慎の意図は、嫌というほど伝わってきた。淡々と響くその声は、柊の胸を深く、容赦なく抉った。柊は押し黙った。自分宛てに届いた、あの招待状を見つめる。怒りと悔しさで燃えていた瞳は、静けさを取り戻すにつれ、抗いようのない虚無感へと沈んでいった。紬こそが命の恩人だと知ったあの日から、心のどこかでは、とうに気づいていたのだ。もう二度と、彼女を取り戻すことはできないのだと。ただ、それでも捨てきれない未練に縋っていただけなのだ。家族としても、一人の男としても紬を裏切ったのは自分だ。だから、これ以上彼女に付きまとう資格など、端から持ち合わせていなかった。「その招待状、紬が送らせたのか?」机の上に置かれた、紬が手作りしてくれた飛行機型のストラップを見つめながら、柊は問いかけた。一度は茜に見せつけるために手放したが、結局堪えきれずに手元へ取り戻したものだ。「違うな」と、慎はあっさり答えた。「紬はお前のことなど、これっぽっちも気にかけていない。招待しようがしまいが、どうでもいいんだ。もちろん、須藤社長がどうしても来たいとおっしゃるなら、夫婦揃って精一杯おもてなしさせていただきますよ」柊は自嘲気味に鼻で笑った。「はっ、白々しい台詞はもういい。君が本当に僕に来てほしいなどと思っているわけがないだろう」慎がどれほど自分を嫌悪しているかくらい、わかっている。あれは招待状などではない。警告であり、当てつけなのだ。本当に自分がのこのこ出向いたところで、紬を不快にさせるだけだ。なぜ自分が、彼女の晴れ舞台を台無しにしに行かなければならないのか。慎は前方を見たまま、眉一つ動かさずに言った。「来ても来なくても、俺たちには何の影響もない。お前に祝福されなくても、俺は彼女を幸せにする。須藤社長。昔も今も、あなたは自分を特別な存在だと思いすぎている。お前は、それほど重要な人間じゃない」柊は急所を突かれたように顔を強張らせた。慎はそれだけ言って通話を切った。伝えるべきことは、すべて伝えた。柊に、はっきりと思い知らせたかったのだ。彼がとっくに紬と肩を並べる資格など失っており、二度と彼女の人生に関わるべきではないのだと。幼い頃のささやかな情を除けば、彼女の人生に何ひとつ良いものを与えず、ただ傷と重荷を負わせただけで、当の自分はそれが過ちだとす
Read more