パトカーはすぐ到着した。空はやましいところがあったように、サイレンの音を聞こえたら逃げ出そうとしたが、結局一歩遅れて、降りてきた警察に捕まってしまった。捕まった後も、もがきながら言った。「俺を捕まえてどうするんだ?俺は何もしてないぞ!」警察の手の力は少しも緩まなかった。「何もしてないなら、なぜ逃げるんだ?」この手の言い訳は彼らもよく聞いている。自分は何もしてないと騒ぎ立てる連んで、本当に冤罪だった者などほとんどいない。昨夜の件について、やはり空には後ろめたいところがあり、いざ捕まると、何と言えばいいかわからなかった。今日来た二人の警察官は、前回来たのと同じ面々だ。彼らは葉月の仕事場を見やった。まだ改装中なのに、また騒ぎを起こす者が現れたのか。年配の警察官は心の中でつぶやいた。この店は何か因縁でもあるのか、どうしてこんなトラブルばかり引き寄せるんだ?店で騒ぎを起こすのは些細なことだ。重要なのは、葉月がこの機会に乗じて、空が昨日七海の家に押し入り、七海に乱暴しようとした件を明るみに出そうとしていることだ。葉月も一緒に警察署へ向かった。空は取り調べ椅子に座り、目を泳がせていた。葉月は昨夜の出来事を一通り説明した。空は話を聞いて、七海はきっと葉月のところへ逃げたのだと悟った。だが今は逃げることが最優先だ。空はすぐに反論した。「俺たちは恋人同士だ。何が不法侵入だ?何が乱暴だ?あれは両思いで、道理にも法律にもかなってることだ!」「ふん」葉月は軽く笑った。「証拠がないとでも思ってるの?」空のような男は、血が流れていても諦めず、地獄を見るまで怖がらないのだろう。七海の家の防犯カメラ映像は自動的にネット上に保存されていた。七海がドライブにログインして、それらの映像を葉月に送信し、葉月が警察に引き渡した。カメラの映像は玄関からすべてが克明に記録されていた。空の強引な行為と七海の抵抗は明らかだった。空が言い逃れする余地はなかった。空はまだ言い訳しようと、包帯を巻いた額を指さした。「じゃあこっちはどうだ?七海が俺の頭をこんなふうに殴ったんだ。これはどうだ?」葉月の目に嘲笑の色が浮かび、空を見つめながらゆっくりと口を開いた。「本国の法律には明確に規定されているのです。進行中の不法侵害に対して防衛行為を行い、不
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