あなたの「愛してる」なんてもういらない のすべてのチャプター: チャプター 461

461 チャプター

461話

「藤堂様」 「──!どうでしたか?」 私の質問に、警備会社の人は表情を緩め、頷いてくれる。 「セキュリティはしっかり作動していますし、施錠もちゃんとされています。母屋より、この家に居た方が暫くは安全でしょう」 「──それは良かったです」 私がほっとして胸を押さえると、苓さんが警備会社の人に話しかける。 「侵入者を検知したとの事でしたが、家の中に入って行くのが分かったのですか?」 苓さんの質問に、警備会社の人は体の向きを変え、苓さんに向き直ると頷いて答えた。 「はい。弊社は防犯カメラを多数設置させていただいております。もちろん裏門にも設置させていただいていて……裏門を乗り越え、藤堂様の母屋に侵入して行く人物を目視で確認しております」 「侵入者は1人、ですか?」 「はい。我々が現場に急行するため、社を出る時までは1人のみです。それ以降、連絡はないので単独犯だと思われます」 「……裕福な家を狙った強盗……、でしょうか?」 苓さんの質問に、警備会社の人は若干言葉に迷いながら答える。 「──いえ、どうもそうは見えなかったのです」 その答えに、私も苓さんも「え?」と疑問の声を上げる。 すると、私たちの疑問に答えてくれた。 「強盗目的ならば、貴金属などを入れる袋や箱を手に持っているはずですし、これほどの敷地に強盗に入るとするなら、単独犯だと考えにくいです」 「なら……我が家に他の目的がある、と考える方が自然ですか?」 「──ええ。それに、侵入者の影は小柄で……恐らく女性だと思います、ので……」 「──!?」 女性、と聞いた私は目を見開く。 苓さんも私と同じ考えに至ったのか、私に顔を向けた。 「茉莉花、もしかしてその侵入者って……!」 「……ええ、もしかしたら速水 涼子、その人かもしれません」 「お2人は、侵入した人物に思い至る人間が?」 警備会社の人に、私が涼子が起こした事件の事を説明しようとした時──。 警備会社の人が持っている無線に知らせが届いた。 「──すみません、少しお待ちください」 手を上げてそう断ると、無線に対応する。 〈侵入者を捕まえた。そちらに連れて行く〉 「分かりました、鍵を開けて待っています」 侵入者捕まった──!? 私と苓さんは勢い良く警備会社の人を見る。 彼はこくり、と頷いてから通信を切
last update最終更新日 : 2026-07-15
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