その日のお昼休み。会社の外へ桜子とランチへ。そのあと会社に戻ってきてエレベーターを待つ。「はぁ~お腹いっぱい」「いや~今日のランチ当たりだったね~」「明日はどこ行こっか」「いや、依那。もう明日のランチの話?(笑)」「だってこの会社の周りホント美味しいお店多いからさ。あたし的にはそれ全部制覇したいんだよね~」「まぁ依那はルイルイか食べ物の話かどっちかしてる時が一番イキイキしてるからね~」あっ、その言葉。社長もこの前言ってたな。桜子のいうイキイキは、自分でもそうだと思う納得の理由なんだけど。社長が言ってたイキイキとは、果たしてあたしは社長にどんな感じに映って、どんなあたしがイキイキだと言ったんだろう。あたしはどういう風にしてたら、社長が安心してくれるのかな。あ~最近、ホント社長のこと想い出しすぎて困る。ルイルイのことでこんな風になってる時は、ほとんど幸せなことだったりしてたけど。社長のことはまだまだわからないことが多くて、ルイルイの時とは全然違う。でもまだこれが社長っていうだけでもよかったかも。あたしこんなの同僚とか同じ課の先輩とかだったら、いろいろ気になって仕事手につかなかったかも。それを思えば会社に来てれば社長の会社ではあるけど、直接顔見ていろいろ考えたりはしなくて済むもんね。そのタイミングでエレベーターが到着して、乗り込もうとその中を見ると。うわっっ社長!!いや、社長のこと考えてたタイミングで目の前に社長いるのはさすがにビビる!あっ、でも社長お仕事モードで、隣の秘書さんと話し中だ。さすがに話に集中して、あたしには気付いてないか。っていうか、こんな所で、もちろんあたしごときが声かけられるはずもないけどさ。案の定、社長と今度は目も合わず、そのまますれ違う。そうだとわかってはいても、家とのギャップが大きすぎて、やっぱり少し寂しく感じてしまう。会社でのあたしと社長は、本来なら気軽に関わるような状況なんて絶対ないはずの関係性。仕事に戻ると、それを嫌というほど突きつけられる。「うちの秘書さんってさ、美人のレベル、ヤバくない?」エレベーターを降りて部署に戻る途中で、桜子がそんなことを言い出す。「え?」「さっきの社長の隣にいた秘書さん。九条さんだっけ? あの人相変わらず顔もスタイルも抜群だよね~。うちの秘書ってそ
Last Updated : 2025-09-25 Read more