ユウカは、多目的トイレの扉をそっと開け、中を覗き込んだ。そして、おずおずと俺の方を振り返ると、その小さな手で、俺の繋いだ手を軽く引いてきた。ああ、これは俺の能力が彼女をそうさせているのだろう。彼女の行動の裏にある、俺の意図が透けて見えるようで、俺の胸に言いようのない高揚感が湧き上がる。「わ、わたしから……しようかな……」 彼女は顔を赤く染め、か細い声でそう呟いた。「あ、手は握ってて……くれるかな? 離したらユイトくん、もう手、繋いでくれなそう……」 その純粋な言葉に、俺の胸は締め付けられるようだった。「えぇ? そんなことないって。手を繋いでても良いけど……大丈夫? 無理してない?」 俺がそう尋ねると、ユウカは少しだけ困ったように眉を下げた。「……ちょっとだけ。でも、さそったの……わたしだし」 俺の心臓は、さらに強く脈打つ。「言い出したのは、俺だよ」 俺がそう言うと、ユウカはふわりと微笑んだ。その愛らしい笑顔に、俺もまた、つられて笑ってしまった。二人で顔を見合わせ、ニコッと笑い合う。それは、まるで秘密を共有した共犯者のような、甘く、特別な瞬間だった。 多目的トイレの狭い空間に、二人の体温が満ちていく。手は繋いだままで、ユウカは顔を赤らめて俺を見上げた。そして、照れたように小さな声で言った。「えっと……どうやって……下着を下ろそうかな?」 その言葉に、俺は思わず苦笑いを浮かべる。そりゃあ、手を繋いだままじゃ難しいに決まっている。繋がれたままの手が、わずかに震えているのが分かった。「付き合ってた時に入ったことあるの?」 俺が尋ねると、ユウカは少し困ったように眉を下げた。「えー、ないよー? 告白されて……テンパって…&hell
最終更新日 : 2025-10-15 続きを読む