昼食を終えて一息ついた頃、明里のスマホに朱美からの着信があった。「お母さん?どうしたの?お昼ごはんは食べた?」「裕之と一緒に食べたわよ。午後はとくに予定が入っていないから、ふたりで少しお買い物にでも行こうかと思って」「楽しんできてね。ゆうちっちには何も買わなくていいからね。あの子、もうおもちゃはいっぱい持ってるから」「アキ、どうしたの?なんだか声に元気がないわよ。風邪でも引いた?」「大丈夫よ。花粉症のせいかも。さっきからくしゃみが止まらなくて」「そう、それならよかった。まだ外は冷えるんだから、出かけるときは暖かくして過ごすのよ。それとね、一つ相談があるんだけど」「何?」「裕之がね、みんなで一緒に住みたいって言い出したのよ」「裕之さんが一緒に住みたいって?」「私たちふたりだけじゃなくて、潤も一緒にね。アキと潤が結婚したら、みんなで一緒に住もうって」「潤と?」明里は言葉を失った。「お母さん、私たち、結婚のことはまだ……何も具体的には決まってないんだけど」「どうせ、そのうちすることになるんでしょ」朱美は楽しげに笑った。「今は恋人同士の時間を楽しんで、それでいいのよ。でも、結婚はいつか必ずするものよ。そうでしょう?」明里は口元をほころばせ、「うん」と答えた。「潤とも相談してみるね」「裕之って、実の息子さんとも別々に住んでるくらいだから、誰かと一緒に住むのは性に合わない人だと思ってたの。だからアキ、私たちのことなら気を遣わなくていいのよ。若いふたりだけで住みたければ、それでも全然構わないんだから」「ううん、私はたとえ結婚しても、お母さんと一緒にいたいわ。やっとこうして一緒に暮らせるようになったのに、結婚したからって別々になるなんて絶対に嫌だもの」「お母さんも同じ気持ちよ」朱美は優しい声で言った。「ただ、このまま雲海レジデンスみたいに近くのマンションに住めば、毎日だって顔を合わせられるんだから、それでもいいんじゃないかと思ってね」「それとこれとはまた違うから」明里はきっぱりと言った。「潤とちゃんと話してみるわ」「ええ、お願いね」電話を切ると、明里は机に突っ伏したまま、しばらく動く気になれなかった。午前中、潤から短いメッセージが届いていた。【今は立て込んでいるけれど、できるだけ早く戻る】と。明
Read more