陸sideその次の日も担当は体調不良で休暇を取ったため対応が出来ず、夕方になって美月から会社宛てに電話が掛かってきた。「昨日、メールを遅らせていただいたのですが、注文数が従来の数と異なっており、倍の量の注文を頂いています。こちらの数で大丈夫でしょうか」「お前はこっちが間違えたとでも言いたいのか?」美月からの丁寧ぶった物言いが俺の感情を逆撫でさせる。「いえ、そんなことは……。ですが、二倍の量ですと金額も量も膨大になりますので、最終確認のためお電話させていただきました。あと、納期についても従来と同じ期間だと納品が難しいこともあり、一度ご相談させていただきたくて……」「は?出来ないとでも言うのか?今後の取引がどうなってもいいなら好きにしろ。数量が二倍だか何だか知らないが、今まで通りの納期で間に合わせろ。いいな!」美月が何か答える前に俺は一方的に電話を切った。(いちいち俺の指示に逆らうような真似をしやがって……)そして、十分ほどして俺に電話で確認をしたため、正式に注文を受け取ったと書かれた旨のメールが担当者と俺宛てに送られてきた。担当者は、翌日も高熱が出たと言って休み、午後になりインフルエンザだったと報告の電話があり、そのまま一週間有給を取ったのだった。俺は、美月とのやり取りをすっかり忘れていて担当に報告することはしなかった。担当者が十日ぶりに出社し、溜まりにたまった書類とメールを片付けていると正午になる頃に悲鳴のような声が聞こえてきた。「きゃー!!なにこれ。どうしよう」顔面が真っ青になり動揺している彼女に、他の社員も気がついて声を掛けている。「注文書なんですが、30,000個注文するはずがキーを間違えて60,000個と打って間違えていたみたいで確認のメールが届いていたんです。期日もとっくに過ぎていて……どうしよう」「おい、どうするんだ!!30,000個が60,000個ってかなり違うじゃないか!!期日過ぎているなら先方はどうしたんだ?その後連絡はないのか?」課長も慌てながら、事務員を叱りつつ内容の確認を指示している。「すみません、確認しています。」手を震わせながらパソコン操作をしていたが、次のメールを開いた瞬間、彼女は驚いてマウスを動かしていた手を止めて固まっていた。
Last Updated : 2025-11-01 Read more