ふと、ミカと遊んだゲームセンターを思い出す。まだ時間はたっぷりある。そう思うと、俺の足は自然とゲームセンターの方へと向かっていた。(さ、夕方まで遊ぶぞー!) 心の中で叫び、ゲームセンターの自動ドアをくぐり抜ける。すると、賑やかな空間の中で、俺は異様な光景を目にした。 俺の妹と同じくらいの年頃だろうか、制服を着た一人の女の子が、三人の男子に囲まれている。女の子は、何やらいたずらをしたようで、男子たちは口々に文句を言っている。「おい、ふざけんなよ!」「人のゲームに勝手に手ぇ出すなよな!」 男子たちに責め立てられて、女の子は怯えた様子で俯いている。その手には、男子の一人が持っていたゲーム機のコントローラーが握られていた。女の子は、どうしていいか分からず、ただ震えているだけだった。 男子たちに責め立てられる女の子の様子を見かねて、俺は一歩前に出た。彼らの間に割って入り、少し多めに握りしめた千円札を差し出す。「なんだか分からないけどさ、女の子が怯えてるだろ。警察呼ばれるぞ? ほら、これゲーム代な。許してやれって」 俺の言葉に、男子たちは顔を見合わせ、差し出された金を受け取った。「仕方ねーな!」「次は容赦しねーからな!」 そう言い残すと、男子たちは去っていった。解放された女の子は、ホッとした表情で胸を撫で下ろす。すると、当たり前のように俺の制服の裾を掴んできた。「んで、なにしたんだよ?」 俺がそう尋ねると、女の子は掴んでいた俺の制服をそのままに、いたずらっぽく笑った。「え? えへへ♪ ひみつー」 口元に人差し指をあて、満面の笑みでそう返してくる。「秘密にするなら解放をしたお金を立て替えてもらおうか?」 俺がそう言うと、女の子は少し頬を膨らませた。「それ、いじわるー! ただ、その……見てたらさ、あいつら下手で……つい、ボス戦下手すぎて……わたしが倒しちゃった♪」 なんだ、もっと悪いことでもし
Last Updated : 2025-12-05 Read more