放課後、紗音は真っ先に水琴に会いに来たが、彼女がどこか上の空であることに気づいた。「水琴お姉ちゃん、どうしたの?」紗音にとっての水琴は、常に冷静沈着なイメージだったから。「ううん、大したことじゃないの」水琴はかすかに微笑む。「嘘だ!掲示板でみんなが騒いでる件でしょ?まったく、誰があんな情報流したんだか。ねえ、水琴お姉ちゃん、学校の上からプレッシャーかけられたりした?」紗音が心配そうに尋ねる。彼女も、教授たちのオフィスから漏れ聞こえてくる話を耳にしていたのだ。「あなたには何も隠せないわね。上の人から何か言われたわけじゃないの。鷹司雅が、自分の誕生日パーティーに私を招待してきたのよ。……そこに、小林先生も来るらしいわ」紗音は顔をくしゃっとさせた。「あの人がお姉ちゃんを招待?絶対何か企んでるよ!水琴お姉ちゃん、行っちゃダメ!もし小林先生に会いたいなら、兄様に言えばいいじゃない。兄様にお願いすれば、きっと招待してくれるよ!」紗音は、兄は何でもできるのだと、誇らしげに胸を張った。「ううん、いいの。もう行くって決めたから。それに、私が小林先生に会いたいのは、コンテストのためだけじゃないの」水琴は紗音の申し出を断った。何かあるたびに、灼也を頼りたくはなかった。紗音は目を丸くする。「コンテストのためだけじゃないって……じゃあ、他に何があるの?」「秘密」水琴は意味深にそう言った。言いたくないのだと察し、紗音はそれ以上追及しなかった。しかし、彼女は相談室を出るや否や、灼也に電話をかけた。興奮した声でまくし立てる。「兄様!うち、鷹司家から招待状って届いてる?」電話の向こうで、灼也は一瞬、言葉をためらった。「……招待状?」「そう、鷹司雅の誕生日パーティーの招待状!届いてない?」電話口から聞こえる紗音のやけに期待に満ちた声に、灼也は首を傾げる。確かに、そんなものは届いていない。彼がそう答えようとした瞬間、アシスタントがドアをノックし、一通の招待状を差し出した。開いてみれば、それはまさに鷹司家からのものだった。「……ああ、あるよ。たった今、届いた」どうして知っているのかと尋ねようとする前に、紗音が答える。「兄様!その招待状、わたしのために取っておいて!わたしも行く!」「君が急に鷹司雅の誕生日パーティーだと?あの子のこと、嫌
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