病院に着くと、既にお母様は起きていて退院の準備を終えていた。 「羽累……!起きていて大丈夫なのか!?」 「あなた。ええ、大丈夫よ。昨日点滴してもらって、すっかり良くなったわ」 お父様は病室に入るなり、お母様が起きているのを見て慌てて駆け寄った。 心配そうにお母様の顔色を確認したり、熱はないか、と額に手を当てたりしている。 いつもは威厳たっぷりで、頼もしいお父様のそんな姿を見て、私は呆気に取られてしまう。 苓さんは逆に、微笑ましそうに笑い、お父様とお母様の様子を見守っていた。 私たち2人の両極端な視線を受け、お父様はハッとすると「んんっ」と咳払いをしてお母様の手を取って歩き出した。 「羽累、荷物はこれだけか?」 「ええ、そうよ」 「なら退院手続きをしてくるから。……茉莉花に苓くん、羽累と一緒に先に車に戻っていてくれ」 「分かりました。荷物持ちます、馨熾さん」 「ああ、ありがとう苓くん」 お父様と苓さんはにこやかに言葉を交わし、苓さんは荷物を受け取る。 私たち4人は病室から出ると、お父様は退院手続きのために別方向に。 私と苓さん、お母様は駐車場に向かうために歩き出した。 「お母様、もう体調は大丈夫ですか?」 私がお母様に話しかけると、お母様はふわりと笑って頷いた。 「ええ、もうすっかり。茉莉花も、苓くんもごめんなさいね。バタバタさせてしまって……何とお詫びをすればいいのか……」 「いえ、全然!目が覚めたばかりなのに、私こそご無理をさせてしまい申し訳ございません」 「ふふっ、皆と過ごせるのが楽しくて、少し無理をしちゃったみたい。これからはちゃんとセーブするわ」 そんな風に和やかに会話をしながら、私たちは駐車場に向かう。 乗ってきた車に乗り込み、お母様を後部座席に。 苓さんが運転席に乗り、私は助手席に乗った。 お父様が戻ってきたらすぐに車を出せるよう、エンジンをかけた所で、苓さんのスマホに着信が入る。 「──谷島だ。……すみません、茉莉花。外で話してきます」 「分かりました。周囲に気をつけてくださいね」 私たちは、お母様に聞こえないように声を顰めて会話をする。 御影専務と、速水 朱美が捕まったとは言え、まだ涼子は捕まっていない。 彼らが捕まった今、涼子は焦っているかもしれないから。 涼子がどこに潜んでいるのか分
Last Updated : 2026-08-20 Read more