くなってた訳?」「いや……別に仲いいとかじゃなくて……」「どうした? 慧。今までオレが誰と仲良くしてようと、そんなん気にしたことなかっただろ」「っていうかさ。……お前ら、朝からなんかコソコソしてたよな?」「え!?!?」朝って……ちょっと待って。「朝……ってなんのこと?」本村さんがそれとなくわからないフリして社長に尋ねる。「お前ら朝早くから会議室で何やってた」え、いつどこで見られてた……!?「逢沢も今日早く出たのって……柾弥と会う為?」「へ!?!?」まさかのピンポイントで聞かれて、さすがに言い訳も考えてなくて、言葉に戸惑う。えっ、どうしよう。別に悪いこともしてないし、責められる理由もないんだけど、なぜか浮気を問い詰めらてれるみたいな気分になる。「そんなに依那ちゃんのこと心配?」「は?」「え!?」本村さんがダイレクトに名前を出してきて、社長とあたしが同時に驚いて反応する。「それはオレが相手だから? それとも誰であってもやっぱり心配?」いや、本村さんそんな露骨に聞いたら社長も返答に絶対困る……。「いや、オレは一応こいつ仮にも預かってるようなもんだから、なんか目につくと見過ごせないというか……」それって……保護者……的なモノだよね……?まぁ……そりゃそっか。なんかその言い方にホントに脈がないんだと察してしまう。それなら、まだ……契約してるから……とか言ってくれる方が、少しでも期待出来る可能性があったのにな……。どうせならそう言われた方がよかったよ……。保護者だなんて、親と一緒じゃん。恋愛対象になんて絶対ならないってことじゃん。そりゃ年齢も随分年下だし、こんなオタクで色気も何もないような女に興味なんて持つはずないか……。いや、女って……そんな区分にもなってないかも。家政婦? 親戚の子? まぁそんな感じだよな。やっぱり、あれも事故だったんだ。たまたまそこにあたしがいて、唇がくっついちゃったハプニングみたいなもんだ。そんな状況なのに、勝手にあたしが意識して動揺して一人パニックにな
last updateLast Updated : 2025-10-14
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88.社長の初めての嫉妬!?④

「ハハッ。そうですよね~。社長はあたしの保護者みたいなもんですし、そりゃ余計なことしちゃったりしたら社長としては隠れて社員預かってるんですもん。何かあったら大変ですもんね~」「いや……。ただオレは……」「はぁ~。慧……お前なぁ……。なんでそんな言い方しか出来ないかなぁ~」「あ? なんだよ」「……なら、慧大丈夫だよ」「は? 何がだよ柾弥」「オレもお前の親友として副社長として、彼女のことは心配だからさ。お前が忙しい時はオレが相談に乗るしオレが側にいるから」「は!? なんでお前までそういうことになんだよ」「別にオレも慧と同じこと言ってるだけだよ? 正直社長と社員が一緒に同居してるとか、ホントは問題だし。けどその秘密を知ってるのはお前と依那ちゃんとオレだけ。正直お前が相手だと依那ちゃんも不便な時出てくることもあるでしょ。そしたら一番お前と近いオレが助けてやりたいって思うのおかしくないと思うけど?」「それは……」「お前は保護者としか見てないかもしれないけど、オレはそうじゃないから」「は?」「オレは、依那ちゃんのこと、ちゃんと女性として心配してるよ?」「は!?」「え!?」思わずまた二人してビックリしてしまう。だけど、なんとなく多分それは本村さんの本音じゃなく、社長の気持ちを探りたくて、そんな風に言ってくれてるのかなと、なんとなくそう思った。「今日二人で朝会ってたのも、お前とのこと相談されただけだし」「……は?」あっ。本村さんそれ言っちゃう感じですか。「どういうことだよ。なんなのオレの相談って」「それは二人だけの秘密だから、例えお前でもそんなの言えないよ」「いや、意味わかんねぇし……。逢沢。どういうことだ?」えっ、社長これ怒ってる……よね?そりゃ自分の知らないとこで自分のこと言われてるだけじゃなく、秘密とか言われて、いい気はしないよね……。でも……。酔っぱらってキス……されたとか……言えない。社長が好きだからどうすればいいか相談に乗ってもらってたなんて、絶対言えない……!
last updateLast Updated : 2025-10-14
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89.社長の初めての嫉妬!?⑤

