「れっ、苓さ──」 「ちょっと待って、待ってください茉莉花……っ」 ばくばく、と心臓がけたたましい音を立てている。 それは、私の心臓かそれとも苓さんの心臓か──。 どちらの心臓の音なのか分からないくらい、私たちは近くて。 「お、落ち着き、ます……、だから、お願いですから、動かないでください……っ」 苓さんの切実な声が聞こえる。 私は、そろそろと顔を上げて苓さんを見た。 すると苓さんはぎゅっと目を強く瞑り、真っ赤な顔で何かに耐えるようにぶるぶると震えていた。 私を抱きしめる苓さんの腕の力が強くて、身動ぎが出来ない。 私のお腹にある、苓さんのそれ、が……どくどくと脈打っているのが分かって。 どうしよう、どうしたら、と頭の中にはその言葉だけがぐるぐる巡っている。 ぎゃ、逆に、苓さんに欲を発散してもらった方が落ち着くのではないだろうか。 む、無理に耐えなくても。 私はそう思い、そろそろ、と自分の腕を下げて行く。 私が腕を動かしたからだろうか。 私の手が、苓さんの腰を掠ってしまった。 「──ぅあっ」 「──っ!?」 瞬間、苓さんの体がびくっ、と跳ねる。 苓さんの、掠れた低く、色っぽい声が私の耳元で聞こえた。 そして、抱きしめていた体勢から少しだけ体を離した苓さんが、真っ赤な顔で信じられない、と言うように私を唖然と見つめた。 「な、何を……、」 苓さんが真っ赤な顔のままぱくぱくと口を開けているのを見て、私は頭の中がパニックになりつつ、慌てて口を開いた。 「ちっ、違っ、その……っ、苓さんが無理に耐える必要はないと、思って……!そのっ、えっと……っ、お手伝いをした方がいいかと……!」 パニック状態になっている私の口からは、とんでもない言葉が紡がれてしまって。 私の言葉を聞いた苓さんの顔が益々真っ赤になって、その赤みが体にまで現れている。 唖然としていた苓さんだったけど、私がわたわたと視線を彷徨わせている間に何か吹っ切れたのだろう。 「──分かりました」 そう、低く呟いた苓さんの声が聞こえた。 「──え?……んむっ!?」 私が苓さんの低い声にびっくりしていると、苓さんが私の後頭部をガシっと掴んで強い力で引き寄せた。 驚いた私をそのまま引き寄せ、苓さんの唇が私の唇に重なる。 驚いた拍子に開いていた私の唇の隙間から、苓
最終更新日 : 2026-06-07 続きを読む