リビングルームへ行くと、3人の若者たちがソファに座って待っていた。彼らの顔にはやはり全員見覚えがある。「来たわね、皆」すると3人は一斉に立ち上がり、順番に挨拶してきた。「こんにちは」「また来ました」「宜しくお願いします」「それじゃ、皆。座ってくれる?」私は向かい側のソファに座った。「「「はい!」」」全員着席すると、早速尋ねた。「みんな、それじゃまず自己紹介からしてくれるかしら? まずは一番左の人からお願い」指名された赤毛の若者は背筋を正すと自己紹介を始めた。「はい、俺の名前はクリフ・ヤンソンと言います。年齢は19歳です」「クリフね? よろしく。それじゃ真ん中の貴方、自己紹介よろしく」次に真ん中の栗毛色の若者を指名する。「はい、僕の名前はハンス・フリートです。18歳です」「よろしく、ハンス。それじゃ最後の貴方、自己紹介してくれる?」最後、日本人を彷彿とさせるような黒髪に黒目の若者を指名した。「俺の名前はケン・スドーと言います。21歳です。よろしくおねがいします」「え? ケン・スドー?」あまりに日本人的な名前に驚いた。ケン・スドー……スドウ・ケン……。「アハハハ……まさかね〜」「あの……どうかしましたか?」ケンは首をかしげた。「いいのよ、何でも無いわ。気にしないで」慌てて手を振る。まさか、この世界に私と俊也以外にも転生者がいるのだろうか? でも、いくら日本人のような顔立ちに名前だとしても、全く見に覚えのない顔なので特に気にすることはないだろう。「え〜ところで、どう? あの後タクシーを利用する人達は少しは増えたのかしら?」私の言葉に3人は次々と答える。「いいえ、少しも増えませんよ」「むしろ待機時間ばかり増えています」「時期にリストラされてしまうのも時間の問題かもしれません……」状況はかなり深刻なようだ。しかし、このまま『車』と言う、便利な乗り物を放置しておくのはあまりに勿体ない。よし、ここは一つ彼らを引き抜きさせて貰おう」「ねぇ、さっきリストラされてしまうのも時間の問題と言っていたけれども、既にリストラされている人はいるのかしら?」するとハンスが答えた。「ええ。いますよ。僕達より年齢が上の運転手が2名、リストラされました。会社ではあと4〜5人はリストラしたいみたいです。タクシーだって余っているのに…
Last Updated : 2025-12-11 Read more