精神病院へ送られる前、素羽はすでに清人へ、美宜の居場所を探ってほしいと頼んでいた。だが司野がここまで徹底し、自分を精神病院へ監禁してまで後顧の憂いを断とうとするとは、さすがの彼女も想像していなかった。清人は静かに言った。「見つかったよ」素羽が監禁されたことで、美宜の警戒が緩んだのだろう。清人が放っていた尾行が、ようやくその行き先を突き止めた。その言葉を聞いた瞬間、素羽は勢いよく身を乗り出した。「どこにいるの?」だが清人はすぐには答えず、穏やかに促した。「……まずは朝食を食べよう」そう言って、買ってきた朝食をテーブルへ並べていく。「楓華は?」噂をすれば影、というべきか。ちょうどその時、楓華も朝食を抱えて戻ってきた。この時間に清人が部屋にいることを見ても、彼女は少しも驚かなかった。目の前の、温厚で品があり、どこまでも清廉な雰囲気を纏った男を見つめながら、楓華は胸の内でそっとため息をつく。もし素羽の結婚相手が彼だったなら。あるいは、素羽が司野に嫁ぎさえしなければ。いや、司野以外の男と結婚していれば――きっと今より、何倍も幸せな人生を送れていたはずだった。三人はテーブルを囲み、朝食を取り始めた。素羽の期待を滲ませた視線を受けながら、清人は調べ上げた情報を口にする。「司野が部下を配置して、周囲を見張らせている。警戒されるのを避けるために、うちの人間もそれ以上は近づけなかった」その言葉に、素羽の瞳へ冷え切った光が差した。それほどまでに、彼は美宜を重要視し、厳重に守っているのだ。楓華は、素羽の表情を細かく窺っていた。昨夜の恐怖がまだ胸から消えない彼女は、思わず諭すように口を開く。「素羽ちゃん、司野は言ってたわ。千尋を見つけ出したら、美宜は必ず刑務所へ送るって。だから……もう少しだけ待ってみない?」彼女は素羽の精神状態が心配でならなかった。同時に、司野のあまりにも容赦のない冷酷さにも、強い恐怖を抱いていた。素羽が具体的に何をしようとしているのか、楓華には分からない。だが、一つだけ確かなことがある。司野に真正面から逆らえば、彼は決して手加減しない。素羽は唇を固く引き結んだまま、肯定も否定もしなかった。その反応に、楓華は焦燥で胸が潰れそうになる。彼女はさらに言
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