「……言えません……」「……は??」「社長には関係ないことなので……」「は? 今オレとのこと相談してたって言ってただろうが」「いや……。でも。もう大丈夫です。社長にはどうでもいいことなので、別に何も気にしていただかなくて大丈夫です」別にあたしとの事故チューなんて、社長にとってどうでもいいことで、実際それを知ったところで別に関係ないことだ。ただの事故に、なんの意味も存在しない。「なんだよ、それ……。オレには言えないことなのに、柾弥には言えることって何? オレがどうでもいいことかどうかなんて聞いてみなきゃわかんないだろ」「聞かなくてもわかります……」「依那ちゃん……」思わず本村さんが心配して声をかけてくる。あれ……なんでこんなことになってるんだっけ。本村さん来てくれて、二人だと気まずいからそれなら三人なら楽しく食事出来るかと思ってたのに。あたしなんでこんな社長とこんな変な気まずい雰囲気になってるんだろう……。「お前、この前オレが言ったこと……なんもわかってねぇじゃねぇかよ……」「え……?」すると、社長は悲しそうな表情をして、なぜか小さくボソッと呟く。この前社長が言ったこと……?え? どの言葉? どういう意味?「悪い。柾弥。今日はもう帰って」「え?」「ちょっとこいつと二人で話がしたい」「……わかった。ちゃんと二人で話し合え」え……? え!?!?嘘でしょ!?こんな一番状況が地獄な状態で二人で話したいとか、社長に何言われるの!?てか、あたしこんな状況でまともに話なんて出来ないよ!?「ごめんね、依那ちゃん。料理中途半端になっちゃって」「いえ!」「慧とちゃんと話合った後に、またゆっくり食べて」「あっ、はい……」と言われたモノの、この深刻な雰囲気から、もうこのあとゆっくり食べるなんて気分にはなれないような気がする……。「じゃあな。慧。お前らの邪魔して悪かったな」そう言って本村さんはホントに帰って行った。いや、こんな二人で話し合うって……何を……。
last updateLast Updated : 2025-10-14
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90.社長の初めての嫉妬!?⑥

「あの……。料理せっかくなんで食べながらにしませんか……?」「は? 今はそんな気分じゃ……」「ちゃんとお話は聞きます。だけど……。ちゃんと夜ごはんはしっかり食べてください」「別にそんなのよりお前と話すことのが……」「ダメです!」「はっ?」「今日。社長、お昼ちゃんと食べました?」「は? 今そんなの関係ねぇだろ」「今日社長一日仕事立てこんでてお昼食べてないんじゃないですか?」「お前、なんでそれを」「本村さんから聞きました」「また、あいつかよ……」「さっき料理してた時、教えてもらったんです。社長、今日一日仕事早く進めるために、お昼ご飯も食べてなかったんじゃないかって」「それは……」「それって。あたしと約束してくれてたからですよね?」「えっ?」「今日家で食べるって言っちゃったから、料理作るあたしに気遣ってくれてたんじゃないですか?」「……気ぃ遣ったとかじゃねぇよ」「あっ、そっか……。ハハ。なんだ。別にそういう意味じゃなかったってことですよね!? やだな~あたし勘違いしちゃって」「そうじゃねぇよ。気ぃ遣ったとかじゃなくて。オレが普通にお前のメシ今日は食べたかったから……」「え……?」そう……なの……?あたしの作ったご飯食べたいから、やっぱりそうしてくれてたってことなんだ……。そっか、嬉しい……。「お前と一緒にメシ食べれると思ったから。仕事ちゃんと終わらせて間に合うように帰りたかっただけ」「え? あたしと食べれることもですか……? ご飯だけじゃなくて……?」「ん? 何言ってんの? お前のメシをお前と食べるの当たり前じゃねぇの?」「いや、ご飯だけそう思ってくれてるのかな……って」「んなの……。お前がせっかく一緒にいんのに、一人とか寂しすぎんだろ……」「社長……」「何……? お前はそうじゃないってこと……?」「いえ! あたしも社長と一緒に食べれるのを楽しみにしてたんで!」「なら……いいけど……」そっか。社長、あたしと食べることもこの家にいれば当たり前だと思ってくれてるんだ。じゃあ……家政婦って感じではないのかな……。それだけでも嬉しいかも……。「じゃあ。先にちゃんとご飯一緒に食べましょ?」「あ、あぁ……うん……」いくら気まずくても、社長がお昼抜いて仕事頑張るほど楽しみにしてくれてたんだもん。どんな状況で
last updateLast Updated : 2025-10-14
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