二人が一階へ下りたときには、祐斗がすでに車を回し、通用口で待機していた。真琴の体を後部座席へそっと滑り込ませると、信行も身をかがめて車内へ乗り込んだ。そのまま真琴の隣に腰を下ろす。間もなく車が走り出すと、信行は顔を上げて祐斗に命じた。「真琴が口にした酒を調べさせろ。誰が手を回したのか突き止めるんだ」両手でハンドルを握り、祐斗はすぐに応じた。「承知いたしました、社長」続いて祐斗が尋ねる。「このままどちらへ向かいましょうか」「ヴァンクラッセだ」そう答えると、信行はポケットからスマホを取り出し、かかりつけの医師に電話をかけた。ヴァンクラッセまで急行するよう指示を出す。通話を終えた信行が視線を落とすと、胸元に寄りかかる真琴はすっかり力なくぐったりとしており、彼の腕を掴む手にもまるで力が入っていなかった。眉をひそめ、苦しそうな表情を浮かべたその顔は、さきほどよりも赤みを増している。うっすらと開いた瞳は、熱に浮かされたように虚ろだった。一ヶ月以上にわたって保ち続けてきた距離感も、こうして弱り切った真琴の姿を前にしては、崩れ去るしかなかった。じっと真琴を見つめていた信行は、右手を伸ばすと、その頬にそっと触れた。「大丈夫だ。医者がこちらへ向かっている。お前に手出しできる奴など誰もいない」信行の宥めるような言葉に、真琴は眉をひそめたままうなずいた。人生の苦境に立たされるたび、万策尽きて死線に立たされるたび、いつだって自分のそばに駆けつけてくれたのは信行だった。両手で信行の腕を強く握りしめ、真琴は何度もうなずいた。信行が大丈夫だと言うのなら、絶対に大丈夫なのだと信じられた。二十分ほど走り、車はヴァンクラッセの入り口に滑り込んだ。真琴を抱きかかえて部屋へ運び込んだ信行は、そのまま普段自分が使っている主寝室のベッドへと彼女を横たえた。この一ヶ月間、いくら割り切ったフリをしてみせたところで、このような状況になってしまえば、もはや演じ続けることなど不可能だった。胸の奥深くでは、やはり真琴を案じ、真琴のことが頭から離れないのだから。壊れ物でも扱うかのような手つきで真琴をベッドへ寝かせると、信行は思わず彼女の額にそっと唇を寄せた。「すぐに医者が来る」そう囁き、身を起こして立ち上がろうとした瞬
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